社会保険給付金制度とは?失業保険との違いや受け取れる条件を解説
2026/09/10
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社会保険給付金制度は法律で決められた1つの制度ではなく、失業保険や傷病手当金のように雇用保険・健康保険・年金から出る国の給付をまとめた呼び方です。
国の給付なので、条件に合えば受け取って問題ありません。
失業保険も傷病手当金も自分で申請しないと支給されず、退職後に仕事を探せる状態か病気やケガで休んでいるかで、対象になる給付と申請先が変わります。
退職後に仕事を探すなら失業保険が、仕事以外の病気やケガで働けないなら傷病手当金が中心になり、申請の期限は失業保険が離職日の翌日から1年、傷病手当金が休んだ日ごとに2年です。
自分の状況に当てはまる給付と期限が分かれば、窓口で自分で申請するか、専門家に相談するかを落ち着いて決められます。
自分で申請するのが不安な人向けのサポートもあります
失業保険や傷病手当金は自分で申請できますが、書類の準備や期限の確認を手伝う民間の申請サポートもあります。
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| 費用 | LINE相談と受給診断は無料。サポート自体は有料・前払い |
|---|---|
| 対象 | 雇用保険の加入が1年以上あり、退職が1ヶ月以内に決まっている人(退職後も場合によっては相談できる) |
| 申請 | ハローワークで本人が行う(必要な書類は一緒に準備する) |
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社会保険給付金制度とは国の給付をまとめた呼び方
社会保険給付金制度は、雇用保険・健康保険・年金から出る給付をまとめて呼ぶときの言い方です。
会社員が毎月の給与から保険料を払ってきた国の制度で、退職の前後で特に関わるのは失業保険と傷病手当金です。
社会保険給付金は法律上の制度名ではない
「社会保険給付金」という名前の制度は、法令の中にはありません。
申請サポートの事業者がいくつかの給付をまとめて案内するために使い始めた呼び方で、「退職給付金」と呼ばれることもあります。
実際にお金が出るのは、失業保険や傷病手当金といった個別の制度です。
ハローワークや協会けんぽの窓口で「社会保険給付金」と言っても通じないことがあるので、問い合わせるときは失業保険・傷病手当金の名前で聞きましょう。
給付そのものは国の制度で受け取っても問題ない
失業保険は雇用保険法、傷病手当金は健康保険法にもとづく国の給付で、条件に合う人には受け取る権利があります。
その保険料は、会社員が毎月の給与から払っています。
「怪しい」と言われることがあるのは制度そのものではなく、一部の広告や事業者の見せ方です。
社会保険給付金は本人が申請しないと支給されない
社会保険給付金は自動では振り込まれません。
会社がするのは離職票の発行や健康保険から外れる手続きまでで、申請は本人が次の窓口に出します。
- 失業保険: 住んでいる地域を受け持つハローワーク
- 傷病手当金: 加入している協会けんぽの支部か健康保険組合
申請しないまま期限が過ぎると、条件に合っていても受け取れません。
期限は失業保険が離職日の翌日から1年、傷病手当金が休んだ日ごとに翌日から2年なので、退職したあとに動き出しても間に合います。
社会保険給付金に含まれる給付金の種類
社会保険給付金に含まれる給付は、どの保険から出るかで3つに分かれます。
雇用保険から出る失業保険などの給付金
| 給付金 | どんなときに出るか | もらえる額の目安 |
|---|---|---|
| 失業保険(基本手当) | 退職後、働く意思と能力があり仕事を探しているとき | 1日分は賃金日額の50〜80%で、もらえる日数のあいだ |
| 高年齢求職者給付金 | 65歳以上で退職して仕事を探しているとき | 一時金で、加入1年未満は30日分、1年以上は50日分 |
| 育児休業給付金 | 会社に在籍したまま育児休業をとるとき | 休業開始から180日は賃金の67%、その後は50%(上限あり) |
| 介護休業給付金 | 会社に在籍したまま家族の介護で休むとき | 賃金の67%で、対象家族1人につき通算93日まで |
退職する人に関わるのは失業保険です。
育児休業給付金と介護休業給付金は会社に在籍したまま休む人のための給付なので、辞めたあとの生活費としては数えられません。
健康保険から出る傷病手当金などの給付金
| 給付金 | どんなときに出るか | もらえる額の目安 |
|---|---|---|
| 傷病手当金 | 仕事以外の病気やケガで働けず、給与が出ないとき | 1日あたり標準報酬月額の平均÷30の3分の2 |
