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傷病手当金をもらって退職したあとに失業保険をもらう方法!両方もらうための切り替え手順やタイミングを解説

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傷病手当金をもらって退職したあとに失業保険をもらう方法!両方もらうための切り替え手順やタイミングを解説

傷病手当金をもらって退職したあとに失業保険をもらう方法!両方もらうための切り替え手順やタイミングを解説

2026/08/25

傷病手当金を受け取って退職したあとでも、失業保険は受け取れます。ただし2つを同時に受け取ることはできないので、受け取る時期をずらす必要があります。

 

傷病手当金は働けない期間の収入を補うお金で、失業保険は働ける状態で仕事を探す人に出るお金です。前提が正反対なので、同じ期間に両方が支給されることはありません。そこで退職後にハローワークで受給期間延長を申請しておき、回復してから失業保険に切り替えます。

 

時期をずらすのは制度が認めている使い方で、不正受給ではありません。不正受給になるのは、同時に受け取ってそれを申告しなかった場合だけです。

 

在職中から回復後までの手続きを期限つきの時系列でたどり、同じ月給で2つの給付額を並べた比較も載せています。次にハローワークと健康保険組合のどちらへ何を持って行くかが決まります。

 

傷病手当金と失業保険は同時にはもらえないが両方受け取れる

 

同時に受け取ることはできませんが、受け取る時期をずらせば両方受け取れます。傷病手当金は療養で働けないことが支給の条件で、失業保険は働く意思と能力があることが支給の条件です。同じ人が同じ期間に両方の条件を満たすことはありえないので、制度としてどちらか一方しか受け取れません。

 

在職中に傷病手当金を受け取り、退職したらハローワークで受給期間延長を申請し、回復してから失業保険に切り替えるという流れです。

 

順番を守らずに失業保険を先に申請すると、受給期間の延長が使えないまま傷病手当金の受給中に受給期間が過ぎてしまいます。退職後は延長の申請を先に済ませてください。

 

傷病手当金は働けない期間の収入を補う健康保険の給付

 

傷病手当金は、業務外の病気やけがで働けなくなったときに健康保険から支給されるお金です。支払っているのは勤め先の健康保険なので、受け取るのは在職中が基本です。ただし決められた要件を満たしていれば、退職したあとも続けて受け取れます。

 

受け取れる額は、おおよそ給与の3分の2です。計算のもとになる標準報酬月額と、月いくらになるかの目安はあとで詳しく見ます。

 

受け取れるのは最長で1年6か月ぶんです。

 

気をつけたいのは、業務中や通勤中のけがは労災保険の対象になり、傷病手当金は使えないという点です。原因が仕事にあると思う場合は、健康保険組合ではなく労働基準監督署へ相談してください。

 

失業保険は働ける状態で仕事を探す人に出る雇用保険の給付

 

失業保険の正式な名前は雇用保険の基本手当で、次の職が決まるまでのあいだの暮らしを支える給付です。受け取るには働く意思と能力があり、求職活動をしていることが必要になります。

 

さらに、離職前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることが原則の条件です。受け取れる額は賃金日額の50〜80%で、離職時の年齢と退職前の賃金によって変わります。

 

支給の前提が「働ける状態にある」ことなので、療養で働けない間は受給資格そのものが認められません。傷病手当金とは条件が正反対なので、2つを同時に受け取ることはできません。

 

働ける状態になっていないうちに申請しても、失業の認定は受けられません。回復を待つあいだは受給期間の延長で権利を守ります。

 

傷病手当金と失業保険は受け取る時期をずらせば両方もらえる

 

両方受け取る動きは、次の4段階になります。

 

  1. 在職中から傷病手当金を受け取り、退職後も条件を満たせば続けて受け取る
  2. 退職後にハローワークで失業保険の受給期間延長を申請し、受け取る権利を先に確保する
  3. 回復して働ける状態になったら、ハローワークで延長を解除する
  4. 求職の申し込みをして失業保険に切り替える

 

この順番が必要なのは、失業保険の受給期間が原則で離職日の翌日から1年しかないからです。療養が長引くとその1年を使い切ってしまうので、延長でうしろにずらしておきます。

 

逆に延長の申請を忘れると、受給期間が過ぎた時点で失業保険そのものを受け取れなくなります。退職後は療養に専念する前に、この申請だけ先に済ませておいてください。

 

傷病手当金から失業保険へ切り替えるタイミングは働ける時期で決まる

 

切り替えの分かれ目は、退職後に働けない状態が30日以上続くかどうかです。

 

  • 30日以上働けない見込みなら、傷病手当金を先に受け取り、受給期間延長で失業保険の権利を残す
  • 29日以内に働ける見込みなら、延長は使えないので通常の手順で失業保険を申請する
  • どちらに当たるかの起点は医師が労務不能と判断する期間で、自己判断では決まらない

 

受給期間の延長が認められるのは「30日以上職業に就くことができない」場合と定められているため、30日が制度上の分かれ目になります。

 

判定に迷う段階なら、延長の申請だけ先に済ませておいてください。結果的に早く回復しても不利にはなりません。自分の状況がどちらに当たるかは、ハローワークの窓口で相談してください。

 

退職後29日以内に働ける人は延長せずそのまま失業保険を申請する

 

受給期間の延長は30日以上働けない場合の制度なので、29日以内に働ける見込みなら延長は使えません。傷病手当金の受給を終えたあと、通常の手順でハローワークへ失業保険を申請します。

 

ここで見込んでおきたいのが、収入が入らない期間です。自己都合退職だと、申し込んでから待期7日と原則1か月の給付制限が続くため、その間は入金がありません。傷病手当金が切れる時期と重なるので、その間の生活費を何日分用意するかを先に決めておいてください。

 

