退職給付金とは?もらえる条件やもらい方・どこに申請すればいいか解説
2026/08/03
「退職給付金」という名前の公的制度があるわけではありません。一般に、退職金や失業手当、再就職手当など、退職後に受け取れるお金をまとめて「退職給付金」と呼んでいます。実際には、受け取れる条件や申請先が異なる18の制度があります。
退職後にもらえるお金は、大きく「会社から受け取るお金」と「国の制度から受け取るお金」に分かれます。
会社から受け取る退職金や企業年金は、勤務先の就業規則や退職金規程によって金額や支給条件が異なり、そもそも退職金制度がない会社もあります。一方、失業手当や再就職手当などは、条件を満たしていても自動的に振り込まれるわけではなく、原則として自分で申請が必要です。
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この記事では、18の制度のうち自分がどれを利用できるのかを、退職理由・年齢・退職後の状況から確認できるように整理しました。
失業手当なら「1日いくら受け取れるのか」「何日分もらえるのか」「いつ頃振り込まれるのか」まで具体的に解説します。さらに、申請期限が決まっている制度については、いつまでに何をすればよいのかも一覧で確認できます。
退職給付金は会社からの退職金や公的な失業手当などを総称したもの
退職給付金は、退職するときや退職したあとに受け取れるお金をひとまとめに指す呼び方です。法律にも公的制度にも統一された名称の定めはないため、検索して制度の説明ページが出てこなくても、探し方が悪いわけではありません。
指す範囲は勤務先が支払うお金と、雇用保険などの公的な給付の2つに分かれます。この2系統は財源も条件も別物なので、どちらの話を読むべきかを最初に決めておくと調べる先を間違えずに済みます。
なお、勤務先に退職給付金はいくらですかと聞いても話が通じないことがあります。会社に確認するときは、退職金や企業年金という言葉に置き換えて聞いてください。
正式な制度名として法律に定められているわけではない
法律や公的制度に、退職給付金という統一名称の定めはありません。名称が決まっていないので、使う人によって指す範囲が変わります。会社の退職金だけを念頭に置いた使い方も、失業手当までひとまとめにした使い方も、どちらもあります。
同じ言葉でも媒体によって中身が違うため、退職給付金という言葉そのものを追いかけても1つの答えには行き着きません。
厚生労働省が制度の枠組みとして用いているのは、退職給付(一時金・年金)制度という用語です。
読者側の対処は単純で、言葉を探すのをやめて個別の制度名で調べることです。失業手当、退職一時金、企業年金といった制度名で調べれば、条件も金額も公的機関の案内にたどり着けます。
勤務先から出るお金と公的にもらえるお金の2種類がある
18制度は、決まり方がまったく違う2系統に分かれます。会社側は労使の取り決めで決まり、公的側は法律にもとづく給付なので、支給するかどうかを判断する主体そのものが別です。
- 勤務先から出るお金(2制度): 会社の制度設計しだいで、あるかどうかも金額も変わります。確認先は勤務先の就業規則と退職金規程、企業年金規約です
- 公的にもらえるお金(16制度): 条件を満たせば勤め先に関係なく対象になります。確認先はハローワークや自治体、労働基準監督署などの窓口です
- 動き出せる時期: 会社側は在職中でも規程を読めば分かりますが、公的側は離職票が届いてからでないと手続きが始まりません
今すぐ動く先は、勤務先の規程を読むのか、ハローワークへ行くのかのどちらかです。
気をつけたいのは、退職金がない会社だからもらえるお金は何もないと考えてしまうことです。公的な16制度は退職金制度の有無と無関係に対象になるため、退職金が出ない会社を辞めた人でも申請先はあります。
失業手当は退職給付金に含まれるが会社の退職金とは別のもの
失業手当も、退職給付金という言葉のうちに含めて語られることがあります。ただし会社の退職金とは中身がまったく別です。
退職金は勤務先の退職金制度にもとづいて会社が自社のお金から支払います。失業手当は雇用保険に加入していた人が対象で、公的な制度にもとづいて支給されます。財源が会社の原資か雇用保険かで分かれ、支給を判断するのも会社とハローワークで別々です。
だから退職金がまとまった額で出る会社を辞めた場合でも、失業手当は別に申請しなければ入りません。逆に退職金がなかった人も失業手当は受け取れます。両方を取りに行けると考えてください。
退職者の全員が受け取れる給付ではない点にも注意してください。今すぐ働ける状態で、なおかつ職探しをしていることが前提になるため、辞めれば自動で振り込まれると思い込んでいると手続きごと出遅れます。
退職給付金でもらえるお金の種類
退職後に受け取れるお金は、公的な給付が16制度、勤務先から出るお金が2制度の合計18制度です。公的な給付は目的ごとに4つのまとまりに分かれていて、失業中の生活費を支えるものと再就職を後押しするものでは支給の狙いが違います。
狙いが分かれているので、18制度を全部読む必要はありません。自分の目的に合うまとまりだけを見れば足ります。
条件を満たせば複数を組み合わせて受け取ることもできます。最大の取りこぼしは制度の存在を知らないまま期限が過ぎることなので、まず名前だけ押さえてください。
| 制度名 | どんなときに受け取れるか | 窓口 |
|---|---|---|
| 失業手当(基本手当) | 雇用保険に入っていた人が離職し、今すぐ働ける状態で職探しをしているとき | ハローワーク |
| 特例一時金 | 季節的な仕事など短期雇用特例被保険者だった人が離職したとき | ハローワーク |
| 傷病手当 | 求職の申込み後、病気やけがで15日以上続けて働けなくなったとき | ハローワーク |
| 技能習得手当 | ハローワークの指示で公共職業訓練等を受けるとき | ハローワーク |
| 寄宿手当 | 訓練を受けるため家族と別居して寄宿するとき | ハローワーク |
| 高年齢求職者給付金 | 65歳以上の高年齢被保険者だった人が失業したとき | ハローワーク |
| 住居確保給付金 | 離職や休業で住居を失うおそれがあるとき(離職後2年以内など) | 自治体の自立相談支援機関 |
| 再就職手当 | 失業手当の受給資格者が早期に再就職、または事業を始めたとき | ハローワーク |
| 就業促進定着手当 | 再就職手当を受けた人が6カ月以上働き、賃金が前職より低いとき | ハローワーク |
| 広域求職活動費 | 紹介を受けて往復200キロメートル以上離れた事業所を訪問したとき | ハローワーク |
| 移転費 | 紹介による就職や訓練の受講のために住居を移すとき | ハローワーク |
| 教育訓練給付金 | 厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練講座を受講したとき | ハローワーク |
| 教育訓練支援給付金 | 45歳未満で離職中の人が専門実践教育訓練を受けるとき | ハローワーク |
| 職業訓練受講給付金 | 雇用保険を受給できない離職者が無料の職業訓練を受けるとき | ハローワーク |
| 訓練延長給付 | 公共職業訓練等の受講中に失業手当の日数が終わりそうなとき | ハローワーク |
| 未払賃金立替払制度 | 勤務先の倒産により、未払いの給料を残して退職したとき | 労働基準監督署 |
| 退職一時金 | 就業規則や退職金規程に定めがあり、一括で受け取る形のとき | 勤務先 |
| 企業年金 | 会社に確定給付企業年金や企業型確定拠出年金があるとき | 勤務先 |
収入が途切れた間の生活費は失業手当と6つの給付金
収入が途切れている間の生活費を支える制度は、働き方や年齢、体調、住まいといった事情ごとに分かれています。同じ失業中の生活費でも、自分がどれに当たるかで申請先が変わります。
| 制度 | こういう人が受け取る | 受け取り方 |
|---|---|---|
| 失業手当 | 雇用保険に入っていて、今すぐ働けるのに就職先が決まらない人 | 日額を4週間ごとに |
| 特例一時金 | 季節的な仕事など、短期雇用特例被保険者だった人 | 40日分を一括で |
| 傷病手当 | 求職の申込み後に病気やけがで15日以上働けなくなった人 | 失業手当と同じ日額 |
| 技能習得手当 | ハローワークの指示で公共職業訓練を受ける人 | 失業手当に上乗せ |
| 寄宿手当 | 訓練のため家族と離れて寄宿する人 | 二重の生活費ぶん |
| 高年齢求職者給付金 | 65歳以上で離職した人 | 30日分か50日分を一括で |
| 住居確保給付金 | 離職後2年以内で、家賃を払えず住まいを失いそうな人 | 家賃額を大家へ直接 |
失業手当の対象外と言われた人にも、別の受け皿があります。季節的な仕事をしていた人は特例一時金、65歳以上で辞めた人は高年齢求職者給付金と、申請する制度そのものが変わります。
住居確保給付金だけは雇用保険ではなく自治体の制度で、窓口も自治体の自立相談支援機関です。失業手当だけ調べてハローワークで完結させると、家賃を支えるこの制度を丸ごと取りこぼします。家賃の支払いが不安なら、ハローワークに行く日に自治体の窓口も調べておきましょう。
早く再就職した人は再就職手当と3つの給付を受け取れる
失業手当は再就職が決まると止まりますが、早く決めた人が不利にならないよう、まだ受け取っていない残りの日数(支給残日数)に応じて支給する仕組みがあります。だから早く決まると手当を損する、と考える必要はありません。