| 出産手当金 | 出産のために休み、給与が出ないとき | 産前42日・産後56日、1日あたり標準報酬日額の3分の2相当 |
| 高額療養費 | 1か月の医療費の自己負担が限度額を超えたとき | 限度額を超えた分の払い戻し |
標準報酬月額は、健康保険料を計算するもとになる額です。
仕事が原因の病気やケガ、通勤中のケガは傷病手当金ではなく労災保険の対象になります。
傷病手当金は会社の健康保険に入っている人の給付で、国民健康保険には原則としてありません。
年金保険から出る老齢年金などの給付
| 給付 | どんなときに出るか |
|---|---|
| 老齢年金 | 受給開始の年齢になったとき(国民年金・厚生年金) |
| 障害年金 | 病気やケガで一定の障害が残ったとき |
| 遺族年金 | 加入者が亡くなったとき、遺族に出る |
年金保険の給付は年齢や障害、加入者の死亡で受け取るもので、退職したことを理由に出るわけではありません。
退職した直後のお金は、失業保険と傷病手当金のどちらが自分に当てはまるかで考えましょう。
状況別に分かる社会保険給付金の対象
対象は、今の状況で決まります。
| 今の状況 | 対象になる主な給付 | 申請先 | 申請の期限 |
|---|---|---|---|
| 退職して仕事を探している | 失業保険 | ハローワーク | 離職日の翌日から1年 |
| 在職中に仕事以外の病気やケガで休んでいる | 傷病手当金 | 協会けんぽか健康保険組合 | 休んだ日ごとに翌日から2年 |
| 傷病手当金を受けたまま退職する | 傷病手当金の継続給付と失業保険の受給期間の延長 | 協会けんぽか健康保険組合、ハローワーク | 休んだ日ごとに翌日から2年(継続給付は退職日に条件を満たしていることが前提) |
| 出産のため休む | 出産手当金、育児休業給付金 | 健康保険、会社を通してハローワーク | 出産手当金は休んだ日ごとに翌日から2年 |
| 家族の介護で休む | 介護休業給付金 | 会社を通してハローワーク | 休業が終わった日の翌日から2か月後の月末まで |
| 65歳以上で退職する | 高年齢求職者給付金 | ハローワーク | 離職日の翌日から1年 |
傷病手当金を受けている途中で退職した人は、継続給付の条件を満たしていれば、退職後も傷病手当金が続きます。
療養中に退職する人のように当てはまる状況が2つある場合、2つの給付は同時には受けられないので、先に受けられるほうから申請してください。
退職後に次の仕事を探すなら失業保険
| 対象になる人 | 退職後に働く意思と能力があり、仕事を探している人 |
|---|---|
| もらえる額 | 1日分は賃金日額の50〜80%(60〜64歳は45〜80%)、もらえる日数は90〜330日 |
| 申請先 | 住んでいる地域を受け持つハローワーク |
| 申請の期限 | 離職日の翌日から1年 |
| 主な条件 | 離職日以前2年間に被保険者期間12か月以上(会社都合は1年間に6か月以上) |
失業保険は、辞めたあとに次の仕事を探している人が受ける雇用保険の給付です。
次の勤務先がもう決まっている人や、病気やケガですぐには働けない人は対象になりません。
必要な加入期間は退職理由で変わるので、自分の退職が自己都合か会社都合かを離職票で確かめておきましょう。
仕事以外の病気やケガで休むなら傷病手当金
| 対象になる人 | 会社の健康保険の加入者で、仕事以外の病気やケガで働けない人 |
|---|---|
| もらえる額 | 1日あたり標準報酬月額の平均÷30×3分の2 |
| 申請先 | 加入している協会けんぽの支部か健康保険組合 |
| 申請の期限 | 休んだ日ごとに翌日から2年 |
| 支給される期間 | 支給開始日から通算1年6か月 |
傷病手当金は、仕事以外の病気やケガで休み、給与が出ない期間に会社の健康保険から出る給付です。
通算1年6か月は休んだ日を足していく数え方なので、途中で出勤した日はその期間に入りません。
仕事が原因の病気やケガや通勤中のケガは対象外で、相談先は労災保険の窓口になる労働基準監督署です。
妊娠や出産で休むなら出産手当金と育児休業給付金
| 項目 | 出産手当金 | 育児休業給付金 |
|---|---|---|
| 対象になる人 | 会社の健康保険の加入者で、出産のため休み給与が出ない人 | 雇用保険の加入者で、会社に在籍したまま育児休業をとる人 |
| もらえる額 | 1日あたり標準報酬日額の3分の2相当 | 休業開始から180日は賃金の67%、その後は50%(上限あり) |
| 申請先 | 加入している協会けんぽか健康保険組合 | 会社を通してハローワーク |
| もらえる期間 | 産前42日(双子以上は98日)・産後56日 | 育児休業をとっているあいだ |