給付制限のあいだは失業保険が入らないため、退職後はできるだけ早く申請してください。手続きの順番をたどると、ここを後回しにした分だけ収入の空白が長くなります。

 

収入が途切れる期間が不安なら、退職後に傷病手当金を30日以上受け取れる状況かを確認してみてください。30日以上受け取っていれば給付制限が免除される場合があるので、該当しそうならハローワークで扱いを聞いておきます。

 

退職後30日以上働けない人は傷病手当金を先に受け取る

 

30日以上働けない見込みなら、傷病手当金を優先して受け取り、失業保険は回復後に回します。療養中に受け取れるお金としては、傷病手当金のほうが失業保険より長く使えます。療養が長引くときは、先にこちらを使ったほうが受け取れる総額は大きくなりやすいです。

 

そのあいだにハローワークで受給期間延長を申請し、失業保険の権利を残しておきます。30日以上働けない証明として、医師の診断書(傷病証明書)が必要です。

 

この形を取れば、療養に専念しながら回復後の失業保険まで見通せるので、収入が途切れる期間を作らずに済みます。

 

つまずきやすいのは診断書です。取得に日数がかかると延長の申請そのものが遅れるので、通院のときに診断書が必要になる見込みを医師へ先に伝えておいてください。

 

傷病手当金をもらって退職したあとに失業保険をもらう手順

 

在職中から失業保険の受給が始まるまでにやることは、次の5段階です。

 

  1. 在職中に連続3日の休みを作って傷病手当金を申請する(退職日より前に済ませる)
  2. 退職日当日は出社しない(引き継ぎと備品返却は前日までに終える)
  3. 退職後にハローワークで受給期間延長を申請する(30日以上働けなくなった日の翌日以降)
  4. 回復したら延長を解除して求職の申し込みをする
  5. 待期7日と、自己都合退職なら原則1か月の給付制限を経て受給が始まる

 

各段階に期限や条件があり、前の段階を満たさないと次に進めない仕組みになっています。順番を飛ばすと後戻りできないので、いま自分が何を用意すべきかを1つに絞って進めてください。

 

手続きの順番をたどってつまずきやすいのは、2の退職日当日の出社と、3の延長申請の遅れです。この2つは過ぎてから直せないので、先に日付を決めて予定に入れておきます。

 

在職中に連続3日の休みを作って傷病手当金を申請する

 

療養を始めてから連続3日が待期で、4日目から支給の対象になります。この3日は暦の上で連続していることが条件で、勤務日である必要はありません。

 

そのため待期の3日は、土日祝や有給休暇、大型連休を使っても成立します。退職日から逆算して休みを組んでおくと、条件を満たしやすくなります。ただし有給を使った日は給与が支払われるため、その日の分は傷病手当金の対象になりません。

 

待期を数える起点には初診日が関わるので、連休を使うなら連休の前日までに受診しておいてください。休み始めてから初診が遅れると、数え始める日もうしろにずれます。

 

共済組合に加入している場合は、公休を除いた連続3日が必要になることがあります。加入先の健康保険がどちらの扱いになるかを、申請前に窓口へ確認してください。

 

退職日当日は出社せず健康保険の被保険者期間1年以上を確認する

 

退職日当日に出社すると、退職後の傷病手当金の継続受給が認められない可能性があります。出社した時点で労務不能の状態が途切れたと判断されうるためです。挨拶や備品返却のつもりの一日が、退職後の収入を止めてしまいます。

 

引き継ぎや備品の返却は、退職日の前日までに済ませてください。

 

退職後も傷病手当金を受け取り続けるには、次の条件をすべて満たす必要があります。

 

  • 退職日までに健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あること
  • 退職日の時点で傷病手当金を受け取っているか、受け取れる状態にあること
  • 退職日当日に出勤していないこと

 

1つ目は健康保険の被保険者期間です。雇用保険の加入期間ではないので、混同しないよう給与明細や健康保険証で自分の加入時期を確かめておきます。

 

挨拶や書類の受け取りで出社を求められたら、郵送や後日の対応に切り替えられないか会社に相談してください。

 

退職後に失業保険の受給期間延長をハローワークへ申請する

 

退職後は療養に入る前に、受給期間延長の申請を済ませます。申請できるのは、30日以上働けない状態になった日の翌日以降です。

 

申請すると、失業保険の受給期間を働けない期間の分だけうしろにずらせます。失業保険の受給期間は原則で離職日の翌日から1年と決まっており、延長しない限りその1年の中でしか受け取れません。この申請ひとつで、療養が1年を超えても失業保険を受け取る権利が残ります。

 

先送りしているうちに期限が過ぎると、失業保険そのものを受け取れなくなります。療養に入る前に、この申請だけ済ませてください。

 

病気を理由とする場合の申請期限は運用が分かれるので、退職後は早めに窓口へ確認してください。体調が悪くて来所できないときは郵送でも申請できます。窓口へ出向けないことを電話で伝えれば、送る先と書類を教えてもらえます。

 

回復したら延長を解除して求職の申し込みをする

 

働ける状態になったら、ハローワークで延長を解除します。失業保険は働ける状態にあることが前提なので、解除と求職の申し込みをして初めて受給資格が動き出します。

 

あわせて求職の申し込みを行い、離職票などの必要書類を提出してください。受給資格が決まると、そこから失業認定の手続きに入ります。

 

傷病手当金は働ける状態になった時点で受け取れなくなるので、解除の時期を決めると収入が入れ替わる日も決まります。

 

解除を急いで傷病手当金を早く止めてしまうと、収入の空白ができます。自己判断で決めず、医師の見立てを聞いてから解除の時期を決めてください。

 

待期7日を過ぎたら失業保険の受給が始まる

 

求職の申し込みのあとに7日間の待期があり、この期間は支給されません。待期は失業の状態を確認するための期間で、全員に等しく設けられています。

 

