退職給付金とは?もらえる条件やもらい方・どこに申請すればいいか解説
2026/08/03
退職給付金は法律で決まった制度の名前ではなく、会社から出る退職金と、失業手当などの国の給付をまとめた呼び方です。
会社の退職金は勤め先に制度があるかどうかで決まり、国の給付は条件を満たしたうえで自分で申請した人だけが受け取れます。
自己都合で辞めた人の失業手当は、求職の申込みから最初の振込までにおよそ1か月半〜2か月かかり、1日にもらえる額の上限は年齢によって7,450円〜9,110円です。
退職したあとでも、離職日の翌日から原則1年の間なら失業手当を申請できます。
自分がもらえる給付を確かめたうえで、会社の退職金規程の確認とハローワークでの手続きに進みましょう。
退職給付金とは会社と国から出るお金のこと
退職給付金という言葉は、退職するときや退職したあとに受け取るお金をまとめて呼ぶときに使われ、法律に同じ名前の制度はありません。
会社の退職金だけを指して使う人もいれば、失業手当などの国の給付まで含めて使う人もいて、意味が2通りに分かれます。
厚生労働省の統計では、会社の制度を「退職給付(一時金・年金)制度」と呼んでいます。
話が混ざらないように、会社から出るお金(退職一時金・企業年金)と、国から出るお金(雇用保険の給付など)の2つに分けて考えてください。
「退職給付金がもらえる」と書かれた広告や記事を見たら、会社の退職金の話か国の給付の話かを最初に確かめると、自分に関係があるかすぐ分かります。
失業手当と退職給付金の違い
| 比べる点 | 会社の退職金 | 失業手当 |
|---|---|---|
| 出すところ | 勤め先の会社 | 国(雇用保険) |
| もらえる人 | 就業規則や退職金規程の条件に当てはまる人 | 雇用保険に入っていて、働く意思と能力があり、仕事を探している人 |
| 必要な手続き | 手続きなしで出ることが多い | 自分でハローワークに申請する |
| 決まり方 | 会社の規程で決まる | 退職前の給料・年齢・離職理由・加入期間で決まる |
失業手当は退職給付金と呼ばれるお金の1つですが、会社の退職金とは出す人も受け取る条件も違います。
失業手当の正式な名前は、雇用保険の基本手当です。
退職金が出る会社に勤めていても、失業手当はハローワークで別に申請しないと受け取れないので、片方の手続きだけで済ませないでください。
会社からもらえる退職給付金
会社から出る退職給付金の代表は退職金で、一度にまとめて受け取る形と、年金として分けて受け取る形があります。
退職金を払う義務は法律にはなく、会社に払う義務があるのは就業規則や退職金規程に支給の定めがあるときです。
制度があるかどうか、いくら出るか、自己都合で辞めても出るかは会社ごとに違います。
退職金があるかどうかは、次の書類で確かめましょう。
- 就業規則(退職金の有無や支給の条件が書かれている)
- 退職金規程(金額の計算方法や自己都合で辞めたときの扱いが書かれている)
- 企業年金の規約(企業年金がある会社の場合)
金額の目安は同僚や知人の話で見積もらず、自分の会社の規程で確かめ、読んでも分からなければ人事や総務に聞いてください。
退職一時金
| 出すところ | 勤め先の会社(退職金制度がある場合) |
|---|---|
| もらえる額 | 会社の退職金規程で決まる |
| 受け取り方 | 退職するときに一度にまとめて |
| 税金 | 退職所得控除を差し引いた残りの2分の1にかかる |
| 確かめる書類 | 就業規則・退職金規程 |
退職一時金は、退職するときに会社から一度にまとめて受け取る退職金です。
規程の条件に当てはまれば、定年のときだけでなく、自己都合で辞めた場合にも出ることがあります。
退職金の税金は退職所得控除という差し引きをしてから計算され、受け取る前に会社から渡される「退職所得の受給に関する申告書」を出しておくと、控除を反映した額が天引きされます。
企業年金
| 出すところ | 勤め先の会社が入っている企業年金 |
|---|---|