出産で休む人は、出産手当金と育児休業給付金の対象です。
育児休業給付金は会社に在籍したまま休む人の給付なので、退職すると受けられません。
出産や育児を理由に退職した人も、ハローワークで受給期間を延ばしておけば、働ける状態に戻ってから失業保険を受けられます。
公務員なら失業保険ではなく共済組合の傷病手当金
| 失業保険 | 雇用保険の対象外なので受けられない(退職手当で調整される場合がある) |
|---|---|
| 病気やケガで休んだとき | 共済組合の傷病手当金 |
| 問い合わせ先 | 所属する共済組合 |
公務員は雇用保険に入っていないので、退職しても失業保険は出ず、病気やケガで休むときは共済組合の傷病手当金を受けます。
詳しい条件は共済組合で確かめます。
社会保険給付金制度を受けられる条件
社会保険給付金制度のうち、失業保険は次の仕事が決まっているか・加入期間・離職したときの年齢で、傷病手当金は仕事以外の病気やケガで4日以上休み給与が出ていないかで受けられるかが決まります。
どちらも在職中であることは条件ではなく、退職したあとでも条件に合えば申請できます。
加入期間が足りるか分からないときは、雇用保険被保険者証や給与明細の雇用保険料の欄を見るか、ハローワークに聞いて確かめてください。
失業保険は次の勤務先が決まっていないこと
失業保険を受けられるのは、働く意思と能力があり、仕事を探しているのに就職できていない「失業の状態」にある人です。
次の勤務先が決まっている人は対象外です。
病気やケガ、妊娠や出産ですぐに働けない人も、働けない間は受けられません。
すぐに働けない人は、先にハローワークで受給期間の延長を申請し、働ける状態に戻ってから受給の手続きをします。
失業保険は自己都合なら2年間に12か月の加入期間
自己都合で退職した人は、離職日以前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上必要です。
被保険者期間は、賃金の支払いの基礎になった日が11日以上(または80時間以上)ある月を1か月と数えます。
1年以上勤めていれば足りることが多いものの、出勤した日が少ない月は1か月に数えないので、勤務日数が少なかった人は月ごとの日数を見ておきましょう。
2年間の途中で転職している人も、前の会社の被保険者期間を通算できる場合があるので、ハローワークで確かめてください。
月ごとの日数を数えるのが難しいときは、ハローワークで聞くほか、自己都合でも対象かの無料診断を使って確かめる方法もあります。
失業保険は会社都合なら1年間に6か月の加入期間
倒産や解雇などで辞めた特定受給資格者と、正当な理由のある自己都合で辞めた特定理由離職者は、離職日以前1年間に被保険者期間が6か月以上あれば足ります。
どちらに当たるかは本人や会社が決めるのではなく、ハローワークが離職票をもとに判断します。
離職票に書かれた退職理由に納得できないときは、ハローワークで異議を伝えられます。
失業保険の基本手当は65歳未満で離職した人
失業保険の基本手当を受けられるのは、65歳未満で離職した人です。
若い人も、条件に合えば対象です。
65歳以上で離職した人は高年齢求職者給付金の対象になり、加入期間が1年未満なら30日分、1年以上なら50日分を一時金で受け取ります。
傷病手当金は仕事以外の病気やケガで4日以上休んでいること
傷病手当金は、次の4つの条件をすべて満たすと、休んだ4日目から支給されます。
- 仕事以外の理由の病気やケガで療養している
- 医師の意見をもとに、仕事に就けない状態だと判断される
- 連続する3日間(待期)を含めて4日以上仕事を休んでいる
- 休んだ期間に給与が出ていない(給与が傷病手当金より少なければ差額が出る)
待期の3日間には、有給休暇を使って休んだ日や公休日も数えられます。
3日続けて休む前に1日でも出勤すると、待期はそこから数え直しです。
退職後も傷病手当金を受けるには1年以上の加入期間
退職後も傷病手当金を続けて受ける継続給付には、次の2つの条件があります。
- 退職日までに、健康保険の被保険者期間が継続して1年以上ある
- 退職日に傷病手当金を受けているか、受けられる状態にある
継続給付の途中でいったん働ける状態になると、その後また働けなくなっても支給は再開しません。
退職後に任意継続や国民健康保険に入ってから、新しく傷病手当金を受けることはできません。
社会保険給付金でもらえる金額の計算方法
社会保険給付金でもらえる金額は、失業保険なら「1日分×もらえる日数」、傷病手当金なら「1日分×休んだ日数」で決まります。
どちらも給与の一部しか出ません。
失業保険の1日分には年齢ごとの上限額があり、毎年8月1日に変わります。
正確な額は、ハローワークで受給資格が決まったときに受け取る雇用保険受給資格者証で確かめてください。
