労務管理に役立つ知識#64 『育児休業時の社会保険料免除要件』同一月の14日以上の休業は免除対象(渋谷・社労士・顧問・労務相談・育児休業)
2022/10/15
10/1より出生時育児休業が施行され、今後はライフプランにあわせ、柔軟に育児休業を取得する方が増えていくと思います。そんな中、育児休業中も給付金が受給できることはご存じの方も多いと思いますが、休業中であっても、社会保険料が免除になる場合とそうでない場合があるのをご存知でしたでしょうか。
育児休業中は社会保険料が免除になるって聞いたけど。。。
と疑問を持たれる方もおられるかもわかりませんが、事業主が所定の届出を行えば、労使ともに当該期間の社会保険料納付義務を免れます。しかしながら、これは”月末を育児休業した場合の月”に限られます。
一般的に育児休業は、1か月単位で連続、かつ、就労日なしで取得する女性が多かったので、育児休業終了月のみ気にすればよかったのですが、男性の取得(分割取得)が進むにつれ、就労日と休業日が混在する月が増えてくることが予想されます。
※様々な取得パターンがでてくる、ということですね。
このような混在月に対し、社会保険料を免除するか否かの判断基準について今回はお話します。
ポイントは2つ
1.月末に育児休業しているか
原則として月末1日でも育児休業をしているのであれば、当該月は免除になります。
2.14日要件を満たしているか
月単位でみたときに、月初から月末の間で14日以上育児休業をしている場合、当該月は免除対象になります。これは、1か月のうち分割取得している場合は通算して判断します。
※注意
本人(男性)は20日の育児休業を取得しようと考えていて、10月に10日、11月に10日間実際に取得した場合、10月と11月は社会保険料の免除月にはなりません。なぜならば、月単位で14日以上取得していないからです。ただし、10月、11月とも、”月末を休業している場合は免除月になります”
以上が”給与”に関する免除の判断基準になります。
賞与については、また考え方が異なりますので、以下の点を抑えておきましょう。
休業日から1か月単位でみたときに、その1か月目に当たる日(応当日)を超えている休業であるか、超えている場合でその1か月のなかで賞与支払い日があれば、免除対象になります。
例えば、育児休業開始日が10/15の場合、その1か月応当日は11/14。仮に賞与支払日が11/10とすると、11/15以上育児休業をしていれば免除対象、11/14以下に休業を終了していれば免除対象外ということになります。これを1か月単位(応当日)で判断していきます。
いかがでしたでしょうか。14日要件はさりげなく法改正が入っていますので。初めて聞かれた方はこれを機にアップデートしてみてくださいね。
社会保険料は額が大きいため、従業員に与えるインパクトは大きいです。的確な労務管理が求められますので、正しい知識をもって運用してみてください。
※”休業するなら月末は休んだ方がお得だよ”と個別周知の際に申し添えすると、休業者からの評価はあがりますよ