| 制度 | こういう場面で使う | 補われるもの |
|---|---|---|
| 再就職手当 | 支給日数を残したまま次の仕事が決まった | 残り日数に応じた手当 |
| 就業促進定着手当 | 再就職したが賃金が前職より下がった | 賃金の差額の一部 |
| 広域求職活動費 | 遠方の勤務先まで面接に出向いた | 電車代と宿泊代の実費 |
| 移転費 | 就職や訓練のために住まいを移す | 移転料と着後手当など |
取りこぼしが起きやすいのは就職日の周辺です。再就職手当には、受け取れる日数の全体(所定給付日数)の3分の1以上が残っていることなどの条件があるため、条件を知らないまま就職日を迎えると受け取れなくなります。内定が出た段階で、就職日を決めてしまう前にハローワークで条件を確認してください。
資格取得や職業訓練の費用は教育訓練給付金などで戻る
資格取得や職業訓練にかかるお金を支える制度は、雇用保険を受け取れる人向けと、受け取れない人向けに分かれています。
| 制度 | こういう人が使う | もらえるもの |
|---|---|---|
| 教育訓練給付金 | 指定講座を受講する人。在職中でも対象 | 受講費用の一部 |
| 教育訓練支援給付金 | 45歳未満で離職中、長期の専門訓練を受ける人 | 訓練期間中の生活費 |
| 職業訓練受講給付金 | 雇用保険を受給できない離職者 | 月10万円と無料の訓練 |
| 訓練延長給付 | 訓練の途中で失業手当の日数が切れる人 | 訓練終了までの延長 |
雇用保険の加入期間が足りない人やフリーランスだった人でも、職業訓練受講給付金なら月10万円を受け取りながら訓練を受けられます。訓練の途中で失業手当の日数が終わりそうな場合は、訓練延長給付で支給が延びることがあります。
ただし訓練は申し込めば給付が続くものではありません。職業訓練受講給付金にはすべての訓練実施日への出席が求められるため、欠席が重なると給付が止まります。申し込む前に、訓練の日程を通いきれるか確かめておきましょう。
給料が未払いのまま倒産したら未払賃金立替払制度を使う
未払賃金立替払制度は、勤務先の倒産によって未払いの給料を残したまま退職した人が対象です。倒産した会社に自分で請求しても回収は難しいため、国が事業主に代わって立て替えます。
立て替えられるのは、未払いの定期賃金と退職金の原則8割です。全額ではありませんが8割が戻れば、生活費の見通しを立て直せます。パートやアルバイトも対象に含まれるので、雇用形態を理由に外れることはありません。
失業手当とは別の支援なので、両方を申請できます。窓口はハローワークではなく労働基準監督署です。
倒産すれば自動的に立て替えられるわけではない点が落ちやすいところです。労働基準監督署長の認定などの手続きが必要で、請求にも期限があります。給料が止まったまま会社がなくなったなら、失業手当の手続きと並行して労働基準監督署へ相談してください。
勤務先から出る退職金は一括か分割かで2つに分かれる
退職金とは、会社が退職者に支払うお金の総称です。受け取り方で2つに分かれ、一括で受け取る形が退職一時金、退職後に分割で受け取る形が企業年金です。
金額や有無が会社ごとに大きく違うのは、退職金の支払いを企業に義務づける法律の規定がないためです。労使の取り決めで決まるものなので、同じ勤続年数でも会社が変われば額も変わります。
ただし就業規則に支給の定めがあれば、会社に支払い義務が生じます。自分の会社に制度があるかどうかは、就業規則や退職金規程を見れば退職前に確認できます。
制度がない会社もあります。その場合でも公的な16制度は別枠で対象になるため、退職金がないことを理由にあきらめる必要はありません。
退職理由や年齢から自分がもらえる退職給付金を絞り込む
制度は目的ごとに分かれていますが、自分の該当先を探すときは退職理由と年齢、体調や勤務先の状況から引くほうが早く済みます。雇用保険の給付は離職理由と年齢、加入期間の3点で区分が決まる設計なので、この3つを当てはめればほぼ絞り込めます。
退職理由が自分の意思か会社側の事情かで、待つ期間と受け取れる日数が変わります。65歳以上なら一般の失業手当ではなく別の給付になり、雇用保険に入っていなかった人にも別枠の制度があります。
該当する制度が複数になる人もいます。その場合は組み合わせて申請できるので、1つ見つけたところで手を止めないでください。
| あなたの状況 | 該当する主な制度 | まず確認すること |
|---|---|---|
| 自分の意思で辞めた | 失業手当、再就職手当、教育訓練給付金 | 待期7日と給付制限1カ月のあいだの生活費 |
| 定年や契約期間の満了で辞めた | 失業手当(日数は自己都合と同じ90〜150日) | 給付制限がつかず待期7日のあとに始まるか |
| 倒産や解雇で辞めた | 失業手当(特定受給資格者)、未払賃金立替払制度 | 離職票に書かれた離職理由 |
| 65歳以上で辞めた | 高年齢求職者給付金 | 30日分か50日分かを決める被保険者期間 |
| 雇用保険に入っていなかった | 職業訓練受講給付金(求職者支援制度) | 収入と資産の要件、訓練の日程 |
| 退職後に体調を崩した | 傷病手当(雇用保険) | 働けない期間が15日以上続くか |
| 給料が未払いのまま倒産した | 未払賃金立替払制度、失業手当 | 退職日が倒産日の6カ月前以降か |
自己都合で退職した場合
自己都合で退職した人も失業手当の対象になります。ただし待期期間の7日に加えて、原則1カ月の給付制限がつきます。自分の意思による離職は、会社側の事情による離職と区別されているためです。
受け取れる日数は90日から150日で、雇用保険にどれだけ入っていたかで決まります。求職の申込み、待期7日、給付制限1カ月、失業認定という段取りを踏むので、初回の振込までは1カ月半から2カ月ほど空きます。退職した翌月から手当が入る前提で家計を組んでいると崩れるため、2カ月分の生活費を先に確保しておいてください。
早く再就職できれば再就職手当、訓練を受けたいなら教育訓練給付金や技能習得手当も併せて申請できます。
注意したいのは給付制限の期間中に再就職が決まったときです。この1カ月のあいだの就職で再就職手当を受け取るには、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職である必要があります。自分で見つけた求人に応募する前に、ハローワークで紹介の形にできるか相談しましょう。
倒産や解雇など会社都合の理由で退職した場合
倒産や解雇で離職した人には給付制限がかかりません。待期期間の7日が終わった翌日から支給の対象になるので、自己都合より1カ月早くお金が入り始めます。
雇用保険の加入期間の条件も緩和され、原則の離職の日以前2年間に通算12カ月以上が、倒産や解雇などやむを得ない離職では離職前1年間に通算6カ月以上で足ります。入社して1年ほどで会社が傾いた場合でも対象になりえます。
受け取れる日数は年齢と加入期間に応じて90日から330日です。特定受給資格者として区分されるためで、自己都合の上限150日と比べて大きく伸びます。
賃金が未払いのまま倒産したなら、未払賃金立替払制度も併せて対象になります。
見落とすと痛いのは離職票の記載です。離職理由が実態と違う形で書かれていると、給付制限の有無も日数も自己都合の扱いに変わってしまいます。離職票が届いたらまず離職理由の欄を読み、納得できない場合はハローワークで申し出てください。
65歳以上で退職した場合
65歳以上で離職した人は、高年齢求職者給付金の対象になります。65歳以上は高年齢被保険者として区分が分かれており、一般の失業手当とは別の給付が用意されているためです。
受け取り方も違います。日ごとの支給ではなく、被保険者期間に応じて失業手当の30日分または50日分を一時金でまとめて受け取ります。
すでに年金を受け取っている人でも、あわせて受給できます。年金があるせいで対象から外れるのではないか、という心配は要りません。
一般の失業手当と同じように90日分以上もらえると思っていると、受取額が想定より少なく感じます。受け取るのは30日分か50日分をまとめた一時金だという点を先に押さえて、生活費の計画に入れてください。
一時金といっても、手続きなしで振り込まれるものではありません。再就職の意欲があり、ハローワークで求職活動を行うことが受給の条件になります。離職票が届いたらハローワークで求職の申込みをしてください。
雇用保険に入っていなかった場合
雇用保険の加入期間が足りない人やフリーランスだった人は、失業手当の対象になりません。雇用保険の給付は加入期間を前提にしているためです。
その代わりに使えるのが職業訓練受講給付金(求職者支援制度)です。条件を満たせば月10万円の給付を受けながら、無料の職業訓練を受講できます。失業手当が出ない状況でも、収入を確保しながら再就職に向けた訓練を受ける道が残っています。
条件は収入や資産が一定の基準以下であることと、訓練への高い出席率です。すべての訓練実施日への出席が求められるので、欠席が続くと給付が止まります。
訓練自体は、今すぐ転職する予定がない人でも受講できます。
申し込みの前に確かめてほしいのは訓練の日程です。全日程に通えるかどうかが給付の続き方を左右するため、通学時間と家庭の予定を先に突き合わせておきましょう。窓口はハローワークで、求職登録も必要になります。
退職後に体調を崩して働けない場合
ハローワークで求職の申込みをしたあとに病気やけがで15日以上続けて働けなくなった場合は、雇用保険の傷病手当の対象になります。失業手当は働ける状態であることが前提なので、働けない期間を支える別の給付が用意されています。
