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労務管理に役立つ知識#20 『2023法改正』中小企業で割増賃金率上昇(渋谷・社労士・労務相談・法改正・コンサルティング)

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労務管理に役立つ知識#20 『2023法改正』中小企業で割増賃金率上昇(渋谷・社労士・労務相談・法改正・コンサルティング)

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2022/05/18

2023/4 ~ 中小企業で割増賃金率が上がりますのでご注意くださいenlightened

1か月60時間を超える時間外労働があった場合、超えた時間分の割増賃金率を50%以上としなければなりません。本改正により、人数規模にかかわらず、足並みが揃ったことになります。

※大企業は2010年から施行しています。

 

例1)月給35万(基本給30万)の者が残業80時間した場合の負担額はこのように計算します。

まずは月給を時給換算します。
時給…1732*1.25=2165*80=173200
これが60時間超の割増率を50%とした際はこのようになります。

2165*60+2598*20=181860 

 

つまり、差額:8660円を余計に支払うということです。

 

必要経費として納得感があるならばよいですが、不必要な経費が毎月かつ大勢でかかるとなると、経営上の障害となること間違いないでしょう。だからと言って、労働時間の見直しは、単月で出来るわけありません。故にちょうど1年前の今くらいの時期から、業務の棚卸や人員の適正配置、タスクと本人の能力が一致しているか等、段階的にチェックしていく必要があると感じます。

 

そこで、法定割増賃金率引き上げまでに、企業が行うべきチェックポイントを4点あげましたので、是非参考にしてみてください。

①労働時間の適正把握
└勤怠システムの整備をし、誰がどれだけ残業しているか正確に把握、対象者をトレースしてみましょう。
②業務の効率化

└ダラリの法則等に従い、手持ちの業務を見直しましょう。重複している業務、無駄な業務はありませんか?
③上位会社の理解

└指揮命令権が、他社に依存する場合があります。取引先への提案、見直しも検討しましょう。
④代替休暇の検討
代替休暇とは、1か月に60時間を超える時間外労働を行った労働者に対し、60時間を超える労働時間の割増賃金に代えて、有給休暇を与えるという『制度』です。

代替休暇の時間数は公式があり、下記の式にあてはめて求めます。

代替休暇の時間数=(1ヶ月の法定時間外労働時間-60)*換算率

 

例2)残業80時間で割増賃金率が通常25%,60時間超50%の場合はこのように計算します。

(80-60)*0.25=5時間

つまり、60時間超の割増賃金(50%)のうち、5時間分の有給休暇(代休)をあたえることで、上乗せ分を圧縮することができます。
※ただし、通常の割増賃金(25%)の支払いは必要です!

 

例1でみるとこういうことです。

”181860”の支払いに代えて、”173200円の支払いと5日間の代休の付与”でよい。

 

下記は代替休暇制度を導入する場合のポイントです。
①労使協定の締結
②代休は60時間を超えた月の末日の翌日から2ヶ月以内に与えること
③労働者に代替休暇の利用を義務付けることはできない。

└休暇取得の判断は労働者に委ねられます。

 

残業60時間超の月は、36協定の特別条項に該当する事由がなければならないので、恒常的に発生するものではないですが、この機会に無駄な残業がないかを見直す等、ワークライフバランスを推進していくひとつの契機となる良い機会かと思います。

 

是非とも人事の皆さまには、前向きにご検討頂きますと幸いです。

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