| もらえる額 | 確定給付企業年金(DB)は前もって決まった額、企業型確定拠出年金(企業型DC)は運用の結果で変わる |
| 受け取り方 | 退職後に年金として分けて受け取る(制度によっては一時金も選べる) |
| 確かめる書類 | 企業年金の規約 |
企業年金は、会社が従業員の退職後に向けて用意する年金の制度です。
DBかDCかで受け取り方と金額の決まり方が違うため、自分の会社がどちらなのかを退職前に企業年金の規約で確かめてください。
会社に退職金や企業年金がなくても、国の給付は雇用保険に入っていたかどうかなどで別に決まります。
国からもらえる退職給付金の一覧
国からもらえる退職給付金は、失業手当を含めて16あります。
| 給付の名前 | 対象になる人 | 受け取り方 | 申請先 |
|---|---|---|---|
| 失業手当(失業保険) | 雇用保険に入っていて、退職後に仕事を探している人 | 日ごと(4週ごとに認定を受けて振込) | ハローワーク |
| 特例一時金 | 季節の仕事など短い雇用をくり返していた人 | 一括 | ハローワーク |
| 雇用保険の傷病手当 | 求職の申込みのあと、病気やけがで15日以上働けない人 | 日ごと(失業手当の代わり) | ハローワーク |
| 高年齢求職者給付金 | 65歳以上で雇用保険に入っていた人 | 一括 | ハローワーク |
| 再就職手当 | 失業手当の日数を3分の1以上残して安定した仕事に就いた人 | 一括 | ハローワーク |
| 就業促進定着手当 | 再就職手当を受けたあと、給料が前の会社より下がった人 | 給料の差額の一部 | ハローワーク |
| 広域求職活動費 | ハローワークの紹介で遠くの会社へ面接に行く人 | 実費に当たる額 | ハローワーク |
| 移転費 | ハローワークなどの紹介で決まった仕事や訓練のために引っ越す人 | 実費に当たる額 | ハローワーク |
| 技能習得手当 | ハローワークの指示で公共職業訓練を受ける人 | 受講した日ごと+交通費 | ハローワーク |
| 寄宿手当 | 公共職業訓練のために家族と離れて住む人 | 定額(月10,700円) | ハローワーク |
| 教育訓練給付金 | 国が指定した講座を受けた人(在職中も退職後も可) | 受講費用の一部 | ハローワーク |
| 教育訓練支援給付金 | 専門実践教育訓練を受ける45歳未満の離職者など | 訓練の間の生活費 | ハローワーク |
| 訓練延長給付 | ハローワークの指示で公共職業訓練を受けている人 | 日ごと(失業手当の日数を延長) | ハローワーク |
| 職業訓練受講給付金(求職者支援制度) | 失業手当を受け取れない人 | 月10万円 | ハローワーク |
| 住居確保給付金 | 離職や休業で家賃が払えなくなりそうな人 | 自治体から家主へ直接 | 自治体の自立相談支援機関 |
| 未払賃金立替払制度 | 倒産した会社から給料や退職金をもらえないまま辞めた人 | 未払い分の原則8割を国が立て替え | 労働基準監督署 |
どの給付も自動では振り込まれず、自分で申請した人だけが受け取れます。
申請先はほとんどがハローワークで、違うのは住居確保給付金の自治体の自立相談支援機関と、未払賃金立替払制度の労働基準監督署の2つだけです。
ハローワークに行く日に関係しそうな給付をまとめて聞き、家賃や会社の倒産が絡む人は別の窓口へも足を運びましょう。
16のうちどれが自分に当てはまるか分からないときは、状況ごとの一覧で確かめてください。
失業手当(失業保険)
| 対象になる人 | 雇用保険に入っていて、退職後に次の仕事を探している人 |
|---|---|
| もらえる額 | 1日あたり賃金日額の50〜80%(上限は年齢により7,450〜9,110円)を90〜360日分 |
| 受け取り方 | 4週間ごとの認定日のあと、認定された日数分が振り込まれる |
| 申請先 | 住所を担当するハローワーク |
| 申請の期限 | 離職日の翌日から原則1年のうちに受け取り終える |
失業手当は、退職後に次の仕事を探す間の生活費として、雇用保険から日ごとに受け取れる給付です。