支給額は失業手当の日額と同じです。失業手当に代わって支払われる形なので、体調を崩しても給付が途切れません。
休養が14日以内で収まるなら、通常の失業手当がそのまま受けられます。15日以上という区切りで扱いが変わると覚えておいてください。
名前が似ている健康保険の傷病手当金とは別の制度です。健康保険のほうは在職中の病気やけがを対象にするもので、窓口も違います。混同したまま健康保険の窓口へ行っても手続きは進みません。
雇用保険の傷病手当はハローワークが窓口です。認定日に行けないほど体調が悪いときは、自己判断で欠席せずハローワークへ連絡してください。
CHECK LIST
1つでも当てはまるなら、
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| ✓ | 転職活動に時間をかけたいけど、お金が心配 |
| ✓ | 給付金って会社都合じゃないともらえないと思っていた |
| ✓ | 申請のやり方が複雑そうで諦めかけている |
制度ごとに窓口も必要書類も期限も違います。順に調べていくより、自分がどれに当てはまるかを先に確かめるほうが早く進みます。書類の準備から申請方法の案内まで、すべてLINE上で完結します。
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勤務先が倒産して給料をもらえていない場合
勤務先の倒産で給料が支払われないまま退職した人は、未払賃金立替払制度で未払いの定期賃金や退職金の原則8割を国から受け取れます。倒産した会社から自力で回収するのは現実的に難しいため、国が立て替えて後から会社に請求する仕組みです。
対象になるかどうかは3点で決まります。
- 企業の事業期間: 勤めていた会社が1年以上にわたって事業を続けていたこと
- 退職の時期: 倒産日の6カ月前から2年間のあいだに退職していること
- 雇用形態: パートやアルバイトも対象に含まれる
失業手当とは別枠の制度なので、両方を申請できます。未払い分の全額ではありませんが原則8割が戻れば、失業手当と合わせて数カ月先までの生活費の見通しが立ちます。
期限に気をつけてください。上の退職の時期に当てはまっていても、請求そのものにも期限があります。労働基準監督署長の認定などの手続きも必要なので、会社がなくなったと分かった時点で労働基準監督署へ相談しましょう。
勤務先から出る退職金の種類や金額は就業規則で決まる
勤務先から出るお金は、退職時に一括で受け取る退職一時金と、退職後に分割で受け取る企業年金の2つの形に分かれます。どちらも法律で義務づけられた制度ではなく、あるかどうかは会社の制度設計しだいです。
ただし就業規則に支給の定めを置いた場合は、その内容が労働条件になるため会社に支払い義務が生じます。規程に書いてあることが、受け取れるかどうかの根拠になります。
確認先は就業規則、退職金規程、企業年金規約の3つです。退職前に読んでおけば受け取れる金額の見当がつき、無収入期間の生活費に組み込めます。
制度がない会社もありますが、その場合も公的な16制度は別枠で対象になります。
退職一時金は退職時に一括で受け取る
退職一時金は、退職のタイミングで会社から一括で支払われる形の退職金です。定年退職に限った制度ではなく、転職などの自己都合退職でも社内の規程に該当すれば支給されます。
まとまった額が一度に入るため、家の購入や子どもの学費、老後の備えといった大きな支出に回しやすくなります。
税金の面でも有利になりやすいです。退職所得は長年の勤務に対する対価とみなされ、給与所得とは別の控除が設けられています。一定の条件のもとで退職所得控除が使えるので、同じ金額を給与として受け取る場合より手取りが多く残ります。
| 受け取り方 | 時期 | 向いている使い道 |
|---|---|---|
| 退職一時金 | 退職時に一括 | 住宅ローンの返済、教育費、開業資金 |
| 企業年金 | 退職後に分割(制度により一時金も可) | 老後の毎月の生活費 |
金額は会社によって開きが大きいため、世間の相場を調べても自分の受取額には近づけません。自社の退職金規程で勤続年数ごとの計算方法を確認してください。
企業年金は退職後に分割で受け取る
企業年金は、退職後の暮らしを支える目的で会社が用意する年金の仕組みです。方式が2つあり、どちらかによって受取額の決まり方が変わります。
確定給付企業年金(DB)は、給付額があらかじめ決まっている方式です。約束された額が示されるので、老後の収入としてあてにできます。
企業型確定拠出年金(企業型DC)は、会社が出した掛金を本人が運用し、その運用結果で受取額が変わる方式です。制度の設計によっては、年金の形をとらず一時金でまとめて受け取れることもあります。
自分の会社がどちらの方式かが分かれば、老後の収入として見込める額の精度が上がります。企業年金規約で方式を確かめてください。
企業型DCの場合は、見込み額を確定した金額として生活設計に組み込まないことです。運用結果で受取額が変わるため、想定どおりに増えないこともあります。
退職金があるかどうかは退職金規程で確認する
自分の会社に退職金制度があるかどうかは、書類を3つ見れば分かります。就業規則に記載された労働条件は会社を拘束するので、規程の記載がそのまま受け取れるかどうかの根拠になります。
- 就業規則: 退職金の支給についての定めがあるか。定めがあれば会社に支払い義務が生じます
- 退職金規程: 支給の対象になる勤続年数、自己都合と会社都合で計算が変わるか、金額の計算方法
- 企業年金規約: 企業年金の方式(DBか企業型DC)と、一時金で受け取る形を選べるか
退職を申し出る前に読んでおくと、退職日を規程の区切りに合わせるといった判断ができます。勤続年数の区切りをまたぐかどうかで金額が変わる会社もあるためです。
社内で規程が見つからないときは、人事や総務に確認してください。制度そのものがなかった場合も、公的な給付は別枠で対象になります。
公的に受け取れる退職給付金の種類と受給の条件
公的な給付の柱は失業手当です。ほかの制度は働き方や年齢、体調、住まい、訓練といった事情ごとに分かれています。
根拠となる仕組みが制度ごとに違うため、窓口も一様ではありません。多くはハローワークですが、住居確保給付金は自治体の自立相談支援機関、未払賃金立替払制度は労働基準監督署が受け付けます。窓口を間違えると手続きが1歩も進まないので、自分が該当しそうな制度の窓口を先に押さえてください。
金額も、日額を積み上げる型と一時金でまとめて出る型に分かれます。
そして16制度はどれも申請が起点で、条件を満たしていても自動では振り込まれません。条件と金額を先に確認しておけば、窓口で何を聞けばよいかが決まります。
失業手当(基本手当)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 雇用保険に加入していた人が離職し、今すぐ働けるのに就職先が決まらない状態にある場合 |
| 金額の決まり方 | 賃金日額×給付率の日額を支給 |
| 受け取れる日数 | 90〜360日 |
| 窓口 | ハローワーク |
失業手当は、雇用保険に入っていた人が離職したあと、再就職までの生活を支える給付です。正式な名称は雇用保険の基本手当で、失業保険や失業手当という呼び方が一般に使われています。役所の書類に出てくる基本手当と、ふだん耳にする失業保険は同じものだと考えて差しつかえありません。
再就職を後押しするための給付なので、今すぐ働ける状態にあり、なおかつ職探しを続けていることが支給の前提です。会社を辞めただけでは対象になりません。
公的な給付16制度のなかで最も対象者が多いのがこの失業手当です。受け取るには勤務先から届いた離職票を持ってハローワークで手続きをする必要があり、条件と1日あたりの金額、日数はこの先で数字を出して確認できます。
特例一時金
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 短期雇用特例被保険者(季節的な仕事や短期契約で働いていた人) |
| 金額 | 原則、基本手当日額の40日分 |
| 支給の形 | 一括で受け取る |
| 窓口 | ハローワーク |
特例一時金は、季節的に雇われる仕事や短期契約で働いていた短期雇用特例被保険者が失業したときの給付です。就職と退職が短い間隔で入れ替わる働き方では、何カ月にもわたって分割で払う形が合いません。そのため原則として基本手当日額の40日分を一括で受け取る形になっています。
まとまった額が一度に入るので、次の仕事が始まるまでの資金をひとまとめで確保できます。ただし一般の失業手当と同じ日数を当てにしていると、受取総額は想定よりだいぶ少なくなります。40日分という枠を前提に、次の仕事を探す期間を組んでください。
傷病手当
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 失業手当の受給資格がある人が、求職の申込み後に病気やけがで15日以上続けて働けなくなった場合 |
| 金額 | 失業手当の日額と同じ |
| 健康保険の傷病手当金との違い | 別制度。こちらは雇用保険の給付で、失業手当に代わって支払われる |
| 窓口 | ハローワーク |
雇用保険の傷病手当は、求職の申込みをしたあとに病気やけがで15日以上続けて働けなくなった人が受け取ります。失業手当は働ける状態が前提の給付なので、働けない期間はそのまま同じ日額の別の給付に切り替わる仕組みです。体調を崩しても給付が途切れず、受け取る日額も変わりません。
