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労務管理に役立つ知識#55 『有休消化と退職』引継ぎを一切しなかった社員への対応(渋谷・社労士・顧問・労務相談・問題社員・有休・労務アドバイザリー)

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労務管理に役立つ知識#55 『有休消化と退職』引継ぎを一切しなかった社員への対応(渋谷・社労士・顧問・労務相談・問題社員・有休・労務アドバイザリー)

労務管理に役立つ知識#55 『有休消化と退職』引継ぎを一切しなかった社員への対応(渋谷・社労士・顧問・労務相談・問題社員・有休・労務アドバイザリー)

2022/09/10

現場の一社員が、唐突に退職届を退職予定日の1か月前に提出し、翌日以降、残存する有休をすべて消化する旨の申請があった。

貴方ならどう対処しますか?

 

一般的なプロセスとしては、上長へ相談し、退職日を決め、後任に引継ぎし、完了後、有休に入ってもらう。

故にこのプロセスから逸脱した本ケースでは、当然に有休申請を拒否していいのでしょうか。

 

結論から申し上げると、拒否できる可能性はあります。

 

その根拠はやはり有休の性質です。

 

有休は許可制ではないことから、会社が拒否することは許されません。ただし、会社は『事業の正常な運営を妨げる場合』のみ、
例外的に有休の取得日を変更することができます。
当該引継ぎが、通常業務に支障を来すようであれば、まさに『事業の正常な運営を妨げる場合』に該当するため、引継ぎを優先させるという会社側の主張には、一定の合理性が認められる可能性は高いと思慮します。就業規則の条文に”引継ぎ方法”や”有休申請ルール”に一定の定めがなくても、一般論で適当であると推測できるでしょう。

 

故に、社員である以上、業務命令(引継ぎ)を会社が行い、引継ぎ後の残存期間分は有休消化させるといったことも可能です。

なお、誤った一般常識として、余った有休は退職時に当然にすべて消化出来ると思ってらっしゃる方も多いと思いますが、有休とは、心身の疲労を回復し、ゆとりある生活を保障するために付与される休暇であり、継続して勤務している期間に取得することが本来の目的です。次の仕事に向けて英気を養うための休暇ではありません。

 

なお、どうしても揉めるようであれば、退職日までは引継ぎを命じ、退職時に残存有休をすべて会社が買取る対応をしましょう。

 

今後このようなトラブルを防止するためには、就業規則に退職時の引継ぎルールを定め、守れない場合は懲戒処分の対象となる旨を明記することをお勧めします。

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