受け取るには、雇用保険に一定の期間入っていたことと、働く意思と能力があって次の仕事を探していることが条件になります。
1日あたりの金額や受け取れる日数は、退職前の給料や年齢、離職理由によって人ごとに変わります。
認定日から振込日までの日程は、失業保険(失業手当)がいつからもらえるかで順を追って確かめられます。
特例一時金
| 対象になる人 | 季節の仕事など、短い期間の雇用をくり返していた人(短期雇用特例被保険者) |
|---|---|
| もらえる額 | 基本手当日額(失業手当の1日あたりの金額)の40日分(原則) |
| 受け取り方 | 一度にまとめて |
| 申請先 | ハローワーク |
| 申請の期限 | 離職日の翌日から6か月以内 |
特例一時金は、季節ごとの仕事など短い期間の雇用をくり返してきた人のための給付です。
4週間ごとに認定を受ける失業手当と違い、1回の支払いで受け取りが終わります。
一般の会社員として働いていた人は、特例一時金ではなく失業手当の対象です。
雇用保険の傷病手当
| 対象になる人 | 求職の申込みのあと、病気やけがで15日以上続けて働けない人 |
|---|---|
| もらえる額 | 失業手当と同じ額 |
| 受け取り方 | 失業手当の代わりに支給される |
| 申請先 | ハローワーク |
| 似た制度との違い | 在職中の病気やけがは健康保険の傷病手当金(窓口は加入していた健康保険) |
雇用保険の傷病手当は、求職の申込みを済ませたあとに体調をくずし、仕事を探せなくなった人のための給付です。
働けない期間が14日以内なら、傷病手当に切り替えず失業手当のまま受け取れます。
名前が似ている健康保険の傷病手当金とは窓口が違うので、問い合わせ先を取り違えないようにしてください。
高年齢求職者給付金
| 対象になる人 | 65歳以上で雇用保険に入っていた人(高年齢被保険者) |
|---|---|
| もらえる額 | 雇用保険の加入期間が1年未満なら基本手当日額の30日分、1年以上なら50日分 |
| 受け取り方 | 一度にまとめて |
| 申請先 | ハローワーク |
| 申請の期限 | 離職日の翌日から1年以内 |
| 年金との関係 | 年金と同時に受け取れる |
高年齢求職者給付金は、65歳以上で退職した人が失業手当の代わりに受け取る給付です。
年金をもらっている人も受け取れるので、65歳を過ぎて次の仕事を探す人はハローワークで手続きしてください。
再就職手当
| 対象になる人 | 失業手当の残りの日数を3分の1以上残して、安定した仕事に就いた人や事業を始めた人 |
|---|---|
| もらえる額 | 基本手当日額×残りの日数×60%(3分の2以上残っていれば70%)。1日あたりの計算には上限がある |
| 受け取り方 | 一度にまとめて |
| 申請先 | ハローワーク |
| 申請の期限 | 就職した日の翌日から1か月以内 |
再就職手当は、失業手当を受け取れる人が日数を多く残したまま安定した仕事に就いたときや、事業を始めたときに出る手当で、受け取るには主に次の条件を満たしている必要があります。
- 失業手当の残りの日数が、所定給付日数(受け取れる日数の上限)の3分の1以上ある
- 待期期間(求職の申込みから7日間)が終わってからの就職である
- 前の会社や、その関連会社への再就職ではない
- 1年を超えて雇われる見込みがある
- 受給資格が決まる前から内定していた会社ではない
- 過去3年以内に再就職手当を受けていない
自己都合で辞めて給付制限(失業手当が支給されない期間)がある人は、待期期間が終わってから1か月の間、ハローワークか職業紹介事業者の紹介で決まった就職でないと対象から外れます。
就業促進定着手当
| 対象になる人 | 再就職手当を受けて6か月以上働き、給料が前の会社より下がった人 |
|---|---|
| もらえる額 | 前の会社と新しい会社の1日あたりの給料の差×再就職後6か月に給料が出た日数(上限は基本手当日額×再就職手当の残りの日数×20%) |
| 受け取り方 | 一度にまとめて |
| 申請先 | ハローワーク |