休養が14日以内で済むなら、切り替えは要らず通常の失業手当がそのまま受けられます。
名前がよく似ている健康保険の傷病手当金は別の制度で、窓口も違います。雇用保険の傷病手当を申請するのはハローワークだと覚えておかないと、健康保険の窓口へ行っても手続きできません。
技能習得手当
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 失業手当の受給資格者が、ハローワークの指示で公共職業訓練等を受ける場合 |
| 手当の種類 | 受講手当(訓練の受講に対して)、通所手当(訓練施設への移動に対して) |
| 失業手当との関係 | 失業手当とは別に受け取れる |
| 窓口 | ハローワーク |
技能習得手当は、失業手当を受けている人がハローワークの指示で公共職業訓練を受けるときに、失業手当とは別枠で受け取れる手当です。訓練の受講には交通費などの実費がかかるので、日々の生活費とは分けて補う組み立てになっています。
受講手当と通所手当が失業手当に上乗せされるため、訓練を受けている数カ月の収支は手当なしの場合より改善します。
気をつけたいのは、自分で探して申し込んだ講座では対象にならない点です。ハローワークの指示による受講であることが条件なので、受けたい訓練があるなら窓口で相談してから申し込んでください。
寄宿手当
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 公共職業訓練を受けるため、家族と離れて寄宿しながら通う場合 |
| 補う費用 | 二重にかかる生活費 |
| 窓口 | ハローワーク |
寄宿手当が支給されるのは、公共職業訓練に通うため家族と離れて暮らし、訓練先の近くに寄宿する場合です。世帯が二カ所に分かれると生活費も二重にかかるので、その上乗せ分を埋めるために用意された手当です。
この手当があるおかげで、自宅から通えない訓練校も検討の対象に残せます。受けたい訓練が遠方にしかないケースでも、通えないという理由だけで諦めなくて済みます。
対象になる場面は限られていて、要件も定められています。遠方の訓練校を志望するなら、申し込む前にハローワークで自分が寄宿手当の要件に当たるか確かめておきましょう。
高年齢求職者給付金
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象年齢 | 65歳以上の高年齢被保険者だった人 |
| 金額 | 被保険者期間に応じて失業手当の30日分または50日分 |
| 年金との併給 | 年金を受け取っていても併せて受給できる |
| 窓口 | ハローワーク |
高年齢求職者給付金は、65歳以上で雇用保険に入っていた人が失業したときの給付です。65歳以上は高年齢被保険者という別の区分で扱われるため、一般の失業手当とは違う形の給付が用意されています。
日ごとに振り込まれるのではなく、被保険者期間に応じて失業手当の30日分または50日分が一時金で出ます。年金を受け取っている人でも併せて受給できるので、年金があるから対象外だろうと決めつけずに申請してください。
一般の失業手当と同じ90日分以上を見込んでいると、受取額は想定を大きく下回ります。30日分か50日分の一時金だという前提を先に押さえたうえで、再就職の意欲を示してハローワークで求職活動を行いましょう。
住居確保給付金
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 離職や休業で困窮し住居を失うおそれのある人(離職後2年以内、または収入が大きく減った人。所得と資産の要件あり) |
| 支給内容 | 家賃に相当する額を、自治体が大家へ直接振り込む |
| 支給期間 | 原則3カ月 |
| 窓口 | 自治体の自立相談支援機関 |
住居確保給付金は、離職や休業で生活が苦しくなり、家賃を払えず住まいを失いそうな人を支える制度です。住まいを失うと求職活動そのものが成り立たなくなるので、雇用保険とは別枠で住居費を支える仕組みが用意されています。
家賃に相当する額は本人を経由せず、自治体から大家へ直接渡ります。手元に入ったお金を他の支払いに回してしまい家賃を滞納する、という事態を避けられる形です。家賃の当てを気にせず仕事探しを続けられます。受給にはハローワーク等を通じた求職活動が必要です。
取りこぼしが起きやすいのは窓口です。ここだけはハローワークではなく自治体の自立相談支援機関が受け付けるため、ハローワークにだけ通っていると制度に行き当たりません。支給期間の3カ月も原則の日数で、自治体によって運用が異なります。家賃の支払いが不安なら、住んでいる市区町村の窓口に問い合わせてください。
再就職手当
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 失業手当の受給資格を持つ人が、早い段階で安定した職に就いた、あるいは開業した場合 |
| 主な条件 | 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上/前の勤務先へ戻る形ではない/1年より長く働く見込みが固い/待期期間の7日を終えたあとの就職 |
| 対象外になる場合 | 過去3年以内に再就職手当を受けた、受給資格が決まる前から採用が内定していた勤務先への就職 |
| 窓口 | ハローワーク |
再就職手当は、失業手当をもらい切る前に次の仕事が決まった人や事業を始めた人が受け取れる給付です。最後まで失業手当を受け取った人より早く決めた人が損をしないよう、残っている日数に応じて支給する組み立てになっています。
上の表にある4つの条件のうち、前の勤務先へ戻る形ではないという点は幅広く見られます。資本や人事、取引の面で前の勤務先と深くつながっている会社への就職も認められません。
過去に一度受けている人は、3年の間隔が空いているかを先に確かめてください。
就職日を迎えた時点で失業手当は止まります。残日数が多いうちに決まれば受け取れる額も大きくなるので、内定が出た段階でハローワークに条件を満たすか確認しましょう。
就業促進定着手当
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 再就職手当を受けた人が再就職先に6カ月以上雇用され、賃金が離職前より低い場合 |
| 支給内容 | 前の勤務先との賃金の差額の一部 |
| 申請期限 | 再就職した日から6カ月がたったあとの2カ月間 |
| 窓口 | ハローワーク |
就業促進定着手当は、再就職手当を受けた人の賃金が前の勤務先より下がったときに、その差額の一部を補う手当です。早く決めたぶん給料が下がったのでは再就職手当だけでは埋まらないため、定着を支える追加の給付が置かれています。雇用保険の一般被保険者として再就職先で継続して雇われていることが条件になります。
下がった賃金の一部が戻るので、早めに就職を決めた判断による目減りを埋められます。
手続きを一通り追ってみて、一番危ないと感じたのがこの制度です。申請できるのは再就職から6カ月が過ぎた後の2カ月以内だけで、しかも新しい職場に慣れてきた頃に自分で思い出して動かなければなりません。案内を待っていると期限が過ぎます。就職日が決まったら、6カ月後の日付を手帳やスマホの予定に入れておいてください。
広域求職活動費
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | ハローワークの紹介を受け、遠方の勤務先まで出向いて面接などをした場合 |
| 距離の条件 | 行き帰りの合計が200キロメートルを超えるなどの条件に当てはまる場合 |
| 支給内容 | 電車代や宿泊代など、かかった旅費の実費に相当する額 |
| 窓口 | ハローワーク |
広域求職活動費は、遠方の勤務先まで面接に出向いたときの旅費の実費相当額を補う制度です。交通費と宿泊費の負担が重いことだけを理由に応募を見送らずに済みます。
支給の対象になるのは、ハローワークの紹介を受けて遠方の勤務先まで出向き、面接などをした場合です。行き帰りの合計が200キロメートルを超えるといった条件に当てはまれば、電車代や宿泊代がかかった実費の相当額で支給されます。交通費を理由に県外の求人を切り捨てずに済みます。
自分で見つけた求人に応募して面接に行った分は対象外です。遠方の会社を受けたいなら、ハローワークの紹介という形にできるか窓口で先に相談してください。
移転費
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | ハローワーク等の紹介で就職する、または公共職業訓練等を受けるために住居を移す場合 |
| 要件 | 就職先で1年以上働く見込みがある/引っ越し代が勤務先から十分に出ないこと |
| 支給内容 | 世帯の人数と移る距離に応じた電車代、移転料、着後手当 |
| 窓口 | ハローワーク |
移転費は、ハローワーク等の紹介で決まった仕事に就くため、あるいは公共職業訓練に通うために住まいを移す場合の費用を対象とする給付です。住まいを移す就職は最初にかかる出費が大きいため、勤務先の補助が足りない場合にかぎって国が肩代わりする形になっています。
支給されるのは、世帯の人数と移る距離に応じた電車代、移転料、着後手当です。就職先で1年以上働く見込みがあることも要件に入っているため、短期の仕事のために住まいを移す場合には使えません。引っ越し代を理由に遠方の就職先を諦めなくてよくなります。
