社労士開業準備#17 『開業後の1日のタイムスケジュール』私の実体験 (社労士・開業・準備・営業・士業)
2022/10/29
「開業当初の社労士はお客さんがいないから暇」
というイメージを持たれる方が多いのですが、開業時こそが最も忙しいと思います。なぜなら開業社労士は、プレイヤーであると同時にセールスマンでマネージャーでもあり、バックオフィス担当でもある。要はすべて自分自身で対応しなければならないのです。知識や経験、心構えが不完全な状態ですと、この先大変苦労しますし、今1年前を振り返ってみてもそう思います。
みなさんは開業直後、最も注力すべきことは何だと思いますか?
答えはセールスです。
営業こそが事業そのものを支えます。
どんなに秀でた物やサービスがあろうとも、買ってくれる相手がいなければ絵に描いた餅。
そこで営業未経験でコネもない私は、徹底的に営業を考え行動しました。
ただ営業といってもテレアポは1回も行ったことはありません。
私の営業は大きく3つ。
一つ目は自宅近く、もしくは、将来事務所を構える(引っ越しを視野に入れている)ことを想定し、その地区に事務所を持つ税理士事務所に、開業のご挨拶を行いました。
ご挨拶といっても単純なDMを送付するのではなく、ノベルティを同送し、目に留まる工夫を施しました。当初DM内容はテンプレ化していたのですが、やはり心がこもっていないと人の気持ちは動かせないことを学んだため、そこは横着せず、リプライ率をあげるため(ペルソナをもう少し鮮明化するため)、同性、同年代、何かしら接点がある方をWebやSNSから情報収集し、ピックアップしました。これだけでもかなりの時間を要しました。
二つ目はビジネスマッチングサイトを使用しての営業です。こちらで経営者との接点を数多く頂き、現在の収入の原点となっています。ただアイミツになりますので、過度な依存は禁物です。薄利多売戦略ならフィットするかもしれませんが、頭数が揃っていない中で行うにはリスクがあります。
三つ目はホームページの制作です。SEO対策を高めるため、予算の範囲内で業者を選定し、すぐに取り掛かれるよう、質の高いブログを2日に1本作成し、ストックしていきました。
故に私の開業当時のタイムスケジュールは、8:00~疲れるまで、上記の営業行為です。
(原則、カレンダー上の営業日はマスト、土日は3時間程度の業務(完全オフ日はない予定でスタート))
最初の6か月程度はほぼリターンはなく、正直精神的に追い込まれたこともありました。特に、二つ目に書かせて頂いたビジネスマッチングサイトでは、ご提案内容(特に見積金額)で折り合いがつかず、9割5分お断わりされますので、心のバランスを取るのが難しいです。ですので、自分なりの息抜きの方法や、ストレス解消法を用意しておく必要があります。
※私の場合はキックボクシングとワンカラです
「開業6か月間はほぼリターンがないのか。。。」と悲観的になる必要は全くなく、これはあくまで私の経験則。もしも自信がないのであれば、現職中にもっと準備しておけばいいだけの話。また、令和4年7月に副業解禁されてこともあり、副業が圧倒的にしやすい状況にあるため、会社の就業規則を確認し、副業から始めてみるのもよいでしょう。
※就業規則で禁止となっている場合は、社労士の視点から交渉してみるとよいと思います。
さて、前回の投稿で開業後6か月間の総売上は約113万円とお伝えしましたが、「毎日営業活動しているだけなのに100万以上売上があるのはいささかおかしのでは?」と思われた方のために少しだけ補足します。
実はこの売上の中には、月額9万円の顧問契約料が含まれています。
ただこの顧問契約料は開業してから新規に獲得したというよりは、当時勤めていた企業の労務コンサルティングをそのまま引き継がせてもらいました。現職中に当時の役員に営業をしたというわけです。それなりに社内改革で陣頭指揮をとっていましたし、成果もある。独特な人間模様も理解しているため話が早いということで、契約に至りました。
※手続きや給与計算は外部の社労士法人が担当。
故に、顧問を除き新規の売上は6か月間で約50万円ということになりますが、その内訳は主に就業規則作成・修正を受注しました。
私の初顧問契約は7か月目(令和4年1月)でした。ビジネスマッチングサイトで初受注。ここが私の本当のデビューの時期。
しかしながら、実を申し上げますと、当時の私は手続と給与計算は全くの未経験。
※なぜなら実務はすべて外部委託していたため。
そんな私でも安心して受注し、今までノーミスでやってこれたのは時代の賜物でしょうか。諸先輩方の書籍やクラウドサービスが秀逸過ぎる!
ということで、次回は実務未経験者が手続きと給与計算をノーミスで出来るであろう秀逸な書籍と給与サービスを紹介したいと思います。
【Next Picks】開業時本当に役立つ実務書籍と給与サービス