| 申請の期限 | 再就職から6か月たった翌日から2か月以内 |
就業促進定着手当は、早く再就職したものの、新しい会社の給料が前より下がった人を支える手当です。
申請できる期間は2か月しかないので、再就職した日をカレンダーに入れておくと申請を忘れずに済みます。
広域求職活動費
| 対象になる人 | ハローワークの紹介で、遠くの会社へ面接などに行く受給資格者 |
|---|---|
| もらえる額 | 鉄道賃や宿泊料などの実費に当たる額 |
| 主な条件 | 訪問先まで往復200km以上など |
| 申請先 | ハローワーク |
広域求職活動費は、遠方の会社を受けるときの交通費や宿泊費の負担を軽くする制度です。
自分で見つけた求人への面接は対象にならないので、遠方の会社に行く前にハローワークで紹介を受けてください。
移転費
| 対象になる人 | ハローワークなどの紹介で決まった就職や公共職業訓練のために、引っ越す人 |
|---|---|
| もらえる額 | 鉄道賃や移転料などの実費に当たる額と、着後手当 |
| 主な条件 | 1年以上雇われる見込みがある、会社から十分な引っ越し費用が出ない など |
| 申請先 | ハローワーク |
移転費は、遠くの仕事や訓練のために住まいを移すとき、引っ越しにかかる費用を補う制度です。
会社から引っ越し費用が十分に出る場合は対象にならないので、会社がいくら負担するかを確かめてからハローワークに相談してください。
技能習得手当
| 対象になる人 | ハローワークの指示で公共職業訓練などを受ける受給資格者 |
|---|---|
| もらえる額 | 受講手当は1日500円(上限2万円)、通所手当は交通費に当たる額(月42,500円まで) |
| 受け取り方 | 失業手当とは別に支給される |
| 申請先 | ハローワーク |
技能習得手当は、訓練を受ける間にかかる交通費などを補うために、失業手当とは別に出る手当です。
自分で選んだ講座ではなく、ハローワークの指示を受けた公共職業訓練が対象なので、訓練を考えている人は窓口で相談してください。
寄宿手当
| 対象になる人 | 公共職業訓練などを受けるため、家族と離れて住む受給資格者 |
|---|---|
| もらえる額 | 月10,700円 |
| 受け取り方 | 失業手当とは別に支給される |
| 申請先 | ハローワーク |
寄宿手当は、公共職業訓練などを受けるために家族と別に住むときに出る手当です。
自宅と訓練先近くの住まいの2か所を持つことになる負担を補います。
訓練先が遠い場合は、訓練に申し込む前にハローワークで寄宿手当の対象になるか確かめてください。
教育訓練給付金
| 対象になる人 | 雇用保険の加入期間が原則3年以上(初めて使う人は1年以上、専門実践は2年以上)ある人。在職中も退職後も使える |
|---|---|
| 一般教育訓練給付金 | 受講費用の20%(上限10万円) |
| 特定一般教育訓練給付金 | 受講費用の40%(上限20万円)、条件を満たすと最大50%(上限25万円) |
| 専門実践教育訓練給付金 | 受講費用の50%(年間上限40万円)、条件を満たすと最大80%(年間上限64万円) |
| 申請先 | ハローワーク |
| 申請の期限 | 一般と特定一般は、受講を終えた日の翌日から1か月以内 |
教育訓練給付金は、厚生労働大臣が指定した講座を受けたときに、受講費用の一部が戻ってくる制度です。
特定一般と専門実践は、資格を取って就職するなどの条件を満たすと戻る割合が上がります。
退職後に使うなら、原則として退職から1年以内に受講を始めます。
退職前の1年以内など決められた時期に指定の講座を受けた人は、自己都合で辞めた場合でも失業手当の給付制限がかからない決まりになっています。
教育訓練支援給付金
| 対象になる人 | 専門実践教育訓練を受ける人のうち、受講を始める時点で45歳未満で離職しているなどの条件を満たす人 |
|---|---|
| もらえる額 | 1日あたり基本手当日額の60%(2025年4月以降に受講を始めた人) |
| 申請先 | ハローワーク |
