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労務管理に役立つ知識#21 社内不倫対象者を解雇できるのか?(渋谷・社労士・労務相談・懲戒・解雇・コンサルティング)

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労務管理に役立つ知識#21 社内不倫対象者を解雇できるのか?(渋谷・社労士・労務相談・懲戒・解雇・コンサルティング)

労務管理に役立つ知識#21 社内不倫対象者を解雇できるのか?(渋谷・社労士・労務相談・懲戒・解雇・コンサルティング)

2022/05/26

妻子ある身分でありながら、社内の女性従業員との不倫を認めた男性従業員を”懲戒解雇”出来るのか。

 

原則、社内不倫のみで懲戒解雇とするのは難しいです。

 

懲戒解雇とは、あくまで労務上のルールから違反して、どれだけ会社に損失を与えたか、この点を合理的に理由付けしなければなりません。

 

基本的に社内不倫は、社員個人同士のプライベートの問題であり、通常の業務とは切り離して考えるべきですので、不倫の事実があったからといって、会社が直ちに不倫について干渉することはできません。

※これが優位な職位性を背景に、相手を強制的に脅しもしくは拒否できない状況を作り出し、当該行為等、刑法に接触する疑いがあるならば話は別です

 

上記、社内で懲戒解雇の合理性を判断する場合には、過去の判例法理を参考に、当該事象と対比してみてください。

 

ここに有名な判例を2つ取り上げたいと思います。

 

①長野電鉄事件(東京高等裁判所昭和41年7月30日判決)

バス会社で妻子のいる年配の運転士が未成年の女性車掌と不倫関係をもち、女性車掌を妊娠させて、女性車掌が中絶手術後に退職するなどしたことを理由に、会社が運転士を解雇した事例

 

②池田高校事件(大阪地方裁判所平成2年8月10日)

教え子との目立った交際、同人の卒業後、肉体関係等持ったことを理由に、妻子ある高校教諭を解雇した事例

 

いずれも納得感(=合理的)があると思います。①は不貞行為のみならず、女性側が妊娠出産、職まで辞しているのに、男性側が会社に留まる理由がありません。②は教職という特殊な職業により、その高校のみならず、教育機関全体が非難の対象になりえます。社会的に与えるインパクトは非常に大きいということです。

 

懲戒解雇が難しい理由、お分かり頂けましたでしょうか。

 

ただし、懲戒解雇は出来なくとも、不倫という行為によりもたらされた影響度(ハレーション)や悪意性(確信的な行為)により、何らかの懲戒処分とするのは明白です。

 

事実確認では、事実否認をしてくるケースがありますが、仮に明確な証拠がなかったとしても、今ある事実で適切な処分を検討してみてください。

 

一般的には懲戒解雇を視野に入れた”出勤停止”あたりでしょうか。7~30日分程度を視野に入れ、事実確認中を無給扱いで、事象を整理してみましょう。(就業規則に記載がない場合は除く。)

 

本人の性格や周囲の反応、職場環境をふまえ会社にとって何がベストなのかを検討してみてください。

 

たとえば、下記のようなプロセスが考えられます。

・出勤停止→通常勤務

・出勤停止→退職勧奨

・出勤停止→配置転換(出向含む。)

・退職勧奨→合意退職(解雇予告手当相当分で示談)

・普通解雇(条件が適当の場合。)

・退職勧奨→残有給の全消化満了日で退職

 

個人的には”出勤停止”がベースで良いと思いますが、本人が改悛し、会社側にも何かしら落ち度があった場合等情状を酌む事由があるならば、譴責処分等でもよいでしょう。

 

不倫(不貞行為)により私生活上で民事になった際は、それはそれ。

会社が関与すべきものではありません。

 

ちなみにこの考え方は社内恋愛でも同様です。

就業規則に”社内恋愛は禁止”と記載があったとしても、あくまで恋愛はプライベートの範疇であり、会社が一方的に禁止することはできません。ただし、判例で取り上げたように、納得感がえられる事由がある場合には、認められる可能性があります。わかりやすいところでいうと、芸能事務所ですね。自社の抱えるタレントに手を出すことはご法度です。

 

従業員の多寡にかかわらず、男女間の問題も必ず発生しますので、知識としておさえておくと良いと思います。

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