【速習】労務管理に役立つ知識#6 『改正育児休業法でするべきこと概要』(人事・労務)
2022/03/07
改正育児休業法始動!
今回の法改正で何がどう変わったのか。
「男性社員が育児に積極的に参加できるようになったそうだよ~でも結局取れないんでしょ?」
という声を耳にします。
確かに育児休業は柔軟に取得することができるようになりました。
しかしながら結局その制度を使うには、職場環境が整っていなければなりません。
そこで今回は大きく2段階にわけて改正が入ります。
今回は全体像を確認します。
第一段階は『環境整備』です
こちらは4/1から施行(最初の育児休業対象者から適用)しますので、なるべくはやく取り組みましょう。
取組1:育児休業(出生時育児休業)の申出が円滑に行われるように下記いずれかの措置を講じること。
①育児休業と出生時育児休業の研修の実施 |
②育児休業と出生時育児休業の相談窓口の設置(相談体制の構築) |
③自社男性従業員の取得事例を集めてイントラ等に情報提供 |
④自社の従業員へ育児休業と出生時育児休業の制度と取得促進関する方針の周知 |
取組2:妊娠出産の申出があった際に、育児休業(出生時育児休業)の周知・意向の確認をすること。
→制度周知を全体にするだけでは足りず、申出があった者に個別に周知にくわえて取得の意向を確認しなければなりません。
制度の周知とは例えば下記のようなことを言います。
・10/1より、育児休業は従来男性女性ともに今まで1回しか取得できなかったが、2回に分割して取得できるようになった。
・10/1より、「出生時育児休業」という新制度が創設され、出生後8週間以内に限り、2回に分割して最長4週間(28日)男性社員は育児休業を取得できるようになった等
取組3:有期契約労働者の取得要件が緩和します。
従来は「入社1年以上」という期間に縛りがありましたが、改正でこれがなくなり、「入社から1年6か月経過後も雇用契約が確実であること」のみになりました。
以上の3点について整備し、就業規則に明記しましょう。
ここで育児休業(出生時育児休業)の制度周知と体制を盤石の状態にしたうえで、10/1の法改正を迎え入れます。
第二段階が本改正の主軸である育児休業の改正です
取組4:育児休業の分割取得の開始等
・育児休業が男性女性社員ともに子が1歳に達するまでに特別な理由なしに2回の分割取得が可能になります。
取組5:出生時育児休業の開始
・従来のパパ休暇が廃止となり、新規に創設となります。出生後8週間以内に限り、2回に分割して最長4週間(28日)男性社員は育児休業を取得できるようになる等
以上の2点について整備し、10/1施行に向けて就業規則に明記しましょう。
最後に大企業向けに2023/4月に法改正が入ります。
取組6:育児休業取得状況の公表
→国は大企業の取得状況を確認します。
いかがでしたでしょうか。
会社側で制度を受け入れる受け皿、体制を4/1から半年間で整えていただき、10/1から制度施行するというイメージです
次回は4/1施行分について、もう少し踏み込んで解説したいと思います。