| 期限 | 2027年3月末までに受講を始めた人が対象 |
教育訓練支援給付金は、講座の費用ではなく、訓練に通う間の生活費として出るお金です。
期限つきの制度なので、使いたい人は受講を始める時期が間に合うかハローワークで確かめてください。
訓練延長給付
| 対象になる人 | ハローワークの指示で公共職業訓練を受けている受給資格者 |
|---|---|
| もらえる額 | 失業手当と同じ額 |
| 受け取れる期間 | 所定給付日数を過ぎても、訓練が終わるまで |
| 主な条件 | 訓練を始める前の時点で、失業手当の残りの日数が一定以上ある |
| 申請先 | ハローワーク |
訓練延長給付は、訓練の途中で失業手当が切れて通えなくなることを防ぐ制度です。
訓練を考えているなら、失業手当の日数が残っているうちにハローワークへ相談しましょう。
職業訓練受講給付金(求職者支援制度)
| 対象になる人 | 失業手当を受け取れない人(雇用保険に入っていた期間が短い人、フリーランスだった人など) |
|---|---|
| もらえる額 | 月10万円と通所手当(家族と離れて住む場合は寄宿手当も) |
| 主な条件 | 本人と世帯の収入や資産が一定以下、訓練に原則すべて出席する |
| 申請先 | ハローワーク |
職業訓練受講給付金は、失業手当の対象から外れた人が、無料の職業訓練を受けながら生活費を受け取れる制度です。
収入や資産の基準が細かく決まっているので、まずハローワークで条件に当てはまるか聞いてみてください。
住居確保給付金
| 対象になる人 | 離職や休業で収入が減り、住まいを失うおそれがある人(離職から2年以内など) |
|---|---|
| もらえる額 | 家賃に当たる額(上限は住んでいる地域と世帯の人数で決まる) |
| 受け取り方 | 自治体から家主へ直接払われる |
| 受け取れる期間 | 原則3か月(延長すると最長9か月) |
| 主な条件 | 収入と資産が基準以下、仕事を探す活動をする |
| 申請先 | 自治体の自立相談支援機関 |
住居確保給付金は、雇用保険とは別に、自治体が家賃の支払いを支える制度です。
家賃を滞納してからでは間に合わないことがあるので、払えなくなりそうだと分かった時点で自立相談支援機関に相談しましょう。
未払賃金立替払制度
| 対象になる人 | 倒産した会社から給料や退職金をもらえないまま辞めた人(パート・アルバイトも含む) |
|---|---|
| もらえる額 | 未払いの給料と退職金の原則8割(上限は退職日の年齢で、45歳以上296万円、30〜44歳176万円、30歳未満88万円) |
| 主な条件 | 1年以上事業を続けていた会社で、倒産日の6か月前の日から2年の間に退職した |
| 申請先 | 労働基準監督署 |
| 申請の期限 | 裁判所の破産などの決定日、または労働基準監督署長が倒産を認めた日の翌日から2年以内 |
未払賃金立替払制度は、倒産で払われなかった給料や退職金の一部を、国が会社に代わって払う制度です。
請求の期限を過ぎると受け取れなくなるので、会社が倒産したら早めに労働基準監督署へ相談してください。
状況ごとにもらえる退職給付金
国から出る退職給付金は、辞めた理由や年齢、雇用保険に入っていたかどうかで対象が変わります。
| いまの状況 | 対象になりうる給付 | 申請先 |
|---|---|---|
| 自己都合で辞めて次の仕事が決まっていない | 失業手当(給付制限は原則1か月) | ハローワーク |
| 会社都合や倒産で辞めた | 失業手当(給付制限なし) | ハローワーク |
| 給料や退職金が払われないまま会社が倒産した | 未払賃金立替払制度 | 労働基準監督署 |
| 病気やけがですぐ働けない | 受給期間の延長、求職の申込みのあとなら雇用保険の傷病手当 | ハローワーク |
| 65歳以上で退職した | 高年齢求職者給付金 | ハローワーク |
| 雇用保険に入っていなかった | 職業訓練受講給付金、家賃が払えなくなりそうなら住居確保給付金 | ハローワーク(住居確保給付金は自治体の自立相談支援機関) |