失業保険の1日分は賃金日額の50〜80%
失業保険の1日分(基本手当日額)は、賃金日額に50〜80%の給付率をかけた額です。
賃金日額は退職前6か月の給与の合計を180で割った額で、賞与(ボーナス)は含みません。
6か月の給与合計が180万円なら賃金日額は1万円になり、1日分は5,000〜8,000円の範囲に入ります。
給付率は給与が低い人ほど高い割合になり、60〜64歳の人は45〜80%です。
給与が高い人の1日分は、年齢ごとの上限額で止まります。
失業保険がもらえる日数は90日から330日
失業保険がもらえる日数(所定給付日数)は、退職理由と雇用保険の加入期間と年齢で決まります。
自己都合退職なら加入期間だけで決まり、会社都合退職は年齢も加わり、90日から330日の幅です。
| 退職理由 | 加入期間 | もらえる日数 |
|---|---|---|
| 自己都合退職 | 10年未満 | 90日 |
| 自己都合退職 | 10年以上20年未満 | 120日 |
| 自己都合退職 | 20年以上 | 150日 |
| 会社都合退職 | 年齢と加入期間による | 90日から330日 |
再就職すると、支給はその日で止まります。
もらえる日数が残っていても、離職日の翌日から1年の受給期間を過ぎた分は支給されないので、退職後は早めにハローワークで手続きを始めてください。
傷病手当金の1日分は標準報酬月額の平均の3分の2
傷病手当金の1日分は、支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均を30で割り、3分の2をかけた額です。
標準報酬月額は毎月の給与を区切りのよい等級に当てはめた額で、給与明細に載っている健康保険料の額から分かります。
加入して12か月に満たない人は、直近の各月の平均と32万円のうち低いほうで計算します。
休んだ日に給与が一部出ているときは、傷病手当金との差額だけが支給されます。
標準報酬月額が分からなければ、会社の担当者か協会けんぽで確認できます。
標準報酬月額30万円なら傷病手当金は1日6,667円
標準報酬月額30万円の人なら、30万円を30で割った1万円に3分の2をかけて、傷病手当金の1日分は6,667円です。
30日休んだ場合は約20万円になるので、給与のおよそ3分の2を目安に、休んでいるあいだの生活費を見積もれます。
| 標準報酬月額 | 1日あたり | 30日あたり |
|---|---|---|
| 20万円 | 4,447円 | 約13万3,000円 |
| 30万円 | 6,667円 | 約20万円 |
| 40万円 | 8,887円 | 約26万7,000円 |
社会保険給付金の申請の期限
失業保険は受給期間、傷病手当金は時効で申請の期限が決まります。
どちらも退職したあとに申請できる給付で、在職中に申請を済ませておく必要はありません。
退職してすぐに体調や手続きの都合で動けなくても、期限を過ぎていなければ申請は間に合います。
| 給付 | 申請の期限 | 延ばせるか |
|---|---|---|
| 失業保険 | 離職日の翌日から1年(受給期間) | 病気やケガ、妊娠や出産、育児、介護で30日以上続けて働けないときは最長4年まで延ばせる |
| 傷病手当金 | 休んだ日ごとに翌日から2年(時効) | 延長の手続きはなく、2年以内ならあとからまとめて申請できる |
失業保険は離職日の翌日から1年以内
失業保険を受けられる期間(受給期間)は、離職日の翌日から1年です。
もらえる日数はこの1年のうちに受け終える必要があり、1年を過ぎると日数が残っていても支給されません。
所定給付日数が330日の人は、受給期間が1年と30日になります。
申請が遅れると、待期7日や給付制限のあいだに1年が過ぎてしまい、もらえる日数を受け切れない場合があります。
傷病手当金は休んだ日ごとに翌日から2年
傷病手当金の時効は、休んだ1日ごとに、その日の翌日から数えて2年です。
時効は1日ずつ進むので、2年を過ぎた日の分から順に受け取れなくなります。
2年以内であれば、1か月ごとなどに区切って、あとからまとめて申請してもかまいません。
病気や出産で働けないときは失業保険の期限を最長4年に延ばせる
次のような理由で30日以上続けて働けないときは、ハローワークに申請すると失業保険の受給期間を延ばせます。
- 病気やケガ
- 妊娠や出産
- 育児
- 家族の介護
延ばせる期間は、本来の1年に最長3年を足した最長4年です。
延長の申請は、働けない状態が30日続いた日の翌日からできます。
延長の申請が遅れると、延ばしても日数を受け切れない場合があるので、働けない状態が続くと分かった時点で早めに申請してください。
退職後でも期限内なら失業保険も傷病手当金も申請できる
