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労務管理に役立つ知識#4 『インセンティブ設計の基本とモチベーションとの違い』(人事・労務)

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労務管理に役立つ知識#4 『インセンティブ設計の基本とモチベーションとの違い』(人事・労務)

労務管理に役立つ知識#4 『インセンティブ設計の基本とモチベーションとの違い』(人事・労務)

2022/02/07

社長「インセンティブを導入しても社員のモチベーションがあがっていない気がします。」

私「どのようなインセンティブ制度を導入しているのですか?」

社長「クォーターごとに当初設定した予算に対し実績ベースで超過した分を、この表の通りに分配しています。」

私「なるほど・・・」

 

私の次の一言を述べる前に、みなさんはインセンティブとモチベーションに違いがあることにお気づきでしょうか。

この2つは似て非なるもの。私は双方正しく理解することがインセンティブ成功へのヒントになると考えます。

 

下記個人的な見解です。

 

インセンティブとは下記のように記されています。

『人々の意思決定や行動を変化させるような要因のこと』

※出典元:ウィキペディア

 

つまりは、社員の行動をよりポジティブに変革させる何か。

 

一方モチベーションとは何でしょう。

『動機づけのこと。動機づけとは、行動を始発させ、目標に向かって維持・調整する過程・機能。』

※出典元:ウィキペディア

いわゆる「やる気」です。目標を達成するために個々に宿る気持ち、欲情です。

 

うん、結局同じでしょ?と思われるかもしれませんが、決定的に違うことがあります。

 

インセンティブは、外的要因。つまり、社員に対し”外発的に刺激を与える何か”に対し、モチベーションは内的要因。社員自身の中から込み上げてくる何か。”内発的に引き起こされるもの”。

 

モチベーションとは言うなれば人間の欲情です。

ということで、人間の欲といえばご存じ、マズローの欲求5段階説。

 

キャッシュバックは低度な欲求(生理的欲求)で、とてもシンプルでわかりやすいのですが、社員全員が同じ欲を持っているとは限りません。

 

『社員の数だけ欲は存在する』

 

と私は理解しています。

 

ただ、会社は統一的かつ画一的に管理していかなければ経営は成り立たないので、1人1人にコミットするわけには参りません。

 

ではどうするか。

 

インセンティブの種類を知ることから始めましょう。大きく5つに分類されます。(マズローさんと同じですね)

 

①物的インセンティブ

まさしくとりあげたキャッシュバックです。これでインセンティブ導入完了!とする企業様が本当に多いです。ここからまさにスタートするんですよ!(と強く言いたかった)

 

②評価的インセンティブ

表彰制度ですね。みんなの前で表彰する、褒める、褒めあう、これも立派なインセンティブです。

「ヘルプデスク部門 1月度月間MVP○○さん」

社長から感謝の言葉とご褒美(一緒に高級ホテルでランチ)、きっかけ(起爆剤)としては十分です。

 

③人的インセンティブ

人のために尽力すること、ですね。大きなプロジェクトは一人では絶対に成功しません。PMがいて、PMO以下数多なるメンバーがいる。PMが魅力的な人物だと人的インセンティブが発揮されやすいですね。皆がPMの役に立ちたい、認められたい、よし頑張ろう!という自然と一体感が生まれます。1人のカリスマ社員が会社を変えるとはこういうことです。

 

④理念的インセンティブ

会社の経営理念に共感した際に発生する動機づけです。

経営ビジョンが末端社員まで過不足なく共有できている会社は強いです。ある程度放置していても、社員が会社をあるべき姿に導いてくれます。

これを発揮するには、経営者のトークスキルやカリスマ性も重要ですね。

 

⑤自己実現的インセンティブ

社員のあるべき姿を体現させることで効果を発揮する動機づけです。

権限の一部を譲渡したり、キャリアパスに資する配転や配慮等を指します。一番効きます。ただし、諸刃の剣であることは言わずもがな、ですよね。

必ずしも誰もが会社にロイヤリティを抱いているわけではありません。対象者の選別には注意が必要です。

 

これを踏まえ、インセンティブ制度成功へのポイントを2点ほどお伝えします。

 

1つは『全社員を対象にすること』。上記でお伝えしておりますように、インセンティブの種類は1つではありません。キャッシュだけが外発的な動機づけ要因ではない、ということをまずは押さえておきましょう。

 

もう1つは『社員がインセンティブ目当てにならないような仕組みを構築すること』。売上に紐づくインセンティブならば、間違いなくS顧客の奪い合いが発生します。社員間で軋轢を生み、全体の進行の妨げるようでは本末転倒です。

 

そして番外編でもう1点『社員を知ること』。

本質をついているのではないでしょうか。

 

全国の経営者のみなさま!

社員1人1人がどのような目的で入社し、現在どうのような業務をしていて、何に興味があり、将来どのようになりたいか、ご存じでしょうか。

 

成功のカギは色々なところに落ちていますよ。

 

ですので、冒頭の「なるほど・・・」のあとは、「社長、恐れながら社員のことをどのくらいご存じですか?」

を切り口に会社と社員との距離を測るところから始めます。

 

私のロジックが少しでもお役に立つようでしたら幸いです。

 

※インセンティブは奥が深いです。コンタクト、個別DMにてご相談も承ります。

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