| 早く再就職が決まった | 再就職手当、給料が下がったら就業促進定着手当 | ハローワーク |
| 職業訓練を受けたい | 技能習得手当・訓練延長給付・教育訓練給付金 | ハローワーク |
給付制限は、自己都合で辞めた人に失業手当が支給されない期間のことで、会社都合で辞めた人にはかかりません。
自己都合か会社都合かは自分で決めるものではなく、ハローワークが離職票などをもとに判断します。
当てはまる状況が2つ以上ある人は、どれも書き出してからハローワークの窓口へ持っていき、一度に相談してください。
退職給付金の中心になる失業手当の仕組み
退職給付金と呼ばれるお金のうち、退職した人の多くが対象になるのは雇用保険の失業手当です。
失業手当の1日の金額ともらえる日数は、退職前の給料と年齢、離職理由、雇用保険に入っていた期間で決まります。
同じ会社を同じ日に辞めた人どうしでも、受け取る額や日数が違うことがあります。
失業手当をもらえる人の条件
失業手当をもらえるのは、雇用保険の加入期間が足りていて、働く意思と能力があるのに仕事が見つからない人です。
加入期間は原則として離職日以前2年間に通算12か月以上で、倒産・解雇・契約が更新されなかったなどの理由で辞めたなら離職日以前1年間に通算6か月以上あれば足ります。
自己都合で辞めた場合の条件と受給開始日の目安は、自己都合で退職したときの失業保険で確かめられます。
次のような人は、加入期間が足りていても失業手当の対象になりません。
- 病気やけがで、すぐには働けない人
- 家事や学業に専念する人
- 自営業を始める人
- 次の就職が決まっている人
病気やけがで働けない人も、受給期間の延長を申し出ておけば、治ってから失業手当を申請できます。
失業手当で1日にもらえる金額の計算方法
失業手当の1日の金額(基本手当日額)は、退職前の給料から出した賃金日額に50〜80%をかけた額です。
賃金日額は、退職前6か月に毎月決まって支払われた給料の合計を180で割って出します。
残業代などの毎月の手当は含みますが、賞与(ボーナス)は含みません。
かける割合は給料が低い人ほど高く、60〜64歳の人は45〜80%です。
給与明細で毎月の給料を6か月分足して180で割れば、自分の賃金日額の見当がつきます。
基本手当日額の上限と下限
基本手当日額の上限は年齢で分かれていて、令和8年8月1日からは一番高い45〜59歳でも9,110円です。
| 年齢 | 1日の上限額 |
|---|---|
| 29歳以下 | 7,450円 |
| 30〜44歳 | 8,270円 |
| 45〜59歳 | 9,110円 |
| 60〜64歳 | 7,830円 |
下限は年齢に関係なく2,562円です。
給料が高かった人でも、1日あたりの額はこの上限を超えません。
上限と下限は毎年8月1日に見直されるため、申請するときの額はハローワークか厚生労働省のサイトで確かめてください。
失業手当をもらえる日数
失業手当をもらえる日数(所定給付日数)は離職理由で大きく分かれ、自己都合なら90〜150日、倒産や解雇なら90〜330日です。
| 離職の理由 | もらえる日数 |
|---|---|
| 自己都合退職・定年・契約期間の満了 | 90〜150日 |
| 倒産・解雇などで辞めた人(特定受給資格者)、やむを得ない理由で辞めた人の一部(特定理由離職者) | 90〜330日 |
| 障害のある人などの就職困難者 | 150〜360日 |
同じ区分のなかでは、雇用保険の加入期間が長いほど、年齢が高いほど日数が増えます。
どの区分になるかは離職票に書かれた離職理由がもとになるので、実際と違っていたら手続きのときにハローワークへ申し出てください。
失業手当が初めて振り込まれるまでの日数
失業手当の最初の振込は、自己都合で辞めた人なら求職の申込みからおよそ1か月半〜2か月後、会社都合の人ならおよそ1か月後です。
求職の申込みから7日間は待期期間と呼ばれ、離職理由に関係なく誰にも支給がありません。
自己都合の人はそのあとに支給のない給付制限が原則1か月続き、過去5年以内に3回以上自己都合で辞めていれば3か月になります。