失業保険は退職後に会社から届く離職票をハローワークに出して申請する制度なので、受給期間の1年以内なら退職後に申請できます。
傷病手当金は、在職中から受けているか受けられる状態であれば、退職後も続けて受けられます。
退職後に新たに病気やケガになった場合は、会社の健康保険の傷病手当金は受けられません。
その場合は失業保険の受給期間を延ばしておき、体調が戻ってから求職の申込みをします。
社会保険給付金制度の申請の流れ
社会保険給付金制度の申請は、失業保険ならハローワークに出向いて手続きを進め、傷病手当金なら申請書をそろえて郵送で出すのが中心です。
どちらも窓口での相談は無料なので、書き方や持ち物で迷ったら申請の前にハローワークか協会けんぽに聞いてください。
失業保険はハローワークで求職の申込みをする
離職票は、退職後おおむね10日〜2週間で会社から届きます。
届いたら住んでいる地域のハローワークで求職の申込みをして離職票を出すと、受給資格が決まります。
ハローワークに持っていくのは、離職票のほかに本人確認の書類、写真、振込先の口座が分かるものです。
- 離職票(1と2)
- マイナンバーカード(ない場合は通知カードなどと本人確認書類)
- 写真
- 本人名義の通帳かキャッシュカード
受給資格が決まった日から7日間は待期で、支給はありません。
離職票が届かないときは、まず会社に問い合わせ、それでも届かなければハローワークに相談してください。
雇用保険説明会に出て受給資格者証を受け取る
説明会の日時はハローワークが決めます。
説明会では受給資格者証などを受け取り、初回の認定日も分かります。
雇用保険受給資格者証には、自分の1日分の額(基本手当日額)ともらえる日数が載っています。
認定日は控えておいてください。
4週間ごとの認定日に失業認定を受ける
失業認定は、原則4週間に1回の認定日にハローワークへ行って受けます。
認定日には、失業認定申告書に求職活動の実績やアルバイトをしたかどうかを書いて出します。
認定されると、その日数分の失業保険が認定日からおおむね1週間で指定した口座に振り込まれます。
認定日に行けないとその期間は原則として支給されないので、やむを得ない理由があるときは前もってハローワークに連絡してください。
傷病手当金は本人と会社と医師が申請書を書いて提出する
傷病手当金支給申請書は、本人と会社と医師がそれぞれ書く欄に分かれています。
- 本人が書く欄: 振込先の口座や休んだ期間など
- 会社が書く欄: 休んだ期間の勤務状況と給与の支払い(退職後の期間だけを申請するなら不要)
- 医師が書く欄: 仕事に就けない状態だったこと
申請書は協会けんぽのホームページから印刷でき、健康保険組合の人は組合のホームページか会社の担当者から受け取ります。
3つの欄がそろったら協会けんぽの支部か健康保険組合に出し、郵送でも提出できます。
1か月ごとなどに区切って申請すると、会社の給与の締め日に合わせて証明をもらいやすくなります。
社会保険給付金が入金されるまでの期間
失業保険の入金までの日数を数え始めるのは、退職した日ではなく、ハローワークで求職の申込みをした日です。
申込みの前に、会社から離職票が届くまでの10日〜2週間が別にかかります。
退職日から数えると、最初の振込までは給付制限がない人で約1か月半、給付制限が1か月の人で約2か月半が目安です。
| 場合 | 申込から初回振込まで | 退職日からの目安 |
|---|---|---|
| 給付制限なしの失業保険 | 約1か月 | 約1か月半 |
| 給付制限1か月の失業保険 | 約2か月 | 約2か月半 |
| 給付制限3か月の失業保険 | 約4か月 | 約4か月半 |
| 傷病手当金 | 協会けんぽは受付からおおむね10営業日 | 退職日ではなく申請書の受付から数える |
給付制限がない失業保険は申込から約1か月
給付制限がない人は、申込みから約1か月で最初の振込があります。
待期7日のあと、申込みからおおむね4週間後に初回の認定日があり、そこからおおむね1週間で振り込まれます。
初回に振り込まれるのは、待期が明けた日から初回の認定日の前日までの日数分です。
自己都合退職の失業保険は給付制限があり約2か月
自分の都合で退職し、正当な理由が認められない場合は、待期7日が明けてから原則1か月の給付制限がかかり、最初の振込は申込みから約2か月後です。
この1か月は2025年4月1日以降に離職した人の場合で、それより前に離職した人は2か月の給付制限がかかります。
給付制限のあいだも認定日はあるので、指定された日にはハローワークへ行ってください。
次のような正当な理由がある自己都合退職は、特定理由離職者として給付制限がかからない場合があります。
- 病気やケガで働けなくなった
- 家族の介護が必要になった
- 転居で通えなくなった