勤務先から十分な移転費用が支払われる場合は対象外になります。内定先に赴任手当や引っ越し補助があるかを先に確認し、そのうえでハローワークに相談する順番で進めましょう。
教育訓練給付金
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 雇用保険の加入期間が通算3年以上の在職者・離職者(初めて使う場合は講座の区分に応じて1年以上または2年以上) |
| 3種類の区分 | 一般教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金 |
| 給付内容 | 厚生労働大臣の指定を受けた講座の受講費用の一部 |
| 窓口 | ハローワーク |
教育訓練給付金は、厚生労働大臣の指定を受けた講座を受けた人に、受講費用の一部が戻ってくる制度です。区分は一般教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金の3つで、講座の内容や期間によって使える区分が変わります。
対象になるのは雇用保険の加入期間が通算3年以上の在職者と離職者です。初めて使う場合は短くなり、講座の区分に応じて1年以上または2年以上で対象になります。加入期間が条件になっているのは、被保険者として一定期間保険料を負担した人向けの制度だからです。
在職中でも使えるので、退職前から資格取得の準備にかかれます。逆に、指定を受けていない講座はいくら受けても1円も戻りません。受講料を払う前に、その講座が指定講座かどうかをハローワークで確かめてください。
教育訓練支援給付金
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 専門実践教育訓練給付金の対象者のうち、条件を満たす人 |
| 条件 | 受講を始める時点で45歳より若く離職中/受講のあいだ失業手当を受けていない など |
| 制度の期限 | 現時点では2027年3月末まで |
| 窓口 | ハローワーク |
教育訓練支援給付金は、専門実践教育訓練給付金を使って長期の訓練を受ける人の生活面を支える追加の給付です。長期の訓練中は働けず失業手当も受けられないため、生活費を別枠で支える位置づけになっています。
条件は、受講を始める時点で45歳より若く、かつ離職している状態であること。あわせて、受講しているあいだ失業手当を受けていないことなどです。収入が途切れる期間があっても、専門的な学び直しに踏み切れます。
気をつけたい点は期限です。現時点では2027年3月末をもって終わる予定の制度で、その後も続くかどうかは決まっていません。長期の訓練を考えているなら、受講の申し込みより先に最新の取り扱いをハローワークで確認しましょう。
職業訓練受講給付金(求職者支援制度)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 雇用保険の加入期間が足りない人、フリーランスだった人など雇用保険を受給できない離職者、収入が一定額以下の在職者 |
| 給付額 | 月10万円 |
| 条件 | 収入と資産が一定基準以下、訓練への高い出席率、求職登録と就職意欲 |
| 窓口 | ハローワーク |
職業訓練受講給付金は、雇用保険を受給できない人が月10万円を受け取りながら無料の職業訓練を受けられる制度で、求職者支援制度とも呼ばれます。雇用保険の給付は加入期間が前提なので、加入期間が足りない人やフリーランスだった人の再就職を支える別枠として設けられています。収入が一定額以下の在職者も対象です。
失業手当が対象外だった人でも、月10万円が入りながら訓練を受けられます。訓練の受講費用もかかりません。
条件は収入と資産が一定の基準以下であることと、訓練への出席です。ここで見落としやすいのは、申し込めば給付が続くわけではない点です。すべての訓練実施日への出席が求められ、欠席が重なると給付が止まります。訓練期間中の通院や家庭の用事は、受講の申し込み前に日程を調整しておいてください。今すぐ転職する予定がない人でも、訓練そのものは受講できます。
訓練延長給付
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | ハローワークの指示で公共職業訓練等を受けている人 |
| 延長される内容 | 訓練が終わるまで、所定給付日数を超えて失業手当を支給 |
| 要件 | ハローワークの指示による受講、訓練開始前日に支給残日数が一定以上あること |
| 窓口 | ハローワーク |
訓練延長給付は、訓練の途中で失業手当の日数が切れてしまう場合に、訓練が終わるまで支給を延ばす仕組みです。給付が切れると生活が回らず受講を続けられなくなるため、訓練の完了まで所定給付日数を超えて支給する形になっています。
この延長があるので、残っている日数が足りないことを理由に長期の訓練を避ける必要はありません。
要件は2つで、ハローワークの指示による受講であることと、訓練開始前日の時点で支給残日数が一定以上あることです。訓練が始まる前日に残日数が足りないと延長の対象になりません。受けたい訓練の開始日から逆算して、残日数があるうちに申し込みを済ませましょう。
未払賃金立替払制度
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 勤務先の倒産で未払いの給料を残して退職した人(1年より長く事業を続けていた会社に勤め、倒産した日を基準に6カ月前から2年間のうちに退職した場合。パート・アルバイトも対象) |
| 支給割合 | 未払いの定期賃金・退職金の原則8割 |
| 必要な手続き | 労働基準監督署長の認定など。請求に期限あり |
| 窓口 | 労働基準監督署 |
未払賃金立替払制度は、勤務先の倒産で給料を受け取れずに退職した人に対し、未払い分の一部を国が肩代わりして払う制度です。倒産した企業から本人が回収するのは現実的に難しいので、国がいったん立て替えて後から企業に請求する仕組みになっています。
全額ではありませんが8割が戻れば、失業手当と合わせて生活費の見通しが立ちます。パートやアルバイトも外れないので、雇用形態を理由にあきらめる必要はありません。
失業手当とは別の支援なので、両方を並行して手続きすることになります。倒産すれば自動的に立て替えられるわけではなく、労働基準監督署長の認定などの手続きを自分で進める必要があり、請求にも期限があります。勤務先が倒産して給料が止まっているなら、失業手当の手続きと並べて労働基準監督署へ早めに相談してください。
失業手当がもらえる条件
失業手当の受給資格は、雇用保険にどれだけ入っていたかと、いま職探しができる状態にあるかどうかの2点で決まります。失業手当は再就職を支えるための給付なので、保険料を負担した期間と再就職の意思の両方をそろえて条件にしているわけです。
加入期間は原則として離職前2年間に通算12カ月以上です。倒産や解雇のようにやむを得ない離職なら、この条件が緩和されます。
先に資格の有無を判定しておけば、このあとの金額や日数の話を自分の話として読めます。加入期間が足りずに対象外だった場合も、月10万円を受け取りながら訓練を受けられる求職者支援制度という別枠があるので、そこで打ち切りにはなりません。
離職前2年間に被保険者期間が通算12カ月以上あるか
原則の条件は、離職の日以前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12カ月以上あることです。被保険者期間とは、雇用保険に加入していた期間のことを指します。一定の期間保険料を負担した人を対象にする制度なので、加入期間が受給資格を決める条件になります。
ここで大事なのは通算という点です。2年間のうちに転職を挟んでいても、前の勤務先での加入期間と今の勤務先での加入期間を合算して判定されます。転職して半年しか経っていない人でも、その前の会社での加入期間を足して12カ月に届けば対象になります。
12カ月に届かない場合は失業手当を受け取れません。そのときは求職者支援制度に切り替えて考えることになります。自分の加入期間があいまいなら、雇用保険被保険者証や離職票の記載をもとにハローワークで通算月数を確認できます。
倒産や解雇なら6カ月以上に緩和される
会社の倒産や解雇、契約満了といった自分の準備が間に合わないままの離職では、加入期間の条件が半分になります。緩和後は離職前1年間に被保険者期間が通算6カ月以上あれば受給資格を満たします。
12カ月に届いていなくても、会社側の事情による離職なら6カ月で対象になります。就職して1年経たずに勤務先が倒産したケースでも、失業手当を受け取れる可能性が残るわけです。こうした理由で離職した人は特定受給資格者や特定理由離職者として扱われ、受け取れる日数も一般の離職より長く設定されています。
自己都合と会社都合のどちらになるかは、勤務先が発行する離職票の記載で決まります。実際は退職を促されたのに自己都合と書かれていた、という食い違いもあります。記載に納得できないときは、ハローワークに申し出て確認を求めてください。
働ける状態で仕事を探していることが前提になる
加入期間の条件を満たしていても、それだけでは失業手当は出ません。働く意思と体力がそろっていて、進んで職を探しているのに決まらない状態にあることが求められます。再就職を支えるための給付なので、再就職に向けて動いていることが支給の前提になります。
手続きの起点は、ハローワークでの求職の申込みです。ここを済ませないと、退職から何カ月経っても支給は始まりません。
求職活動の実績は、認定のたびに確認されます。何が求職活動として認められるかは雇用保険説明会で案内されるので、そこで先に聞いておけば、認定日に実績が足りず慌てずに済みます。