待期中の短時間勤務やアルバイトも就労とみなされるため、この7日間は働かずに過ごしてください。

 

自己都合退職の場合は、待期のあとに原則1か月の給付制限が続きます。ここまで済んで、ようやく最初の入金です。

 

一方で、療養が理由で辞めたことが認められて特定理由離職者に区分された人には、給付制限がつきません。特定理由離職者とは、本人の意思とは言いにくい事情で辞めた人の区分です。療養のために退職しているなら該当する可能性があるので、離職票に書かれた離職理由を確認し、実際の事情と違っていればハローワークで相談してください。

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失業保険の受給期間延長は最長4年まで伸ばせる

 

失業保険を受け取れる期間は原則で離職日の翌日から1年ですが、受給期間延長を申請すると働けない期間の分だけ後ろにずらせます。伸ばせる長さは最長3年で、本来の1年と合わせて最長4年まで確保できます。

 

傷病手当金を通算1年6か月まで使ってから失業保険へ移る場合も、4年の中に収まります。

 

認められるのは、退職後に30日以上働けない状態が続く場合です。事情は病気やけがだけに限りません。

 

  • 病気やけがで治療や入院が必要になった
  • 妊娠中や産後で働けない
  • 育児で働けない
  • 要介護状態の同居している親族を介護している

 

延長にも4年という上限があり、超えると権利が消えます。傷病手当金が終わる時期から逆算して、延長の解除をいつ申し出るかを決めておきましょう。申請はハローワークの窓口でも郵送でもできます。

 

受給期間延長が認められるのは30日以上働けない状態が続く場合

 

条件は、退職後に30日以上職業に就くことができない状態が続いていることです。29日以内に回復する見込みなら、延長は使えません。「30日以上」と制度に定められているためで、体調の重さや通院の回数では判断されません。

 

申請できるのは、30日以上働けなくなった日の翌日以降です。退職日の翌日から数えて30日を過ぎた時点が目安になるので、退職後の予定表にその日以降の来所を書き込んでおきましょう。

 

30日を待たずに窓口へ行っても受け付けてもらえないことがあります。早く済ませたい気持ちがあっても、30日を過ぎてから行くほうが、行き直さずに済みます。

 

手続きをしないまま所定の期間が過ぎると、その時点で失業保険を受け取れなくなります。

 

受給期間延長は病気やけが以外に妊娠や出産や介護でも認められる

 

延長は「職業に就くことができない」事情を理由に認められる制度です。判断されるのは理由の種類ではなく、働けない状態が30日以上続くかどうかです。病気で延長した人が、回復後に出産や介護で働けなくなった場合も、4年の上限までなら延長を続けられる可能性があります。

 

理由ごとに、証明に使う書類が違います。

 

延長の理由 証明に使う書類 用意する先
病気やけがで治療や入院が必要 医師の診断書、入院証明書 通院先の医療機関
妊娠中や産後で働けない 母子手帳、医師の証明書 市区町村、産科の医療機関
育児で働けない 母子手帳など、子どもの年齢が分かるもの 市区町村
要介護状態の同居している親族を介護 介護認定証、介護保険証 市区町村の介護保険の窓口

 

自分の理由に合う書類を用意しないまま窓口へ行くと、出し直しになります。診断書は依頼してから受け取るまでに日数がかかるので、通院のときに先に頼んでおきましょう。育児を理由にする場合は、求められる書類が地域によって異なることがあります。行く前にハローワークへ電話して、何を持って行けばよいかを確かめてください。

 

介護を理由にする場合、対象になるのは要介護状態の同居している親族です。別居の親を通いで介護している場合は扱いが変わるため、自分の状況で認められるかをハローワークへ先に問い合わせてください。理由が変わっても延長そのものは続けられるので、体調や家庭の事情が動いたときは窓口へ申し出ましょう。

 

受給期間延長をハローワークの窓口で申請する流れ

 

窓口へ行く場合、事前にそろえるのは離職票と延長の理由を証明する書類だけです。申請書そのものは窓口で受け取れるため、家で書類を探してから出かける必要はありません。

 

  1. ハローワークの窓口で受給期間延長申請書を受け取る
  2. 離職票と、延長の理由を証明する書類を用意する
  3. 管轄のハローワークへ持参して提出する

 

管轄が違うハローワークでは受け付けてもらえません。自宅の住所を管轄する窓口かどうかを、行く前にハローワークインターネットサービスか電話で確かめてください。

 

なお、すでに失業保険の受給の手続きを始めているかどうかで必要な書類が変わります。

 

受給期間延長を郵送で申請する流れ

 

外出できない状態でも、郵送で申請を完結させられます。来所が難しい人のために郵送での受付が用意されています。

 

  1. 受給期間延長申請書をハローワークのWebサイトからダウンロードする
  2. ハローワークの雇用保険給付・教育訓練給付の窓口へ電話し、郵送で出すことを伝える
  3. 必要書類をそろえて郵送する

 

送る前に、書類はすべてコピーして手元に残してください。郵送の途中で届かなかった場合、いつ出したかを自分で示せなくなります。簡易書留やレターパックライトなど、追跡できる方法で送れば発送日を確認できます。

 

先に電話を入れておくと、自分の理由でどの書類が必要かも同時に聞けます。行かずに済ませるつもりでも、電話1本は先に入れておきましょう。

 

受給期間延長の申請に必要な書類

 

持ち物は、失業保険の受給の手続きが済んでいるかどうかで変わります。ハローワークが本人の受給資格を確認する書類が、状況によって別になるためです。

 

自分の状況 必要な書類 入手先
受給の手続きが済んでいる 雇用保険受給資格者証(または雇用保険受給資格通知)、受給期間延長申請書、延長の理由を証明する書類 ハローワーク、医療機関など
受給の手続きをしていない 手元にあるすべての離職票-2、受給期間延長申請書、延長の理由を証明する書類 退職した会社、ハローワーク、医療機関など