自分が正当な理由に当たるかどうかは、離職票と証明の書類をもとにハローワークが判断します。
過去5年に2回以上の自己都合退職があると給付制限は3か月
正当な理由がないまま自分の都合で退職し、そのたびに受給資格の決定を受けた回数が直近5年で2回以上ある人は、給付制限が3か月になります。
自分の責任による重大な理由で解雇された場合(重責解雇)も、給付制限は3か月です。
給付制限が3か月の場合、最初の振込は求職の申込みから約4か月後になります。
傷病手当金は協会けんぽの受付から約10営業日
傷病手当金は、協会けんぽなら受付から約10営業日で振り込まれます。
加入先が健康保険組合の人は、振込までの日数が組合ごとに違うので、加入している組合に確かめてください。
申請書に記入漏れなどの不備があると戻されて、そのぶん入金が遅れます。
申請書は休んだ期間が過ぎてから出すので、1か月分をまとめて申請すると、療養を始めてから最初の入金までは1か月以上かかります。
社会保険給付金制度を利用するメリット
社会保険給付金制度で受け取る失業保険や傷病手当金は、給与が止まった期間の生活を支え、次の仕事を探す時間を作れる国の給付です。
収入が途切れた期間の生活費に充てられる
失業保険は、退職前の給与から出した賃金日額の50〜80%が1日分になり、もらえる日数のあいだ受け取れます。
傷病手当金は給与のおよそ3分の2が1日分で、出るのは支給開始日から通算1年6か月までです。
退職や療養で給与が入らない月でも、生活費の一部をこの給付でまかなえます。
ただし、どちらも給与の全額ではなく、最初の入金までに1か月以上かかります。
最初の入金までの生活費は、貯金や最後の給与から別に見込んでおきましょう。
転職活動に使える時間ができる
失業保険を受けているあいだは、生活費の心配を減らしながら、条件の合う求人を選んで応募する時間が持てます。
ハローワークの案内では、受給は求職活動を続けることが前提で、認定日までに原則2回以上の求職活動の実績が必要です。
早く仕事が決まった場合も、条件を満たせば再就職手当の対象です。
資格の勉強や職業訓練に時間を使える
受給中の時間は、資格の勉強やハローワークの職業訓練にも使えます。
ハローワークの指示で受ける公共職業訓練なら、受講しているあいだも失業保険を受けられます。
一方で、独学で資格の勉強をしても、求職活動の実績には数えられません。
勉強に時間を使う場合も、認定日までの求職活動の実績は、ハローワークの案内にある次の活動でそろえてください。
- ハローワークでの職業相談
- 再就職に向けたセミナーへの参加
- 求人への応募
社会保険給付金を受け取るときの注意点
社会保険給付金は申請して終わりではなく、受給中の働き方によって支給が止まる場合や減る場合があり、書類の手間や不備で入金が遅れることもあります。
離職票や申請書をそろえる手間がかかる
失業保険は離職票をそろえて申請したあとも、原則4週間ごとの認定日にハローワークへ行き、失業認定を受けます。
傷病手当金は、在職中の期間分は会社に勤務状況と給与の欄を、医師に働けない状態だったことの欄を書いてもらわなければなりません。
医師に書いてもらう欄は、医療機関によっては費用がかかる場合があります。
申請書の書き方で分からない欄があれば、ハローワークや協会けんぽの窓口・電話で無料で聞けます。
再就職した日からは失業保険が支給されない
就職が決まると、その日からは失業の状態ではなくなるので、就職した日以降の失業保険は支給されません。
就職が決まったらハローワークに届け出る決まりがあり、届け出ないまま受け取り続けると不正受給として扱われて、受け取った分の返還を求められます。
一方で、所定給付日数の3分の1以上を残して安定した職業に就くなどの条件を満たせば、残りの日数に応じた再就職手当が出ます。
受給中のアルバイトの収入で失業保険が減る
失業保険の受給中でもアルバイトはできますが、働いた時間と収入によって、その日の分が減るか支給されません。
| 働き方 | 失業保険の扱い |
|---|---|
| 週20時間以上かつ31日以上の雇用の見込みがある | 雇用保険に入る扱いになり、失業保険は受給できない |
| 1日4時間以上働いた日 | 就職・就労の扱いで、その日の基本手当は支給されず後ろに先送りされる |
| 1日4時間未満の内職や手伝い | その日の収入によって基本手当が減額される |
働いた日は、収入の多い少ないにかかわらず失業認定申告書に書きます。
書かずに受け取ると不正受給になるので、短い時間でも働いた日は申告してください。
書類の不備で支給が遅れる
傷病手当金支給申請書は、記入漏れや添付の不足があると協会けんぽや健康保険組合から戻され、そのぶん入金が遅れます。
離職票の誤りも、確認に時間がかかります。
出す前に、協会けんぽの記入の手引きやハローワークの案内で、空欄や添付の漏れがないかを確かめましょう。
