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労務管理に役立つ知識#63 『男女の賃金差異開示義務』従業員300人超は義務、100人超は一部義務、100人以下は努力義務(渋谷・社労士・顧問・労務相談・賃金)

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労務管理に役立つ知識#63 『男女の賃金差異開示義務』従業員300人超は義務、100人超は一部義務、100人以下は努力義務(渋谷・社労士・顧問・労務相談・賃金)

労務管理に役立つ知識#63 『男女の賃金差異開示義務』従業員300人超は義務、100人超は一部義務、100人以下は努力義務(渋谷・社労士・顧問・労務相談・賃金)

2022/10/14

2022年7月、女性活躍推進法の改正にあわせ、男女賃金差異の開示が義務付けられました。

※今回は、常時300人超の事業主が対象、100人超は一部公表義務、100人以下は努力義務となっています。

 

*背景
女性就業率は上昇傾向にあるものの、出産や育児による望まざる離職がまだまだ多いようです。再就職時は非正規採用になり、現状、日本の労働者の男女賃金格差は、他の先進国と比較して大きいといわれています。そこで、性別のみを理由とした賃金格差を解消すべく、対象事業主に自社のホームページ等により男女の賃金差異を開示するよう義務付けました。

 

*情報公開の項目
”男女の賃金の差異”を含めて16項目*あります。

現行法では300人超のみ”男女の賃金の差異”の開示義務が適用されます。それ以外は任意となっています。


※16項目の内容は、労働者に占める女性労働者の割合、女性労働者の管理職比率(役員比率)、男女別中途採用の実績などがあります。なお、100人超に該当する場合は、16項目のうちいずれか1項目を開示すればよいとされています。

※100人超に該当する場合は、別途「一般事業主行動計画」を策定届出する必要があります。

 

さて、問題の男女間の賃金の差異、どのように算出するのでしょうか。

 

以下の1から4に従い算出することになります。

 

1.労働者を分類する

男女別に「正規」「非正規」「正規・非正規含めすべての労働者」の3つに区分します。

 

2.総賃金と人員数の算出をする

人員数は一事業年度における特定の日(月末等)をピックアップし、年平均をとるとよいでしょう。

全区分でそれぞれ算出します。

 

3.平均年間賃金と差異の算出

2で算出した数値を使用して、平均年間賃金と差異を算出します。

※男女間の差異は、男性の賃金に対する女性の賃金が占める割合を「%」で表示します。

 

4.事業年度の開始日から概ね3か月以内に、厚労省の所定のデータベースまたは自社のホームページ等で公表します。

 

私の周りや顧問先では、同一労働同一賃金の原則に則り賃金を決定しているため、全く影響がないのですが、世の中、特に地方ではまだまだ男女格差が多いようです。「うちは300超もいないから関係ない」と切り捨ててしまうのではなく、お心あたりのある事業所は、是非この機会に自社の賃金テーブル、採用条件を見直してみるとよいでしょう。

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