 

どちらに当たるかを先に決めておけば、持って行くものが定まります。受給の手続きが済んでいる人は受給資格者証、まだの人は離職票が本人確認の軸になります。

 

離職票が複数ある人は気をつけてください。転職を重ねた人は前職分の離職票-2も持っているので、1枚だけ持って行くと被保険者期間の計算が進みません。手元にあるものはすべて持って行ってください。

 

書類の様式や求められるものは、ハローワークによって扱いが違うことがあります。窓口へ行く前か郵送の前に一度電話で確かめておくと、出し直しになりません。

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傷病手当金と失業保険はどちらがお得か金額で比べる

 

傷病手当金は給与の約3分の2、失業保険は賃金日額の50〜80%が目安です。月あたりで受け取れる額はどちらも近い水準になりますが、受け取れる期間には大きな開きがあります。

 

差がつくのは月額ではなく期間のほうです。傷病手当金は支給された日数が通算1年6か月に達するまで、失業保険は自己都合で勤続10年未満なら90日です。療養が長引くなら、傷病手当金を先に使い切るほうが総額では有利になりやすくなります。

 

どちらの額も目安にすぎません。年齢別の上限や給付率で変わるため、正確な数字は健康保険組合とハローワークで自分の記録をもとに出してもらってください。

 

傷病手当金の受給額は標準報酬月額の3分の2が目安

 

1日あたりの額は、支給が始まる日より前の12か月ぶんの標準報酬月額を平均し、それを30日で割って3分の2をかけると出ます。標準報酬月額とは社会保険料の計算に使う給与の区分で、給与明細の社会保険料の欄や健康保険からの通知で確かめられます。

 

基準になるのが標準報酬月額なので、残業代が多い月があっても額はほとんど動きません。社会保険上の区分で決まる仕組みです。

 

月給20万円の人なら1日あたり約4,400円で、28日分に換算すると約123,200円です。給与の3分の2という水準なので、休職前の手取りからは目に見えて減ります。家賃や固定費が収まるかを先に確かめておきましょう。

 

給与が一部でも出ている期間は、その分だけ差し引かれます。見舞金という名目で会社からお金が出ている場合も対象外になりえるため、何の名目で支払われているのかを会社に確かめてください。

 

失業保険の受給額は賃金日額の50〜80%が目安

 

失業保険は日額に給付日数をかけて総額が決まるため、計算は3段階で進みます。

 

  1. 賃金日額を出す。退職前6か月の賃金合計を180で割った額で、ボーナスは含めません
  2. 基本手当日額を出す。賃金日額に給付率50〜80%をかけた額です
  3. 受け取れる総額を出す。基本手当日額に給付日数をかけた額です

 

給付率に50〜80%という幅があるのは、賃金の低い人の暮らしを厚く支える仕組みになっているためです。退職前の賃金が低いほど給付率は高くなり、離職時の年齢でも変わります。

 

月給20万円で勤続1年の20代なら、賃金日額は約6,666円、基本手当日額は約4,000円です。

 

ただし賃金日額と基本手当日額には年齢別の上限と下限があり、計算どおりの額にならないことがあります。生活費の計算に使う数字は、ハローワークで自分の額を確かめてから固めてください。

 

月給20万円で両方の受給額を並べた比較

 

制度 1日あたり 受け取れる期間 期間ぶんの総額の目安
傷病手当金 約4,400円 支給日数が通算1年6か月に達するまで 療養の長さで変わる(28日分なら約123,200円)
失業保険(基本手当) 約4,000円 自己都合で勤続10年未満なら90日 約36万円(90日分)

 

月給20万円だと、傷病手当金は1日約4,400円で、28日分にすると約123,200円です。同じ条件の失業保険は基本手当日額が約4,000円で、給付日数90日なら総額は約36万円になります。

 

1日あたりで見ると差は400円ほどで、どちらを受け取っても月々の生活はほとんど変わりません。差が出るのは受け取れる期間です。失業保険の90日はおよそ3か月分で、傷病手当金の通算1年6か月とは開きがあります。

 

総額の差は月額ではなく日数で決まるため、順番を入れ替えると受け取れる金額そのものが変わります。療養が長引く見込みなら、傷病手当金を先に使い切ってから失業保険へ移るほうが総額で有利になりやすい形です。

 

一方で、受け取れる期間の見込みは病状で動きます。医師の見立てが短期で、退職後29日以内に働けそうなら、延長を使わずそのまま失業保険を申請したほうが早く収入が戻ります。金額の有利さと、収入が入るまでの日数は別に考えてください。

 

傷病手当金を受け取れる条件と申請の進め方

 

傷病手当金は、働けない状態と収入がない状態の両方を証明できたときに支給されます。条件は労務不能と給与が出ていないことの2つなので、自分が当てはまるかは申請の前に確かめられます。

 

申請書は自分だけでは完成しません。

 

  • 本人が、休んだ期間と口座などの基本情報を記入する
  • 勤務先が、休んだ期間の賃金の支払い状況を記入する
  • 医療機関が、病状と治療の内容、労務不能と認めた期間を記入する

 

依頼先が2つあるので、提出日は勤務先と医療機関から書類が戻るまでの日数を見込んで決めましょう。受給中は月1回程度の通院も必要です。

 

判断が分かれやすい症状では、自分の業務の内容を具体的に医師へ伝えてください。労務不能と認められなかった場合は、ほかの医療機関を受診する道もあります。

 

傷病手当金を受け取れる4つの条件

 

次の4つは、どれか1つでも欠けると支給されません。

 