| 段階 | 自己都合退職 | 会社都合 |
|---|---|---|
| 待期期間 | 求職の申込みから7日間 | 求職の申込みから7日間 |
| 給付制限 | 待期期間のあと原則1か月 | なし |
| 最初の認定日 | 給付制限が終わったあと | 求職の申込みからおおむね4週間後 |
| 最初の振込の目安 | 求職の申込みからおよそ1か月半〜2か月 | 求職の申込みからおよそ1か月 |
自己都合では待期の7日と給付制限の約30日で約37日かかり、そこに最初の認定日と振込までの日数が加わるので、約37日より早く入ることはありません。
離職票が会社から届くまでの日数もこれとは別にかかるため、退職前に2か月分より多めの生活費を用意しておくと、最初の振込までお金が途切れにくくなります。
退職給付金のうち失業手当を受け取る手続きの流れ
失業手当の手続きは、住んでいる地域を担当するハローワークで行います。
一度申し込めば終わりではなく、就職するか所定給付日数を使い切るまで、4週間ごとに失業認定を受けに通います。
再就職手当や雇用保険の傷病手当も受給資格の決定を受けた人が対象なので、最初の手続きを早めに済ませておけば、あとでほかの給付を申請するときにも困りません。
会社から離職票を受け取る
手続きは、会社から雇用保険被保険者離職票-1と-2(離職票)を受け取るところから始まります。
離職票は退職後に会社が交付する書類で、届くまでの日数は会社によって違います。
離職票に書かれた離職理由をもとに、もらえる日数や給付制限があるかどうかが決まります。
退職から時間がたっても届かないときは会社に問い合わせ、それでも出してもらえなければハローワークに相談してください。
失業手当の手続きに必要な書類をそろえる
ハローワークへ行く前に、離職票を含めて次の5つをそろえます。
- 雇用保険被保険者離職票-1と-2
- マイナンバーがわかるもの(マイナンバーカード・通知カード・マイナンバー入りの住民票のどれか)
- 運転免許証やマイナンバーカードなど、本人であることを確かめる書類
- 写真
- 本人名義の預金通帳かキャッシュカード
マイナンバーカードを持っていれば、マイナンバーの確認と本人の確認の両方に使えます。
持ち物の案内は地域によって違うことがあるので、行く前に住所を担当するハローワークのサイトか電話で確かめてください。
ハローワークで求職の申込みをする
書類がそろったら、住所を担当するハローワークで求職の申込みをして、離職票を出します。
求職の申込みをして受給資格が決まると、その日から7日間が待期期間になります。
同じ日に、雇用保険説明会の日時と最初の失業認定日が案内されます。
手続きには時間がかかるので、窓口が閉まる直前ではなく、時間に余裕のある日に行きましょう。
雇用保険説明会に参加する
受給資格が決まると、指定された日に雇用保険説明会へ出て、次のような説明を受けます。
- 失業認定の受け方
- 仕事を探す活動として認められるもの
- 不正受給についての注意
説明会では雇用保険受給資格者証と失業認定申告書が渡され、失業認定申告書は認定日に出す書類なので、なくさずに持っておきましょう。
4週間ごとの失業認定日にハローワークへ行く
失業認定日は原則4週間に1回あり、指定された日にハローワークへ行きます。
失業認定申告書にその期間の仕事探しの実績を書いて出し、認定を受けると、その日数分の失業手当が本人名義の口座に振り込まれます。
就職するか所定給付日数が終わるまで、この認定と振込をくり返します。
認定日に行かないとその期間の分は支給されないので、行けない事情があるときは前もってハローワークに連絡してください。
退職給付金を申請できる期間
国から出る退職給付金は自分で申請しないと受け取れず、申請できる期間も給付ごとに決まっています。
退職したあとに制度を知った人でも、期間のうちなら申請できます。
離職日や再就職した日から数えて、まだ間に合うかを確かめてください。
失業手当の受給期間は離職日の翌日から1年
失業手当を受け取れるのは、原則として離職日の翌日から1年の間です。