失業保険と傷病手当金は同時にもらえない
失業保険は働ける状態の人、傷病手当金は働けない状態の人への給付なので、同じ期間に両方は受けられません。
療養で働けない期間については、失業保険の受給期間の延長を申請できます。
療養中にハローワークで失業保険の手続きをすると、働ける状態だと申告したことになる点に注意してください。
失業保険の手続きを済ませたあとに病気やケガで15日以上働けなくなった場合は、基本手当の代わりに雇用保険の傷病手当が出ます。
社会保険給付金の申請は会社に伝わるのか解説
失業保険は申請しても会社に通知されず、傷病手当金は在職中の期間分だけ会社が申請書に関わります。
| 給付 | 会社が関わること | 会社に伝わらないこと |
|---|---|---|
| 失業保険 | 離職票を発行する。退職理由の確認でハローワークから問い合わせを受けることがある | 求職の申込みをしたこと、失業保険を受けていること |
| 傷病手当金 | 在職中の期間分は申請書に勤務状況と給与の支払いを記入する。健康保険組合によっては会社を通して提出する | 退職後の期間だけの申請は会社の証明が要らない |
失業保険の申請はハローワークから会社に通知されない
本人が求職の申込みをしたことや失業保険を受けていることを、ハローワークから会社に知らせることはありません。
離職票は会社が発行する書類なので、会社が知っているのは離職票を出したという事実までです。
ただし、離職票の退職理由を確かめるために、ハローワークから会社へ問い合わせが入ることはあります。
傷病手当金は在職中の期間分だけ会社の証明が要る
傷病手当金支給申請書には事業主が書く欄があり、在職中に休んだ期間の分は、会社が勤務状況と給与の支払いを記入します。
退職後の期間だけを申請するときは、事業主の証明は要りません。
ただ、健康保険組合によっては申請書を会社を通して出す決まりがあるので、加入していた組合に出し方を問い合わせてください。
社会保険給付金制度が怪しいと言われる理由
国の制度である失業保険や傷病手当金そのものに問題があるわけではなく、怪しいという声は一部の広告や事業者の説明の仕方から出ています。
広告の内容が本当か迷ったら、ハローワークや協会けんぽに自分の条件を伝えて聞けば、受け取れるかどうかを無料で確かめられます。
条件を書かずに受け取れると見せる広告
失業保険にも傷病手当金にも受け取るための条件があるので、条件に触れずに受け取れると見せる広告は、制度の中身と合いません。
失業保険は、自己都合退職なら離職日以前2年間に雇用保険の加入期間が12か月以上あり、働ける状態で仕事を探していることが前提です。
傷病手当金は、仕事以外の病気やケガで働けず、給与が出ていないときに限って支給されます。
事業者を通して申請しても、条件に合わない人は受け取れません。
広告を見たら、加入期間や働ける状態といった条件が書かれているかを確かめましょう。
給付制限で入金が遅れることを伝えない案内
自己都合退職で失業保険を受ける場合は、待期7日のあとにさらに原則1か月の給付制限がかかるので、求職の申込みから最初の振込までは約2か月かかります。
この期間に触れずに、退職後すぐにお金が入るように見せる案内は、受け取れる時期を実際より早く見せています。
入金の時期を案内されたら、自分の退職理由で給付制限がかかるかと、最初の振込が何月ごろになるかを聞き返してください。
申し込んだ後で分かる料金や返金の条件
申請サポートの料金は、受給額の何割かを払う成功報酬の形が多く、受給額が大きいほど支払いも増えます。
料金の総額や追加の費用、途中でやめたときの扱いが申込の前に書面で示されていなければ、契約の前に書面を求めてください。
受給できなかったときに返金されるかどうかも、申込の前に分かるようになっているかを見ておきたい点です。
ハローワークでの手続きまで任せられるという説明
求職の申込みと4週間ごとの認定日は、本人がハローワークに出向いて受ける手続きで、事業者が代わりに済ませることはできません。
事業者が手伝えるのは、受給できるかの判定や書類の準備、手続きの助言までです。
認定日に本人が行かないと、その期間の失業保険は原則として支給されないので、手続きを任せきりにはできません。
社会保険給付金の申請サポートを選ぶときの確認点
申請サポートは、受給できるかの判定や書類の準備を有料で手伝う民間のサービスです。
体調が悪く手続きが負担な人や、書類の書き方に不安がある人が使っています。
条件や期限を確かめるだけなら、ハローワークや協会けんぽの窓口で無料で聞けます。
相談先を選ぶときは、無料の窓口で聞ける内容と、有料で手伝ってもらう内容を比べて決めましょう。
サポートの料金の総額と返金の条件