  1. 業務外の病気やけがで療養中であること。業務中や通勤中のけがは労災保険の対象です
  2. 療養のため労務不能であること。労務不能とは、それまで担当していた仕事ができない状態を指します
  3. 連続する3日間を含み、4日以上仕事を休んでいること。連続3日が待期で、4日目から支給の対象です
  4. 休んだ期間について給与の支払いがないこと。一部でも支払われていればその分が減額されます

 

労務不能かどうかは、医師の意見と自分の業務の内容から判断されます。デスクワークと立ち仕事では「できない」の中身が違うため、同じ診断名でも結論は同じになりません。うつ病や適応障害も対象になり得ますが、審査を経るため必ず認められるとは限りません。

 

健康保険の対象外の治療は療養に当たりません。美容整形のように保険が使えない治療で休んでも、傷病手当金は出ません。病気やけがの原因が仕事にあると思う場合は、労災の扱いになるか労働基準監督署に相談してください。

 

退職後も傷病手当金を受け取り続けるための条件

 

退職しても、次の3つを満たしていれば傷病手当金は続きます。

 

  • 退職日までに健康保険の被保険者期間が継続して1年以上ある
  • 退職日の時点で傷病手当金を受給しているか、受給できる状態にある
  • 退職日当日に出勤していない

 

ここでよく取り違えられるのが1つ目です。1年以上必要なのは健康保険の被保険者期間で、雇用保険の加入期間ではありません。雇用保険の記録を見て安心しても、健康保険の側が1年に届いていなければ継続受給はできません。

 

受け取れる長さは、支給された日数が通算1年6か月に達するまでです。在職中に受け取った分も含めて数えます。通算で数える仕組みなので、途中で復職して支給が止まった期間は日数に入らず、その分を後ろで使えます。

 

健康保険組合によって運用が違う場合もあるので、退職前に加入先の組合へ継続して受け取れるかを確認しておきましょう。

 

健康保険傷病手当金支給申請書を提出するまでの流れ

 

提出までは3段階で進みます。自分の記入だけでは出せないので、依頼の順番を決めてから動くほうが早く終わります。

 

  1. 健康保険傷病手当金支給申請書を、健康保険組合か協会けんぽのサイトから入手して自分の欄を記入する
  2. 勤務先に賃金の支払い状況、医療機関に病状と治療内容を記入してもらう
  3. 必要書類をそろえて、健康保険組合または協会けんぽへ提出する

 

医療機関の記入に日数がかかることがあります。郵送でやりとりすると往復で時間を取られるので、通院のときに申請書を持参して、その場で記入を依頼してください。

 

提出から支給の決定までは、おおむね2週間から1か月程度が目安です。健康保険組合によって差があるため、初回は入金が翌月にずれる前提で生活費を組んでおくと慌てずに済みます。

 

傷病手当金は毎月申請する給付なので、1か月目の段取りが決まればその後は同じ流れを繰り返すだけです。

 

失業保険を受け取るための条件と申請の進め方

 

失業保険は、雇用保険の被保険者期間が足りていて、働く意思と能力がある人に支給されます。就職活動を支える制度なので、申請時と受給中のどちらでも「働ける・探している」ことの確認が入ります。

 

申請してすぐ入金されるわけではなく、待期と給付制限のぶんだけ空白が空きます。

 

窓口へ持って行く書類は離職票だけでは足りず、受給中は4週間ごとの失業認定日に求職活動を報告します。求職活動の実績が足りないと支給が止まりますが、実績になるのは応募や面接だけではなく、講座を聞きに行くことや窓口での職業相談も数えられるので、療養明けでも体調に合う方法を選べます。

 

失業保険を受け取れる条件は被保険者期間と働く意思

 

必要な被保険者期間は、離職の区分で変わります。

 

離職の区分 必要な被保険者期間 該当しやすい人
一般離職者 離職前2年間に通算12か月以上 自分の意思で退職した人
特定理由離職者 離職前1年間に通算6か月以上 病気やけがで働けなくなって退職した人
特定受給資格者 離職前1年間に通算6か月以上 倒産や解雇で職を失った人

 

前提として、雇用保険に加入し保険料を納めていたことと、働く意思と能力があって求職活動をしていることが必要です。働ける状態に戻っていることが出発点なので、療養中の申請は認定まで進みません。

 

区分によって要件が緩くなるのは、自分から望んで辞めたわけではない人を手厚く扱う考え方が制度に入っているからです。病気やけがで働けなくなって退職し、特定理由離職者と認められれば、勤続が短くても受給資格を満たす可能性があります。

 

勤続12か月に届かない人は、自分の離職の区分を先に確認してください。離職票の離職理由が実際の事情と違っていれば、ハローワークで申し立てられます。

 

申請後は待期7日と自己都合退職なら原則1か月の給付制限を待つ

 

求職の申し込みをすると、まず7日間の待期があり、この期間は支給されません。自己都合退職の人は待期のあとに原則1か月の給付制限が続き、会社都合退職の人は待期7日を過ぎた時点で支給が始まります。

 

給付制限が原則1か月になるのは、離職日が2025年4月1日以降の場合です。それより前は2か月だったため、古い情報を見て2か月待つつもりで生活費を用意している人がいます。自分の離職日が2025年4月1日以降なら、待つ期間は1か月短くなります。

 

療養が理由の退職だと認められて特定理由離職者に区分されれば、給付制限はつきません。待期7日のあとに支給が始まるので、離職票の離職理由は必ず自分の目で確かめてください。

 

退職後に傷病手当金を30日以上受け取っていた場合も、給付制限が免除されうる扱いがあります。ここを知らないまま1か月分の生活費を工面する人がいるので、該当しそうならハローワークの雇用保険の窓口で確認しましょう。待つ日数が1か月縮まれば、その分の生活費を用意しなくて済みます。

 

失業保険の申請でハローワークへ持って行く必要書類

 

本人の受給資格・振込先・身元をハローワークが確認するため、離職票だけでは手続きが進みません。次のものをまとめて持って行きます。

 