病気やけがですぐには働けないという事情があるなら、雇用保険の傷病手当や受給期間の延長といった別の扱いを相談できます。働けない状態を隠して申請するのではなく、状況をそのまま窓口に伝えてください。
失業手当を受け取れない人の条件
次に当たる人は失業手当の対象外ですが、代わりに使える制度があります。いずれも働ける状態で再就職を目指すという制度の前提から外れるため対象になりません。
- 病気やけがのため今すぐには働けない人 → 雇用保険の傷病手当、または受給期間の延長を相談する
- すぐに就職する意思がない人 → 意思が固まってから求職の申込みをする
- 自営業に専念する人 → 事業を始める場合は再就職手当の対象になるか確認する
- 退職後は学業や家のことに専念する人 → 職探しを再開する時期に合わせて手続きする
- 次の勤務先がすでに決まっている人 → 条件を満たせば再就職手当を申請する
- 雇用保険の加入期間が足りない人 → 求職者支援制度で月10万円を受け取りながら訓練を受ける
対象外だと早い段階で分かれば、ハローワークで失業手当の相談を続けて時間を使わずに、別の制度へ切り替えられます。特に加入期間が足りない人と、体調の問題で働けない人には行き先が用意されているので、自分がどちらに当たるかを窓口で先に伝えましょう。
失業手当で1日にもらえる金額と受給期間
失業手当の1日あたりの金額は、退職前6カ月の給料に給付率をかけて計算します。給付率は50から80パーセントの幅があり、給料が少なかった人ほど率が上がります。もともとの収入が少なかった人の暮らしを厚めに支えるため、あえて幅を持たせた仕組みです。
年齢ごとに1日あたりの上限額があり、全年齢共通の下限額も定められています。この2つは毎年8月1日に改定されます。
受け取れる日数は、退職理由と年齢、雇用保険の加入期間の組み合わせで90日から360日まで開きます。日額と日数が分かれば、無収入の期間にいくら入るかを生活費の計画に組み込めます。
ただし上限額があるため、給料が高かった人は自分の年齢区分の上限を先に確認してから見積もってください。
1日あたりの金額は退職前6カ月の給料から計算する
計算は2段階に分かれます。まず退職前の半年について、毎月決まって支払われた給料を合計し、その額を180で割って賃金日額を出します。180という数字は、6カ月をおよそ30日ずつで換算した日数で、月給を1日あたりに直すための割り算です。
次に、その賃金日額に給付率をかけた金額が1日あたりの支給額になります。これが基本手当日額で、失業手当として実際に1日分として計算される額です。給付率は50から80パーセントで、60歳から64歳は45から80パーセントになります。
給料が低かった人ほど給付率が高くなる仕組みなので、月給20万円だった人と月給40万円だった人で、受け取る額の差は給料の差ほど開きません。
使う数字は手取りではなく、毎月決まって支払われた給料の額面です。給与明細の総支給額を6カ月分足して180で割れば、退職前でも見込み額を出せます。賞与は毎月決まって支払われる給料ではないため計算に入りません。ボーナスを含めて考えていると、実際の日額は想定より低く出ます。
年齢ごとに1日あたりの上限額が決まっている
| 年齢区分 | 1日あたりの上限額 | 30日分に換算した目安 |
|---|---|---|
| 29歳以下 | 7,450円 | 223,500円 |
| 30〜44歳 | 8,270円 | 248,100円 |
| 45〜59歳 | 9,110円 | 273,300円 |
| 60〜64歳 | 7,830円 | 234,900円 |
| 下限額(全年齢共通) | 2,562円 | 76,860円 |
計算式で出した額が、そのまま満額で振り込まれるとは限りません。年齢区分ごとに1日あたりの上限額が決まっていて、それを超える分は支給されません。上限があるのは、賃金が高かった人に給付が偏らないよう制度として調整しているためです。
これらは2026年8月1日の改定時点の金額です。上限額と下限額はいずれも、毎年8月1日付けで改められます。
自分の年齢区分の上限を知っておけば、計算した日額が上限に当たるかどうかをその場で判断できます。30日分に換算した額を家賃や毎月の生活費と並べれば、失業手当だけで足りるのか、貯金を取り崩す前提で組むのかも決められます。
改定される数字なので、古い記事に載っている金額をそのまま当てにすると額がずれます。申請する時点の上限額は、ハローワークの案内か厚生労働省の公表資料で確かめてください。
もらえる日数は退職理由と年齢と加入期間で90日から360日
| 離職の区分 | 受け取れる日数 | 1日8,000円で計算した総額の目安 |
|---|---|---|
| 自己都合退職・定年・契約期間の満了 | 90〜150日 | 72万〜120万円 |
| 特定受給資格者、一部の特定理由離職者(倒産・解雇、契約更新を希望したが更新されなかった等) | 90〜330日 | 72万〜264万円 |
| 障害のある人などの就職困難者 | 150〜360日 | 120万〜288万円 |
受け取れる日数は全員一律ではなく、離職理由と年齢、雇用保険の加入期間の組み合わせで決まります。区分ごとに日数の幅が違うのは、再就職までにかかる時間が事情によって違うため、支援の厚みを変えているからです。
同じ90日から始まる区分でも、倒産や解雇による離職なら最長330日まで伸びます。自己都合の150日と比べると、資金計画の前提が半年以上変わってきます。
日数に1日あたりの金額をかければ、受け取れる総額の見当がつきます。総額の目安は日額8,000円で計算した値なので、自分の日額に置き換えて計算してください。
幅の中で自分が何日になるかは、加入期間と年齢で決まります。正確な日数は受給資格が決まったときに通知されるので、それまでは幅の下限で生活費を組んでおくと足りなくなりません。
Q計算してみたけど、この額で何カ月やっていけるんだろう…
A90日分だけで見ていると、足りないことがあります。
条件を満たせば最大28ヶ月の長期受給に対応できるケースもあります。金額の目安は月10〜20万円ですが、離職前6ヶ月間の給与、年齢、離職時の状態によって変わります。自分がどこに当たるかは、聞いてみないと分かりません。
| この記事で分かるのは 制度の一般論 |
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退職給付金は手続きから振込まで1カ月半から2カ月かかる
手続きに行ったその日から失業手当の支給が始まるわけではありません。求職の申込みをした日から7日間の待期期間があり、自分の意思で退職した場合はその後さらに原則1カ月の給付制限が加わります。
給付制限は、自らの意思による離職と会社側の事情による離職を区別するために設けられた期間です。倒産や解雇であれば給付制限はかからず、待期期間の翌日から支給の対象になります。
そのうえで失業認定を経て振り込まれるので、自己都合退職では手続きから初回入金までに1カ月半から2カ月程度かかります。退職した翌月から手当が入るという感覚とは、1カ月以上ずれる計算になります。
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| 退職日 | 離職票が届くまで約2週間待つ |
| +7日 | 待期期間。全員支給なし |
| +1カ月 | 自己都合なら給付制限。ここも支給なし |
| 初回入金 | 待期と給付制限の分が引かれ、満額では入らない |
貯金を取り崩しながら待つのか、条件を満たして早く受け取りにいくのか。条件を満たせば最短1ヶ月での受給を目指せますが、判断が要るのは退職を決める前の今です。サポートの対象も、退職することが1ヶ月以内に決まっている方とされています。
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求職の申込みから7日間は待期期間で支給されない
待期期間は、ハローワークで求職の申込みをした日から7日間です。この7日間は離職理由に関係なく全員に適用され、会社都合でも自己都合でも支給されません。失業の状態にあることを確認するための期間として置かれています。
見落としやすいのは起点です。7日のカウントが始まるのは退職日ではなく、ハローワークで手続きをした日です。退職日から7日と思い込んでいると、入金時期の見込みが最初からずれます。
起点が手続き日だということは、窓口へ行くのが遅れればその分だけ待期期間の開始も後ろにずれるという意味です。逆に言えば、早く手続きをするほど支給の開始も早まります。
手続きは離職票が届かないと始められません。退職後に離職票が届いたら、その足でハローワークへ持って行きましょう。受給資格決定の手続きには時間がかかるので、窓口の閉まる間際の時間帯は避けたほうが安全です。
自分の意思で退職した場合は原則1カ月の給付制限がつく
| 離職理由 | 待期期間の後に空く期間 | 手続きから初回入金までの目安 |
|---|---|---|
| 自己都合退職 | 原則1カ月の給付制限 | 1カ月半〜2カ月程度 |
| 会社都合(倒産・解雇など) | なし(待期期間の翌日から対象) | 自己都合よりおよそ1カ月早い |
| 短期間に自己都合の離職を繰り返した場合など | 例外的に1カ月より長くなる場合がある | 個別にハローワークで確認 |
