労務管理に役立つ知識#34 『求人票の内容は正確に!』(渋谷・社労士・顧問・労務相談・採用・求人)
2022/07/20
求人票を出すからには良い人材に入社してもらいたい。
これは誰しもが思うこと。
しかしながらこの思いが強すぎると、求人票を魅力的に見せるべく、現実とは異なる労働条件、処遇待遇を明記した結果、入社後労働紛争に発展するケースは決して珍しくありません。
求人票が、会社側の恣意的な思惑で作成されたことが推測される場合、損害賠償請求をされる可能性が高いため、お心あたりがある事業所におかれましては、早急に見直された方がよろしいかと存じます。
たとえば求人票に”退職金あり”と明記してはいるものの、実際のところ、退職金規程もなければ退職金共済制度への加入もしていなかったという事案について、退職金を支給するという求人票の記載内容が、労働契約上の労働条件と認められたケースがあります。ただし、求人票の労働条件と異なる労働条件が示されたことがないような場合に限るとしており、求人票の内容と異なる労働条件が別途提示され、労働者がこれに合意した場合はこの限りではない。
つまり、入社時の労働条件通知書が入社後の労働条件のすべてであり、これに合意した際は、求人票上の労働条件は、一切関係ないということになります。
だからといって良い人材を集めるため、求人内容を酷く偽り募集をするという行為は、職業安定法第65条に接触しますので、適切な文言で記載するよう努めてください。また、現在は思案中案件でも、たとえば「賃金テーブル見直し中」、「新規プロジェクト〇月実施予定」等、従業員にとってポジティブな内容で実現化が期待される将来の可能性を明記する分には問題ございませんので、積極的にアピールして頂くと良いでしょう。