  • 雇用保険被保険者離職票-1・2(退職した会社から届きます)
  • 雇用保険被保険者証(会社が保管している場合は退職時に受け取ります)
  • 証明写真(たて3cm×よこ2.4cm・正面上半身)2枚
  • 本人名義の普通預金通帳またはキャッシュカード(給付の振込先になります)
  • 本人確認書類(運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど)
  • 個人番号確認書類(マイナンバーカード・通知カード・個人番号記載の住民票のいずれか1つ)

 

持ち物が事前に分かっていれば、体調のよい日に1回行くだけで済みます。写真は撮り直しに時間がかかるので、来所の日を決める前に用意しておきましょう。

 

離職票は会社から届くまでに日数がかかります。届く見込みが立たないうちは会社へ問い合わせ、それでも届かなければハローワークへ相談してください。

 

失業認定日は4週間ごとに来所して求職活動を報告する

 

受給が始まると、4週間ごとに1日、指定された認定日にハローワークへ来所して失業認定申告書を提出します。初回の認定日は、離職票を提出した日から約3週間後に設定されます。

 

失業の状態を定期的に確認する仕組みなので、来所と活動実績の2つがそろって初めて支給されます。認定日に来所しないと認定が受けられず、その分の基本手当は支給されません。

 

求職活動の実績として数えられる行動には幅があります。

 

  • 求人への応募や面接
  • 転職フェアに足を運ぶ
  • 就職に関する講座を受ける
  • 国の認可を受けた転職エージェントへの職業相談

 

応募や面接だけが実績ではないため、療養明けで面接に自信が持てない時期でも実績を作れます。講座や職業相談から始めて、体調が戻るにつれて応募へ移す進め方ができます。

 

認定日に体調が悪くて行けないときは、当日を黙って過ぎさせないでください。事前にハローワークへ電話して事情を伝え、日程を変えられるか相談しましょう。

 

傷病手当金と失業保険を両方もらう手続きで失敗しやすいポイント

 

手続きの失敗には、あとから直せるものと、日付が過ぎたら戻せないものがあります。戻せないのは退職日当日の出社と、受給期間延長の申請の遅れです。この2つは日付で結果が決まるため、体調が悪い時期でも先に手を打ってください。

 

一方で通院の間隔や求職活動の実績は、翌月以降に立て直せます。

 

失敗しやすいこと 起きること あとから直せるか
退職日当日に出社する 退職後の傷病手当金の継続受給が認められない可能性がある 直せない
受給期間延長の申請を後回しにする 所定の期間が過ぎると失業保険を受け取れなくなる 直せない
受給中に通院を飛ばす 療養の継続が確認できず支給が止まる可能性がある 次の受診から立て直せる
傷病手当金と失業保険を同時に受け取る 不正受給として全額返還のうえ支給停止や納付が課される 自分から申し出れば負担は軽くなる

 

手続きの順番をたどると、つまずきが集まるのは体調が落ち着いてきた時期です。動けるようになった安心感で手続きを先送りし、期限のほうが先に来てしまいます。すでに退職日に出社した場合や申請が遅れた場合も、健康保険組合とハローワークへ事情を伝えて扱いを聞いてください。自己判断で諦めると、受け取れたはずの分まで失います。

 

退職日に出社すると退職後の傷病手当金が止まりうる

 

この1日で失うのは、退職後に受け取れるはずだった傷病手当金です。退職日に働けたのなら労務不能の状態が途切れたと見られるため、挨拶だけ、備品を返しに行くだけでも同じ扱いになりえます。

 

引き継ぎと備品の返却は、退職日の前日までに終える段取りを組んでください。

 

会社から退職日の出社を求められることもあります。そのときは郵送や後日の対応に切り替えられないか相談してください。すでに出社してしまったなら、加入していた健康保険組合へ状況を伝えて扱いを聞いてください。自分で無理だと判断して申請をやめる前に、組合の返事を待ちます。

 

受給期間延長を後回しにすると失業保険そのものを受け取れなくなる

 

延長の手続きをしないまま所定の期間が過ぎると、失業保険は受け取れなくなります。失業保険の受給期間は原則で離職日の翌日から1年しかなく、延長は期間を後ろにずらす手続きなので、元の期間が終わってから申し出ても戻せません。

 

療養が長引くほど、失うお金は大きくなります。1年6か月まで傷病手当金を受け取ってから失業保険へ移る計画なら、延長していない時点で失業保険の分はゼロになります。

 

退職直後に1回申請しておけば、最長4年ぶんの権利が残ります。来所が難しいときは郵送でも申請できるので、体調が悪くて動けないときも、まずハローワークの雇用保険の窓口へ電話して事情を伝えてください。

 

受給中に通院を飛ばすと傷病手当金の支給が止まりうる

 

傷病手当金を受け取っている間は、月に1回程度の通院が必要です。支給の根拠は医師による労務不能の証明で、受診の記録が途切れると証明が続かなくなり、受給資格を失う可能性があります。

 

毎月の申請では、本人と医師が記入した申請書を提出します。受診しない月があると医師に書いてもらう欄が埋まらないため、通院そのものが手続きの一部です。

 

飛ばしてしまうのは、体調が落ち着いた月です。「今月は調子がいいから」と受診を見送ると、その月の分だけ支給が止まります。月々の予定に受診日を先に入れておけば、それだけで支給は途切れません。飛ばした月があるなら、次の受診のときに医師へ状況を伝えて申請書の書き方を相談してください。

 

同時に受け取ると不正受給になる

 

失業保険の不正受給の要件には、健康保険による傷病手当金などの支給を受けたことを申告しなかった場合が含まれます。制度は本人の申告をもとに動くので、受け取った事実を伝えないこと自体が不正受給に当たります。

 