自己都合で退職した場合は、7日間の待期期間が満了したあとに原則1カ月の給付制限がつきます。この期間も支給されないため、待期期間と合わせるとおよそ1カ月と1週間は入金がありません。自らの意思による離職は本人が辞める時期を選べるので、会社側の事情による離職と区別して制限が設けられています。
給付制限の期間中も、認定日にハローワークへ行くことと求職活動は必要です。支給されない期間だからといって足を止めていると、制限が明けたあとの認定で実績が足りなくなります。
1カ月分の生活費を追加で見込んでおけば、入金の遅れで慌てずに済みます。
短期間に自己都合の離職を繰り返した場合など、制限が例外的に1カ月より長くなることもあります。自分の期間が原則どおりかは受給資格が決まったときにハローワークで確認し、その日数をもとに生活費を組んでください。
倒産や解雇なら待期期間の翌日から対象になる
倒産や解雇といった会社都合の離職では、給付制限がかかりません。7日間の待期期間が終わった翌日から支給の対象になります。本人の準備がないまま離職することになるので、待たせる理由がないという考え方です。
自己都合の場合と比べると、およそ1カ月早く入金が始まります。用意しておく生活費も、自己都合の2カ月分より少なく見積められます。
離職理由の判定は、勤務先が発行する離職票の記載にもとづきます。ここが自己都合になっているか会社都合になっているかで、給付制限の有無が変わり、入金が1カ月動きます。離職票が届いたら、まず離職理由の欄を読んでください。記載が実態と違うと感じたら、そのままハローワークに申し出て確認を求めましょう。
認定日ごとに手続きを続けないと途中で止まる
一度手続きをすれば毎月自動で振り込まれる、という制度ではありません。指定された失業認定日にハローワークへ行き、失業状態にあったことと求職活動を行ったことの確認を受けて、はじめてその分が振り込まれます。失業手当は失業状態が続いていることを前提にした給付なので、確認を定期的に行う必要があります。
認定日は4週間に1回のペースで指定されます。就職が決まるか、所定給付日数が終わるまでこれを繰り返します。
実際に通ってみて重いと感じたのは、この続ける部分です。初回の手続きさえ終われば一段落だと思っていると、認定日を軽く見て支給を止めてしまいます。4週間ごとという間隔が先に分かっていれば、通う日を生活のリズムに組み込めます。
認定日に顔を出さなかった場合や、申告できる求職活動が足りなかった場合は、その分の支給が受けられないことがあります。認定日は自分の都合で選べないので、どうしても都合が悪いときは無断で休まず、事前にハローワークへ相談してください。
失業手当を申請する方法
失業手当の手続きは、離職票を受け取ってから最初の振込までに6つの段階を踏みます。受給資格があるかどうかの確認と、実際に失業状態が続いているかどうかの確認は別に行われるため、窓口へ1回行けば終わる形になっていません。
手続きの順番を追って分かったのは、最初にやることが書類集めではなく、勤務先から離職票を受け取ることだという点です。離職票が手元にない状態では、住所地を管轄するハローワークへ行っても手続きを始められません。退職から2週間ほど経っても届かないときは、勤務先に交付の状況を確かめてください。
段階の全体像を先に知っておけば、離職票が届いた日にそのまま窓口へ動けます。
勤務先から離職票を受け取る
手続きに使うのは、勤務先から交付される雇用保険被保険者離職票の1と2です。通常は退職後に勤務先から郵送されます。
離職票は受給資格と離職理由を確認するための書類なので、これがないとハローワーク側で受給資格の判定ができません。退職日を迎えたからといって、その日から手続きが始まるわけではありません。手続きの起点は、あくまで離職票が手元に届いた日です。
届いたら、記載されている離職理由に目を通してください。自己都合か会社都合かで給付制限の有無と受け取れる日数が変わるため、認識と違う理由が書かれていたら窓口で申し出る材料になります。
届いた日にそのまま窓口へ行けば、7日間の待期期間の起点も早まり、初回の入金がそれだけ前に寄ります。退職から2週間ほど経っても届かない場合は勤務先に確認し、それでも交付されないときはハローワークに相談してください。
必要な書類をそろえる
窓口へ持って行くものは、離職票のほかに4種類あります。
- 個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード、個人番号が記載された住民票のいずれか)
- 身元確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 振込先の確認に使う口座(本人名義のキャッシュカードか通帳)
- 顔写真
求められる理由は、本人であることの確認と、手当を振り込む口座の確認です。マイナンバーカードがあれば個人番号と身元の両方を1枚でまかなえます。
前日のうちにこの4種類をそろえておけば、書類が足りずに窓口へ二度行く手間を防げます。受給資格の決定は書類がそろって初めて進むため、1つ欠けるとその日は判定が出ません。
どこまで求められるかは住んでいる地域や事情によって変わります。写真のサイズや枚数も一律ではないため、出向く前に管轄のハローワークの案内で確かめてください。
ハローワークで求職の申込みと受給資格決定の手続きをする
住所地を管轄するハローワークで、求職の申込みと受給資格決定の手続きをします。窓口で離職票を提出し、受給資格があるかどうかの確認を受けます。
この2つは同じ日に行うため、手続きをした日が制度上の起点になります。7日間の待期期間もこの日から数え始めます。
受給資格決定の手続きは、窓口で待つ時間を含めてまとまった時間がかかりました。遅い時間帯に行くと当日中に終わらないおそれがあるので、午前中など早い時間帯を選ぶほうが安全です。早く済めば同じ日に手続きを終えられ、待期期間の開始もその日からになります。
受給資格が決まると、今後の流れと、次に行く認定日の案内を受けます。ここで渡される日程が以降の予定を決めるので、その場で確認してください。
書類に不足があると、その日は受給資格が決まりません。持ち物は前日に並べて確認しておいてください。
雇用保険説明会に参加する
受給資格が決まると、雇用保険説明会への参加を案内されます。失業手当の仕組みと求職活動の進め方、失業認定の受け方の説明を受け、不正受給に関する注意点も伝えられます。
認定のたびに求職活動の実績を申告する必要があるため、何が実績として認められるかを先に案内する場になっています。求人への応募や職業相談のどこまでが実績に数えられるかを聞いておけば、初回の認定日で実績が足りずに支給を落とす事態を避けられます。
初めて手続きする人は、ここで全体の流れをつかむことになります。日程は指定されるので、どうしても都合が悪いときは窓口で相談してください。
指定された認定日に求職活動の実績を申告する
指定された日にハローワークへ行き、失業認定申告書を提出します。その期間に失業状態にあったことと、求職活動を行ったことの確認を受けます。
認定日は4週間に1回のペースで来ます。一度手続きをすれば自動で振り込まれ続けるのではなく、就職が決まるか所定給付日数が終わるまで通い続ける仕組みです。ここを見落とすと、支給が途中で止まります。
失業状態が続いていることを期間ごとに確認する仕組みなので、認定を受けないと対象期間が確定しません。何を申告するかを先に知っておけば、次の認定日までに必要な求職活動を決めて動けます。
認定日に顔を出さなかった場合や、申告できる活動が不足していた場合は、その分の支給が受けられないことがあります。都合が悪い日は事前にハローワークへ相談してください。無断で休むと、その期間分が支給されないことがあります。
認定された日数分が口座に振り込まれる
失業認定が終わると、認定された日数分が指定した口座に振り込まれます。
支給は認定された期間の分をさかのぼって振り込む仕組みなので、認定より先にお金が入ることはありません。初回は待期期間や給付制限をはさむため、手続きした直後には振り込まれません。
2回目以降は4週間ごとに認定を受け、そのたびに活動の申告をして支給が続きます。入るタイミングが読めるので、家賃や公共料金の引き落とし日と合わせて家計の見通しを立てられます。
注意しておきたいのは初回の入金額です。待期期間の7日分と給付制限の期間は支給の対象から外れるため、対象日数が削られて想定より少なく感じることがあります。日額×4週間分が満額で入ると考えず、初回だけは少なめに見積もってください。
退職給付金の申請期限を逃すともらえなくなる
公的な給付は申請が起点です。期限を過ぎると受け取る権利そのものがなくなる制度があり、短いものは申請できる期間が2カ月しかありません。
| 制度名 | 期限 | 起点になる日 |
|---|---|---|
| 就業促進定着手当 | 6カ月経過後から2カ月以内 | 再就職した日 |
| 未払賃金立替払制度 | 請求に期限がある(速やかに相談) | 倒産日(対象は6カ月前から2年間の退職者) |
| 住居確保給付金 | 離職後2年以内 | 離職日 |
| 失業手当の受給資格の判定 | 離職前2年間の加入期間で見る | 離職日 |
| 教育訓練支援給付金 | 現時点では2027年3月末まで | 制度の期限 |
期限の起点は制度ごとに違い、離職日から数えるものと再就職した日から数えるものがあります。立替払いや手当は倒産や賃金の低下といった事実関係の確認を前提にするため、時間が経つと確認が難しくなり期限が置かれています。
一番多い取りこぼしは、制度の存在を知らないまま期限が過ぎることです。表の中に心当たりがあるものがあれば、起点の日付を先に控えておいてください。期限を過ぎた場合の救済は原則ないため、迷う段階でハローワークか労働基準監督署へ相談するほうが確実です。
