労務管理に役立つ知識#26 『有休取得率向上に向けての取り組み』(渋谷・社労士・労務相談・有休・5日・労務アドバイザリー)
2022/06/15
直近の統計調査(令和2年度就労条件総合調査)によると、労働者全体の有給休暇取得日数の平均は、10.1日でした。ようやく二けたを超えてきました!しかしながら従業員30名程度に目を落とすと、8.7日とまだまだ低水準。取得が進んでいないことがわかります
なぜ取得がここまで進んでいないのか。
回答が多かった上位3位は次のとおりです。
①みんなに迷惑がかかると感じるから→66.8%
②後で多忙になるから→48.8%
③職場の雰囲気で取得しづらいから→24.6%
これらから推理すると、問題は会社側にありそうです。
①については有休の本質を伝えていない
②については業務量の把握ができていない
③については上長が積極的に取得していない
つまりこれらを改善していけば、自然と取得しやすい環境に生まれ変わると思います。
サマリしますと、下記のとおりです。
・有休とは『心身の疲労を回復するため』に取得するもの。すなわち少し業務に疲れたら、そのときが使い時であることをトップ(社長指示)ダウンで示しましょう。上長が取得に異論を唱えるようであれば、ラインの最上位(経営)に報告することまでを『ルール化』しましょう。
・部下ひいてはチームの業務量の把握及び非常時のヘルプ(業務の巻き取り)は上司の業務領域です。有休を取得する側は、私事理由で当然に丸投げするようであれば本人の人間力を疑いますが、そもそも自分でリカバリできないほどの業務を持っているのに、それを傍観することしかできない上司に対しては、その者の上司がきちんと指導する必要があると感じます。
・最後に最も有休取得が進まないのは、”上司が取得しないから”です。上司とは他の模範となる存在でなければなりません。日ごろから有休取得推奨を口にしていても、頑張っている上司を目の当たりにするとやはり休みづらいのが部下の心情というもの。この心情を汲み取り、是非上司のみなさまには主体的に取得頂くことを求めます。
まずはここから。
現実的ですべきことは単純かつ効果もそれなりに見込めますので、是非、貴社でも取り入れてみてください