発覚のきっかけは、ハローワークの調査や第三者からの通報です。判明すると課されるのは返還だけではありません。

 

  • 受け取った額の全額返還
  • 失業保険の支給停止
  • 最大2倍の額の納付
  • 延滞金

 

時期をずらして受け取るのは制度上認められた使い方で、不正受給には当たりません。正しい順番で受け取っていれば、申告すべきことも隠すことはありません。すでに重なって受け取った心当たりがあるなら、指摘を待たずに自分から窓口へ申し出てください。そのほうが負担は軽くなります。

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傷病手当金が減額されたり支給されないケース

 

給与やほかの給付を受け取っていると、傷病手当金は減額されるか支給されません。休んでいる間の収入の空白を埋めるための制度なので、ほかから収入がある分は差し引かれる仕組みです。

 

ただし多くの場合はゼロになるのではなく、日額の差額が支給されます。ほかの給付の日額が傷病手当金の日額を下回るなら、その差の分は受け取れます。自分がどれに当たるかを確かめて、生活費の計画を早めに立て直してください。減るか出ないかは日額をどう比べるかで決まるので、正確な額は加入先の健康保険組合に自分の数字で聞くのが確実です。

 

受け取っているもの 傷病手当金の扱い 差額が出る条件
給与 原則として支給されない 給与の日額が傷病手当金の日額を下回るとき
障害厚生年金・障害手当金 同じ病気やけがを理由とする分は支給されない 年金の日額が傷病手当金の日額を下回るとき
労災保険の休業補償給付 併給できない 休業補償給付の日額が傷病手当金の日額を下回るとき
老齢退職年金(退職後) 原則として支給が止まる 年金の日額が傷病手当金の日額を下回るとき
出産手当金 出産手当金が優先される 傷病手当金の日額が出産手当金の日額を上回るとき

 

給与を受け取っている場合は差額だけの支給になる

 

給与が支払われている期間は、傷病手当金は原則として支給されません。給与を受け取れない人の収入を補う制度なので、給与がある分は同時に支給されない決まりです。

 

ただし給与の日額が傷病手当金の日額を下回る場合は、その差額が支給されます。休職中に給与の一部が支払われている人や、副業で給与が出ている人も同じ扱いです。少しでも給与が入ると全額もらえなくなる、と諦める必要はありません。

 

気をつけたいのは会社からのお金の名目です。見舞金などの形で支払われると対象外になる可能性があるため、何という名目で振り込まれているのかを会社に確認し、その内容を加入先の組合へ伝えてください。名目が違うだけで扱いが変わります。

 

障害厚生年金や障害手当金を受け取っている場合

 

同じ病気やけがを理由とする傷病手当金は、障害厚生年金や障害手当金を受け取っていると支給されません。1つの傷病について二重に補償しない仕組みで、原因が同じかどうかが分かれ目になります。

 

障害厚生年金の日額が傷病手当金の日額を下回るときは、差額が支給されます。障害手当金のほうは、その額が傷病手当金の総額に達したあとは傷病手当金が支給される扱いです。年金を受け取っていても、差額を受け取れる場合があります。

 

別の病気やけがを理由とする場合は扱いが変わります。原因が同じ傷病かどうかを判断するのは組合なので、自分で決めつけず加入先の健康保険組合に問い合わせましょう。

 

労災保険の休業補償給付を受け取っている場合

 

労災保険は業務上の病気やけがを対象とするため、傷病手当金と併給できません。どちらも休業中の所得を補う制度で、同じ期間に両方が出ることはない決まりです。

 

業務外の病気やけがで休んでいても、労災から休業補償給付を受けていれば同じ扱いになります。休業補償給付の日額が傷病手当金の日額を下回る場合は、その差額が支給されます。

 

自分のけがや病気が業務によるものだと思うなら、まず労働基準監督署に相談してください。労災に当たるかの判断が付いてから申請先を決めれば、出し直しの手間がなくなります。

 

老齢退職年金や出産手当金を受け取っている場合

 

退職後に老齢退職年金を受け取ると、傷病手当金は原則として支給が止まります。ここで止まるのは退職後の継続受給の分で、在職中に受け取った分にはさかのぼりません。年金の日額が傷病手当金の日額を下回る場合は、その差額が支給されます。

 

出産手当金と期間が重なるときは、出産手当金が優先されます。傷病手当金の日額が出産手当金の日額を上回る場合は、その差額を受け取れます。

 

年金の受給を始める時期を自分で選べる立場なら、傷病手当金が終わる時期との重なりを窓口で相談してください。開始の時期をずらすだけで、受け取れる合計額が変わることがあります。

 

傷病手当金も失業保険も受け取れないときに使える制度

 

傷病手当金も失業保険も受け取れない人のために、性質の違う3つの制度が別に用意されています。給付で支える求職者支援制度、借りてつなぐ生活福祉資金貸付制度、症状が長引く場合の障害年金です。

 

窓口はハローワーク、社会福祉協議会、年金の窓口とそれぞれ違います。いずれも条件と審査があるため受け取れるとは限りませんが、収入がゼロになる前に自分の状況に近いものから順に相談してください。

 

制度 受けられる支援 相談する窓口
求職者支援制度 職業訓練と、訓練中の生活費の支援 ハローワーク
生活福祉資金貸付制度 低金利または無利子の貸付 各都道府県の社会福祉協議会
障害年金 障害の状態に応じた年金 年金の窓口

 

求職者支援制度なら職業訓練と生活費の支援が受けられる

 

求職者支援制度は、失業保険の受給資格がない人や受給期間が終わった人が対象です。雇用保険から給付を受けられない人を支えるために作られた制度なので、失業保険が使えなかった人がそのまま対象になります。

 

内容は職業訓練と生活費の支援で、再就職に必要な技能を身につけることを目的にしています。条件を満たせば訓練そのものは無償で受けられるため、収入をつなぎながら次の仕事の準備を同時に進められます。