再就職から6カ月後の2カ月間しか申請できない手当がある
就業促進定着手当は、再就職から6カ月経過後の2カ月以内にしか申請できません。対象になるのは再就職手当を受けた人で、なおかつ新しい勤務先の賃金が前職を下回っている場合です。
6カ月以上の雇用と賃金の低下が支給の条件になっているため、6カ月分の勤務実績がそろうまでは判定できません。だから早めに出しておくこともできず、待つしかない形です。
案内が来ないため、落としやすい手当です。再就職して仕事に慣れてきた頃に、自分で期限を思い出して申請する必要があります。
再就職が決まった時点で、就職日から6カ月後の日付をカレンダーに入れておいてください。その日から2カ月が申請できる期間で、過ぎると前職との賃金差額を補う分は受け取れません。
倒産による未払い賃金の立替払いには請求期限がある
未払賃金立替払制度が対象とするのは、会社が倒産した日を基準に、その6カ月前から2年間のあいだに退職した人です。パートやアルバイトも外れません。
請求にも期限があるため、未払いのまま退職したなら速やかに労働基準監督署へ相談してください。早く動けば、未払いの定期賃金と退職金の原則8割を国が立て替えて受け取れます。
倒産すれば自動的に立て替えられるわけではありません。勤めていた会社が1年以上にわたって事業を続けていたことや、労働基準監督署長による認定など、間に確認の手続きが入ります。
倒産の事実と未払いの金額を確認する作業が入るぶん、手続きには時間がかかります。期限の直前に動き出すと間に合わないおそれがあるので、勤務先の倒産が分かった時点で相談してください。
離職後2年を過ぎると対象外になる制度がある
住居確保給付金の対象になるのは、離職後2年以内の人です。家賃に相当する額を原則3カ月ぶん、自治体が家主へ直接払う仕組みで、所得と資産についての要件もあります。
失業手当の受給資格を判定する加入期間も、離職の日以前2年間という区切りで見ます。離職から時間が経つと、失業との関係を確認するのが難しくなるため、離職日を起点にした区切りが置かれているわけです。
制度によって起点は違い、離職日から数えるものと、ハローワークで手続きをした日から数えるものがあります。離職から日が経っていても、まだ対象になる制度が残っている場合があるので、自分の離職日から何カ月経ったかで判断してください。
期限が近い制度があるなら、そちらを先に手続きします。住居確保給付金は自治体の自立相談支援機関、失業手当はハローワークが窓口です。どちらに当たるか迷うときは、ハローワークで自分の該当制度を確かめてから動いてください。
給付金を増やせるとうたう有料サポートに注意
「退職給付金を増やせる」「失業保険を最大化できる」とうたう有料の申請サポートの広告があります。国民生活センターは、この種のサポートをめぐる消費者被害について注意を呼びかけています。
失業手当は公的制度で、受給できるかどうかと受給額は法律と事実関係で決まります。外部のサポートが金額を上乗せできる余地はなく、受給の条件や見込み額の確認はハローワークで無料でできます。
相談サービスのすべてが問題だと言われているわけではなく、公的機関の注意喚起にもその旨は添えられています。有料の契約に踏み込む前に、ハローワークか公的な相談窓口で同じ内容を確かめてください。契約を急がせる勧誘を受けているなら、なおさら一度止まって確認する場面です。
高額な契約や不正受給の誘導が相談として寄せられている
国民生活センターの注意喚起では、次のような内容が相談として報告されています。
- 費用の高いサポート契約を持ちかけられた
- 医療機関にどうかかるべきかについて、適切とは言えない指示を受けた
- 結果として不正受給になる行為へ導かれかけた
これらは実際に公的機関へ寄せられた相談であり、注意喚起の根拠になっています。どういう勧誘が問題として報告されているかを知っておけば、同じ話を持ちかけられたときにその場で判断できます。
特に重いのは3つ目です。不正受給に当たる行為をすると、受け取った額の返還に加えて納付を求められるなど、不利益を負うのは案内した業者ではなく本人です。働ける状態や求職活動の実態を偽る形の案内を受けたら、応じずにハローワークへ確認してください。
受給額は法律と事実関係で決まるため操作の余地はない
失業手当の日額は、退職前の半年ぶんの給料をもとに決まります。毎月決まって支払われた分を6カ月合計し、それを180で割って賃金日額を出したうえで、50〜80%の給付率をかけた額です。受け取れる日数は、離職理由と年齢、雇用保険の加入期間の組み合わせで決まります。
計算式と日数の区分が制度として定められているため、申請の仕方を工夫して金額が変わる部分がありません。誰でも必ず増える、簡単な操作で大幅に増える、という趣旨の表現には根拠がないと考えてください。
増額をうたう説明を見たときは、この計算式のどこが変わるのかを聞いてみるのが早い判断方法です。賃金日額なのか給付率なのか日数なのか、変わる箇所を説明できないなら、根拠のない話です。
自分の条件で日額と日数がいくらになるかは、離職票を持ってハローワークで確認できます。費用はかかりません。
迷ったらハローワークか公的な相談窓口に確認する
受給の条件や金額の確認は、ハローワークで無料でできます。有料の契約をする前に、同じ内容をここで確かめられます。
窓口は制度ごとに違います。住居確保給付金は自治体の自立相談支援機関、倒産による未払い賃金は労働基準監督署が担当します。契約の勧誘そのものに不安があるときは、消費生活センターにも相談できます。
制度を運用している窓口が最も正確な情報を持っているため、判断の基準は公的機関の案内に置いてください。まずハローワークで自分が該当する制度を確認し、そこから窓口を選べば、当てもなく複数の窓口を回らずに済みます。
退職給付金についてよくある質問
個別の事情によって扱いが変わるものは、窓口で確認したほうが確実です。雇用保険の加入期間に端数がある場合の数え方、離職理由が自己都合と会社都合のどちらで判定されるか、勤続年数によって変わる退職金の税額は、条件を見ないと答えが出ません。
退職金がない会社でも退職給付金はもらえますか?
もらえます。退職金は会社が就業規則などで定める制度で、失業手当をはじめとする雇用保険の給付は法律にもとづく別の制度です。判断する主体が違うため、退職金制度がない会社に勤めていた人も公的な給付の対象になります。条件は、雇用保険に加入していたかどうかです。
退職給付金と失業手当は同時に受け取れますか?
会社から出る退職金と雇用保険の失業手当は、併せて受け取れます。財源と制度が別なので、退職金を受け取ったことで失業手当が減額されることはありません。退職金があるからと申請を控える必要はなく、両方を取りに行けます。ただし雇用保険の給付同士では、失業手当と傷病手当のように、一方に代わって支給される関係のものがあります。
自己都合で退職しても退職給付金はもらえますか?
自己都合でも失業手当の対象になります。ただし待期期間の後に原則1カ月の給付制限がつき、受け取れる日数は90日から150日で会社都合より短く設定されています。離職の時期を本人が選べる分の区別です。会社の退職金についても、退職金規程に該当すれば自己都合で支給されます。給付制限の1カ月分は、生活費を別に見込んでおいてください。
退職給付金に税金はかかりますか?
会社から受け取る退職一時金は、一定の条件のもとで退職所得控除が使えます。長年の勤務に対する対価として給与とは別の控除が設けられているため、同じ額を給与で受け取る場合より手取りが多く残りやすい形です。具体的な計算は勤続年数などで変わるので、金額が大きい場合は勤務先か税務署で確認してください。
パートやアルバイトでも退職給付金の対象になりますか?
対象になります。失業手当の条件は雇用形態ではなく、雇用保険に加入していたかどうかと加入期間です。労働時間などの要件を満たせば雇用形態を問わず加入する制度なので、パートやアルバイトでも条件を満たせば受け取れます。未払賃金立替払制度もパートとアルバイトを対象に含んでいます。加入の有無は、雇用保険被保険者証か給与明細の雇用保険料の控除で確かめられます。
退職給付金の申請は退職前でもできますか?
失業手当の手続きは離職票が必要なため、退職後にしかできません。離職の事実と離職理由の確認を前提にする制度なので、離職票の交付を待つことになります。退職前にできるのは、勤務先の退職金規程の確認と必要書類の準備です。ここを済ませておけば退職後すぐ動けます。教育訓練給付金は、在職中でも対象になる場合があります。
退職後の生活のために退職給付金でもらえる種類・金額・期間を確認しておこう
退職給付金という名前の制度はありませんが、対象になりうる制度は全部で18あります。公的な給付は申請が起点で、待っていても該当者に案内が届くわけではありません。だから最初にやることは2つだけに絞られます。
退職前にやること:
- 勤務先の就業規則と退職金規程を読み、退職金や企業年金の制度があるかどうかを確かめる
- 支給の条件と受け取り方(一時金か年金か)を規程で確かめる
退職後にやること:
- 離職票が届いた時点で、住所地を管轄するハローワークへ持って行く
- 求職の申込みと受給資格決定の手続きを済ませ、認定日の案内を受け取る
- 該当しそうな制度の期限の日付を控えておく
離職票が届いた日が最初の行動のタイミングです。届かないまま2週間ほど経ったら勤務先に確認し、自分がどの制度に該当するか迷うものがあれば、窓口でそのまま相談してください。