この1年を過ぎると、所定給付日数が残っていても、残りの分は受け取れません。
自己都合で所定給付日数が150日の人は、待期期間と給付制限の約37日に150日を足して、支給が終わるまでにおよそ6か月かかります。
受給期間の1年は求職の申込みが遅れても延びないので、離職票が届いたらなるべく早くハローワークで手続きしてください。
病気やけがで働けないときの受給期間の延長
次のような理由で30日以上続けて働けないときは、ハローワークに受給期間の延長を申し出られます。
- 病気やけが
- 出産
- 育児
延長しておけば、退職してすぐには働けない人も、働けるようになってから失業手当を受け取れます。
延長できる期間や申し出の時期など細かな条件は、住所を担当するハローワークで確かめてください。
就業促進定着手当を申請できる期間は2か月
就業促進定着手当を申請できるのは、再就職から6か月たった翌日から2か月の間だけです。
対象は再就職手当を受けた人のうち、再就職先の給料が離職前より下がった人です。
この2か月を過ぎると申請できないので、再就職した日をメモしておき、6か月たったらハローワークへ申請しましょう。
退職給付金の申請サポートを使う前の注意点
国民生活センターは、失業保険の給付を増やせるとうたう申請サポートについて、次のような案内があったとして注意を呼びかけています。
- 高額なサポート料金での契約
- 病院のかかり方についての不適切な案内
- 不正受給につながりかねない申告への誘導
失業手当などを受け取れるかどうかや金額は、法律と、離職理由や加入期間などの事実で決まります。
「誰でも増える」と言い切る案内や、事実と違う申告をすすめる案内には応じないでください。
制度や手続きの疑問は、ハローワークで無料で確かめられます。
申請サポートを使うなら、契約する前に料金と、受け取れなかったときの扱いを書面で確かめてください。
退職給付金についてよくある質問
パートやアルバイトでも退職給付金はもらえますか
雇用保険に入っていれば、パートやアルバイトでも失業手当の対象になりえます。
雇用保険に入る条件は、週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上働く見込みがあることです。
この加入条件は、2028年10月から週10時間以上に広がる予定です。
パートやアルバイトに会社の退職金が出るかどうかは、勤め先の就業規則や退職金規程しだいです。
自己都合で辞めても失業手当はもらえますか
自己都合で辞めた人も、加入期間などの条件を満たしていれば失業手当をもらえます。
もらえる日数は90〜150日で、7日間の待期期間のあとに原則1か月の給付制限があります。
退職金に税金はかかりますか
退職金にも税金はかかり、退職所得控除という差し引きをしてから計算されます。
控除額は勤続20年以下なら40万円×勤続年数(80万円に満たないときは80万円)、20年を超えると800万円+70万円×(勤続年数−20年)です。
税金がかかるのは退職金から控除額を引いた残りの2分の1で、勤続5年以下の役員などには例外があります。
会社に「退職所得の受給に関する申告書」を出しておけば、税金は退職金から天引きされ、原則として確定申告は要りません。
出していないと20.42%が天引きされるので、確定申告で精算します。
退職給付金とは制度名ではなく会社の退職金と国の給付をまとめた呼び方
退職給付金という名前の公的な制度はなく、会社の退職金と国の給付をひとまとめにした言い方です。
- 会社の退職金は、あるかどうかも金額も会社の規程しだいで、就業規則や退職金規程で確かめられる
- 国の給付は16あり、どれも自分で申請した人だけが受け取れて、窓口の多くはハローワーク
- 失業手当の最初の振込は、自己都合なら求職の申込みからおよそ1か月半〜2か月後
- 失業手当の受給期間は離職日の翌日から原則1年で、病気などで働けないときは延長を申し出られる
まずは会社の就業規則か退職金規程で退職金の有無を確かめ、離職票が届いたら住所を担当するハローワークで求職の申込みをしましょう。