成功報酬型が多い申請サポートでは、受け取った給付のうち何割を払うかが事業者ごとに違います。
契約の前に、何割を払うのかと、それとは別にかかる費用があるのかを、総額で確かめてください。
受給できなかったときに返金されるのか、どの条件なら返金されるのかも、書面で確かめておきましょう。
サポートしてくれる範囲と自分でやる手続き
サポートを使っても、次の手続きは本人が行います。
- ハローワークでの求職の申込み
- 4週間ごとの認定日への出席
- 医師の受診と、申請書の医師の欄の依頼
受給できるかの判定や書類の準備、手続きの相談のうち、どこまでサポートが手伝うかは契約しだいです。
どこまで手伝ってもらえるのかを契約の前に分けて聞いておくと、自分でやる手続きの量が分かります。
待期や給付制限まで説明してくれるか
都合の悪いことも説明してくれるかを確かめると、受給までの見通しを正直に伝えるサービスかどうかが分かります。
待期7日や自己都合退職の給付制限で最初の入金まで時間がかかることと、条件に合わず受け取れないケースがあることを、契約の前に聞いてみてください。
説明の中に、失業保険と傷病手当金は同時に受けられないという話が入っているかも確かめましょう。
サポート事業者の運営会社と運営歴
契約の前に、運営会社の名前と所在地がサイトや契約書に書かれているかを確かめましょう。
いつから運営しているか、サービス名を何度も変えていないかも、同じ会社が継続して運営しているかを判断する手がかりになります。
また、サービスの対応範囲を確認することも重要です。一般の民間サポート会社は、報酬を得て申請書類の作成や提出代行など、社会保険労務士の独占業務を行うことはできません。そのため、どこまで対応してもらえるのか、契約前に確認しておきましょう。
申請書類の作成や提出代行まで依頼したい場合は、社会保険労務士に直接相談することをおすすめします。
サポート会社に社会保険労務士が所属・提携していても、それだけで会社が申請代行を行えるわけではありません。依頼する際は、社会保険労務士と直接契約する仕組みになっているかを確認しましょう。
社会保険給付金制度についてよくある質問
社会保険給付金と退職給付金は同じものですか?
退職給付金も社会保険給付金も法律で決められた制度名ではなく、どちらも失業保険や傷病手当金などの国の給付をまとめた呼び方なので、指している中身は同じです。
窓口で相談するときは、失業保険・傷病手当金のように個別の制度名で聞くと話が早く進みます。
社会保険給付金は自分で申請できますか?
社会保険給付金は自分で申請でき、失業保険は住んでいる地域のハローワーク、傷病手当金は協会けんぽの支部か健康保険組合に本人が出します。
窓口では、相談も書き方の質問も無料です。
パートやアルバイトでも対象になりますか?
パートやアルバイトでも、雇用保険に入っていれば失業保険の、会社の健康保険に入っていれば傷病手当金の対象になります。
雇用保険に入るのは、週20時間以上かつ31日以上の雇用の見込みがある働き方です。
自分が入っているかは、給与明細の雇用保険料と健康保険料の欄で確かめられます。
退職金をもらっても失業保険は受け取れますか?
退職金をもらっても、失業保険は受け取れます。
退職金は賃金日額の計算に含まれないので、失業保険の1日分の額にも影響しません。
国民健康保険に入っていても傷病手当金はもらえますか?
国民健康保険には原則として傷病手当金がないので、国民健康保険に入ってから傷病手当金を受けることはできません。
退職後も会社の健康保険から続けて受けられるのは、退職日までに継続して1年以上加入していて、退職日に傷病手当金を受けているか受けられる状態の人です。
傷病手当金と雇用保険の傷病手当は違うものですか?
傷病手当金と雇用保険の傷病手当は別の制度です。
傷病手当金は健康保険の給付で、仕事以外の病気やケガで働けないときに出ます。
雇用保険の傷病手当は、失業保険の手続きのあとに15日以上働けなくなったとき、基本手当の代わりに出る給付です。
社会保険給付金制度は失業保険や傷病手当金のこと
社会保険給付金制度は、失業保険や傷病手当金など国の給付をまとめた呼び方で、条件に合えば本人が窓口で申請できます。
- 退職後に仕事を探すなら失業保険が対象で、仕事以外の病気やケガで休むときは医師の意見をもとに傷病手当金の対象になる場合がある
- 申請の期限は、失業保険が離職日の翌日から1年、傷病手当金が休んだ日ごとに翌日から2年
- 失業保険はハローワーク、傷病手当金は協会けんぽか健康保険組合に本人が申請でき、相談は無料で受けられる
まずは離職票や給与明細を手元に用意して、ハローワークか協会けんぽに自分の条件と期限を問い合わせてください。
そのうえで、窓口で自分で申請するか、YELL!!の受給額の無料診断などで申請サポートに相談するかを決めましょう。