 

手当の名前 補助されるもの 対象になる人
職業訓練受講手当 訓練中の生活費 訓練を受けている人
通所手当 訓練施設への通学費用 交通機関などで通う人
寄宿手当 訓練のための寄宿の費用 遠方から通う人

 

手当の支給には出席などの条件が付きます。申し込む前にハローワークで自分が条件を満たすか聞いておけば、訓練に通い始めてから手当が出ないと分かる事態を避けられます。

 

生活福祉資金貸付制度は低金利または無利子で借りられる

 

生活福祉資金貸付制度は、収入の減少や失業で生活資金が足りなくなったときに使えます。実施元は各都道府県の社会福祉協議会で、暮らしを立て直すための費用も、就職の活動でかかる費用も借りる対象に含まれます。

 

生活の再建を目的にした公的な貸付なので、金利と返済期間の条件は民間の借り入れより緩く設定されています。低金利または無利子で、返済期間も長期です。連帯保証人を立てれば無利子で借りられるため、頼める人がいるかどうかを先に考えておきましょう。

 

ただし借り入れなので返済は必要です。給付でつなげる分がないかを先に確かめ、それでも足りない額だけを相談すると返済の負担が軽くなります。

 

障害年金はうつ病や適応障害でも対象になる可能性がある

 

障害年金は、国民年金や厚生年金の被保険者が一定の障害状態になったときに支給される年金です。うつ病や適応障害などのストレス性の疾患も対象になる可能性があります。

 

初診日の時点で年金保険料の納付要件を満たしていること、障害認定日に所定の障害等級に該当していることが条件です。対象は傷病の種類ではなく障害の状態で判断されるため、病名だけで対象から外れることはありません。ただしどちらの条件も審査を通る必要があるので、申請すれば受け取れると決まっているわけではありません。

 

傷病手当金の通算1年6か月が終わったあとの収入として考えられます。つまずきやすいのは初診日の証明で、これが取れないと申請が進まないことがあります。通院先が変わっているなら、最初に受診した医療機関に記録が残っているかを早めに確かめてください。

 

傷病手当金と失業保険についてよくある質問

 

うつ病でも傷病手当金はもらえますか

 

業務外の理由でうつ病になり働けない状態であれば、傷病手当金を受け取れる可能性があります。ただし労務不能かどうかは医師の診断書などをもとに審査されるため、うつ病だから必ず認められるとは限りません。

 

気をつけたいのは原因の見方です。職場のストレスが原因と判断されると労災の扱いになり、傷病手当金の対象外になる可能性があります。仕事が原因だと感じているなら、申請の前に労働基準監督署へも相談してください。

 

傷病手当金と失業保険を同時にもらったらばれますか

 

不正受給として扱われます。ハローワークの調査や第三者からの通報で判明することが多く、発覚すると全額の返還に加えて失業保険の支給停止、最大2倍の額の納付、延滞金が課されます。

 

一方で、受け取る期間が重なっていなければ問題にはなりません。傷病手当金を受け取り終えてから失業保険に切り替える形は制度が想定している使い方なので、隠さず申告して手続きを進めてください。

 

失業保険は退職後すぐに受け取れますか

 

すぐには始まりません。求職の申し込みのあとに7日間の待期があり、自己都合退職ならその後に原則1か月の給付制限が加わります(離職日が2025年4月1日以降)。会社都合退職は待期7日のあとに支給が始まります。

 

療養が理由の退職として特定理由離職者に区分された場合や、退職後に傷病手当金を30日以上受け取っていた場合は、給付制限がつかないことがあります。自分が当たりそうならハローワークで確認してください。

 

傷病手当金と傷病手当は何が違いますか

 

傷病手当金は健康保険が出す給付で、在職中に働けなくなった人の収入を補うお金です。傷病手当は雇用保険が出す給付で、退職したあとに療養している人が働ける状態に戻るまでを支えます。

 

名前は1文字違いですが、根拠になる制度も問い合わせ先も別です。傷病手当金は協会けんぽや健康保険組合、傷病手当はハローワークが窓口なので、取り違えると問い合わせ先そのものを間違えます。

 

傷病手当金の申請から入金までどれくらいかかりますか

 

おおむね2週間〜1か月程度です。加入している健康保険組合によって差があるため、何日と決めつけず幅を持って見込んでください。

 

初回は勤務先の記入と医療機関の記入を待つ分だけ時間がかかりやすく、そのあとは毎月の申請になります。生活費の計画を立てるときは、最初の入金までが一番長くなる前提で組んでおくと安全です。

 

傷病手当金をもらって退職しても失業保険は時期をずらせば受け取れる

 

傷病手当金と失業保険は同時には受け取れませんが、受け取る時期をずらせば両方受け取れます。在職中に傷病手当金を受け取り、退職後にハローワークで受給期間延長を申請し、回復してから失業保険へ切り替える順番です。

 

自分がどう動くかは、退職後に働けない状態が30日以上続くかで分かれます。30日以上働けないなら延長を使って失業保険の権利を残し、29日以内に働けるなら延長を使わず通常の手順で申請してください。

 

先に手を付けるのは、退職日当日に出社しないことと、受給期間延長の申請です。この2つは日付が過ぎると取り返しがつかず、退職後の傷病手当金と失業保険そのものを失います。

 

給付制限は2025年4月1日以降の離職で原則1か月です。病気やけがを理由に離職して特定理由離職者と認められれば給付制限はかからないので、離職票の離職理由を確かめておきましょう。

 

どちらも受け取れなかった場合は、求職者支援制度・生活福祉資金貸付制度・障害年金の3つが残ります。まずは自分の加入先の健康保険組合と、住所を管轄するハローワークへ電話して、いま出せる書類を聞くところから始めてください。

 

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